悪習慣と認知機能
・脱水状態
ごく軽度の脱水状態でも、認知機能に影響アリ。
注意力を必要とするタスクにおいては、脱水状態になり始めた早い段階からミスが出始める。
さらに状態が進めば、間違った回答などをする頻度はさらに増加するという。
体内の水分が2%失われると(水分を取らずに行う数時間の運動でこの状態になる)、計算・論理能力に影響が出始める。
・ネクタイの着用
ネクタイの着用で脳への血流量が約7%減少する可能性がある。
“社会的に望まれる絞首”について調査した研究チームは、調査に参加した男性を2つのグループに分け、一方だけにネクタイを着用してもらった。その後、脳への血流量をMRI(磁気共鳴映像法)で測定したところ、ネクタイの結び方がきつかった男性ほど、脳への血流量が大幅に減少していた。
・砂糖の摂取
砂糖が神経系と認知機能の健康に悪影響を及ぼす。(糖が原因で昏睡状態になることは、かなり広く知られている)
ラットに水ではなく砂糖水を与えたところ、記憶力に悪影響が出ることが確認された(興味深いことに、砂糖に加えてオメガ3を与えたところ、そうした影響は見られなくなった)
グルコース(ブドウ糖)またはスクロース(ショ糖)のいずれかを摂取した人たちは、フルクトース(果糖)またはプラセボを摂取した人たちよりも、認知機能検査の結果が悪かった。(砂糖はアルツハイマー病との関連性が示されている)
・教室でのスマホの使用
大学で認知心理学を専攻する学生118人を対象に、教室での携帯電話とタブレット、ラップトップの使用を認めた場合とそうでない場合の成績の違いを1学期にわたって調査した。
期末時点での成績は、これらの機器の使用を禁止された学生たちの方が5%高くなった。使用が認められていた学生たちは注意散漫になり、記憶が妨害されたとみられている。こうした関連性を示した初の研究結果ではあるが、同様の影響は職場や家庭でも出ていると考えられる。
・慢性的なストレス
慢性的なストレスが精神的能力にも悪影響を及ぼす。これは、ストレスホルモンとして知られるコルチゾールとその抗炎症作用によるもの。
ストレスは記憶形成から意思決定、視覚と手の協調、脳体積などにも影響を及ぼすことが分かっている。ストレスの影響を軽減するためには、私たちは瞑想やヨガ、その他のセラピーを通じて自分自身をケアする必要がある。
・社会的つながりの欠如
社会的なつながりの欠如とそれによる孤独は、心身の健康に重大な影響を与える。
特に、高齢者への影響は大きいとされる。社会的孤立は将来の認知機能低下にとって多大なリスクになり得る。
社会的交流によるストレス軽減効果と、知的・感情的な刺激が減少することが関連しているとみられている。
・睡眠不足
脳細胞と認知機能をリアルタイムで観察した研究結果では、夜間の睡眠が不足すると、認知的作業における脳細胞の反応が遅くなり、間違いも増えることが確認された。
長期に及ぶ睡眠不足が認知機能と記憶形成能力に影響を及ぼすことが指摘されている。
・貧困
長期的な社会的不遇への心的ストレスを回避するためか、認知機能に悪影響を与えると言われている。知能指数で言えば、13ポイントの差が付く可能性がある。
脱水、衣服締付、砂糖摂取、スマホ使用、慢性ストレス、社会的孤立、睡眠不足、貧困
→往々にして、日常的な些細な肉体的・精神的なストレスでさえ、認知機能に影響する。隠れた癖や依存行動に注意。
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