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猫に優しい世界

ウチの近所には「地域猫」が多く住んでいる。

エサはもっぱらお隣さんとお向かいさんがあげている。
ウチは寝床に使われることが多いようだ。ウチの玄関前に物置として使っているラックがあって、その2段目のスペースを茶トラと黒猫が互いに牽制し合いながら使っているが、ボクが玄関のドアを開けると急いで飛び降りて、なにごともなかったような顔をして欠伸をする。

ウチによく来る茶トラ猫

ウチの近所に住んでいる猫たちの中で、一番人間と距離が近いのはキジトラのメスだ。彼女はお隣でエサをもらい、お隣が用意している段ボール箱を寝床にしており、いつ見てもだいたいそこに居座っている。
他の猫たちと違って、あまり人間を警戒している感じもない。

割と人間との距離が近いキジトラ


ボクが子供の頃、家でオス猫を飼っていた。
体がデカく尻尾の短いキジ白猫だ。彼は自由に外に出て、好きな時に帰ってきてウチでエサをもらっていた。夏場は夕方出て行って朝帰り、冬場はウチのコタツで丸まっていたように思う。
時々体中にコセンダングサやオオオナモミなど(いわゆるひっつきむし)をくっつけて帰ってきていたし、定期的にノミやダニの駆除をしていた。
当時はなんとなくそれが普通なんだと思っていた。

彼との出会いは、ボクが小学校低学年の頃、家族で祖父の家に行ったときだ。土手で1匹だけで鳴いている仔猫を見つけて、そのまま自宅に連れて帰ったと記憶している。まるで夏目漱石の「吾輩は猫である」の冒頭部分のようだ。
彼はウチで10年くらい暮らしていたが、ある日帰ってこなくなった。

彼がどうなったのかはわからない。
ボクはその頃、高校生になっていたので、学校とバイトとバンド活動で忙しく、「ああ、どこかで死んでしまったのかもしれないな…」と思ったが、目の前で亡くなったわけではなかったのでダメージは少なかったように思う。

地域猫が自由に暮らしていけるのは、街が平和だからだ。
こんな猫に優しい世界がいつまでも続いて欲しいと願っている。


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