今日の常連さん〜お気に入りの席に移動する常連さんに言われた衝撃的な一言〜
まだ岐阜にいた頃、私はとある喫茶店で働いていた。
岐阜にはモーニングという文化がある。
珈琲を一杯頼むだけでパンと卵がサービスされる。
サラダがついてくるお店もあればフルーツがついてくるお店、お団子が出てくるお店もある。
お土産に!って林檎をくれるお店もある。
「珈琲一杯でそんなにサービスして経営大丈夫なん?」
と心配してしまう時もあるがモーニングきっかけで常連になってくれる方がたくさんいるのだ。
私の働いていた喫茶店では朝と夕方、1日2回も訪れてくれる常連さんがたくさんいる。
そんな常連さんたちとの思い出を書いていこうと思う。
〜今日の常連さん〜
いつも朝と夕方訪れてくれる常連さんで、私の事をピーちゃんと呼んでくるおじいちゃんがいる。
ピーちゃんと呼ばれるようになった理由はこちらから読めます。↓
そのおじいちゃんにはお気に入りの席がある。
喫煙席の(まだ喫煙席があったころのお話です。今は全席禁煙です。)ソファー席がおじいちゃんの特等席。
しかし、席は早いものがちなので空いていない時もある。
いつも夕方訪れる時は大体空いているが、その日はたまたま空いていなかった。
「空いたら移動されますか?」
「そうするわ、、ピーちゃん空いたら教えてくれ」
と違う席に座った。
しばらくして、席が空いたのでおじいちゃんに声をかけに行った。
「席あきましたよ」
「ありがとう」
「この珈琲、私が席までお持ちするので先に席に座っていてください〜」
そう言って珈琲カップをトレーの上に置こうとしたら、おじいちゃんが慌てて
「大丈夫、大丈夫、ワシが持ってく」
と言った。
おじいちゃん、気を遣っているのかな、優しい方だなと思っていたら、
「毒盛られるかもしれんからな、自分で持っていくんじゃ」
と珈琲カップをひょいと持ち上げて、小走りでお気に入りの席まで運んで行った。
おじいちゃん、毒は盛らんというかもっとらん。
そんなひどい事をする小娘に見えているのか、、、とショックだった。
おじいちゃんになんの恨みもないし、ピーちゃんって呼ばれるのも気に入っているのにな。
お気に入りの席で珈琲を飲み干したおじいちゃんは、パチンコで当たったお菓子を「みんなで食べな」と言って帰っていった。
おじいちゃん、このお菓子毒入ってないですよね…?と少し不安になった。