外国人が離婚して再婚する場合に、配偶者系のビザ申請で絶対にしてはいけないミスや勘違いについて その3

みなさんこんばんは!


さて、今日は2回にわたってお伝えしてきたテーマの3回目の記事です。

最後に、実際のリアルなビザ申請の審査現場での、配偶者系のビザの更新申請の審査のイメージや方針についてお話して締めたいと思います。

前回の記事でお伝えした通り、「離婚や再婚をともなう場合の配偶者系のビザの更新申請」は、普通の更新申請とは「全くの別物」です。

更新申請とは名ばかりで、「認定の呼び寄せの申請や変更申請と何ら変わらない高いハードルが設定されています」ので、絶対に「更新だから簡単にできる」とは思わないでください。

形は更新申請になっていますが、実際には更新申請ではなく、認定や変更の申請なのです。

とここで、今日のメインテーマについて書きます。

「配偶者系のビザの申請における申請人と審査官の認識のギャップから生まれる不幸=不許可の恐怖」についてです。

すでに配偶者系のビザを持っている申請人からすれば、「前の結婚についてはすでにビザは取っているので説明は不要、今の結婚についてだけ説明すればよい。余計なことはあまり言いたくない。」と思うわけです。

無理もありません。普通はそのように考えるはずです。

ですが、ビザ申請においては、常識がやや変化します。

対する審査官の目線からすれば、「ビザは許可が取れたら終わりではなく、許可が取れたら在留活動(結婚生活が順調にされているのかについて等)の管理が開始する。活動がきちんとされているか、定期的に最後までチェックする必要がある。」と考えます。

この認識のギャップが恐ろしい結果(不許可)を生むことがあるのです。

離婚し再婚した案件の配偶者系のビザの更新申請では、入管の審査官は、まるで当然のように、今の結婚についてだけでなく、前の結婚についても、

その出会いから交際や結婚に至る経緯や背景や経済基盤や配偶者としての活動内容がずっと適切だったのか、真正な結婚の実態があったのか等について確認する必要があると考えて、チェックしてくるのです(特に2020年2月のガイドライン改正後はこの傾向が強くなりました)。

申請人が上記のように最低限の説明で乗り切ろうとすればするほど、審査官は「何か隠しているのでは?知られたくないことがあるのでは?」と警戒レベルをあげて審査するモードになってしまうのです(ベテランの審査官ほどこの傾向が強くなりがちです)。

特に、過去の前の結婚について説明がない場合には、「なにかやましいことがあるのではないか?偽装結婚だったのではないか?」と悪い方に考えてしまうのです。

「人の結婚をそんなに疑うのか!幸せなことなのに!」とげんなりしてしまうかもしれませんね・・・

しかし、審査官は国防・警察系の「取り締まる」公務員であり、申請内容を疑うのが、彼らの仕事なのです(そのように訓練・教育されているのです)。厳しい現実ですが、リアルに存在する事情なので無視はできません。

とにかく、更新申請では、今の結婚だけでなく、過去の前の結婚についても説明・立証をする。

その他の気になる点(素行不良や審査官から見てマイナス事情となる点等)についても一個づつきちんと説明をする。

手間も時間もかかりますが、それが許可にもっとも早く確実にたどり着く早道になります。

疑われる前に1回目の申請ですべてきちんと説明・立証をして審査官の心証を悪くしない。それが一番の安全な申請、一番許可に近い申請になるのです。

以上。身もふたもなく、厳しい現実ありのままの内容で恐縮ですが、これがリアルなビザ申請の姿になりますので、お伝えいたしました。

困難案件や不許可案件の許可を多くてがけてきた経験があるため(半ば困難案件・不許可案件の専門になりつつあります)、上記のような申請人と審査官の認識のギャップの大きさを感じる機会がこれまでもとても多くありました、その経験や技術が皆さんのお役に立てれば幸いです。

入管・外国人ビザ(在留資格)申請専門 ソフィア国際法務事務所 行政書士 横田あずま

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