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10/10(日) 東京都2部リーグ戦 第17節vs一橋大学 マッチレポート #14

20度後半の汗ばむ陽気が続いた10月の2週目、我々は3位に位置する一橋とのビッグゲームに挑んだ。

前節はちょうど1週間前の10月3日、武蔵との一戦。前半終了間際に先制される苦しい展開だったものの、エース池田のドブレーテで逆転に成功。逆転で上位対決3連戦の1つ目をモノにし、6連勝を飾った。

対する一橋は7勝2分3敗の3位に位置する。前半戦こそ振るわなかったものの5連勝で上智、玉川を猛追。前節では玉川を3-2で撃破。勢いに乗るチームだ。

前回のマッチアップでは菅と関のゴールで2-0と勝利。内容も危なげなくまさに”完勝”であった。今節勝利すれば1部昇格へのマジックは1となる。前期とは大きく違うチームとなっている一橋だが、前期のゲームの再現となるか。

上智のラインアップは以下の通り。

羽藤 宏太朗(C)(4年/#1/GK/國學院久我山高校)
髙野 陽 (3年/#56/MF/県立川和高校)
池田 総一郎 (4年/#10/FW/県立川和高校)
菅 雄太郎(2年/#55/MF/八千代高校)
三谷 宗 (4年/#7/MF/日本大学鶴ヶ丘高校)
野田 祐成 (2年/#48/DF,MF/國學院久我山高校)
大山 諒(3年/#88/MF/武南高校)
古山 悠人(2年/#80/DF/新潟高校)
古宮 由視 (4年/#4/MF/東京武蔵野シティFC U-18)
三井 慎司 (3年/#82/DF/藤枝東高校)
神田 辰丸 (3年/#14/MF/國學院久我山高校)

サブは以下の通り。
小熊 崚介(2年/#28/GK/暁星高校)
星野 航太 (3年/#14/MF/小田原高校)
伊藤 大心 (3年/#78/MF,DF/國學院久我山高校)
水原 理玖 (3年/#32/MF/専大松戸高校)
中尾 竜吾(2年/#72/MF/國學院高校)
林 陵(1年/#20/DF/桐蔭学園高校)
宮原 正弥(4年/#8/MF/國學院久我山高校)


清々しい秋晴れの15時、上智ボールでキックオフ。

序盤は上智ペース。6分には右サイドからFKを獲得。これはGKにキャッチされるも攻撃を仕掛けていく。

13分、野田から右サイドでフリーになっていた三井へ。三井は縦に仕掛けず、サポートに入っていた古宮へボールを下げる。これを古宮が左足で逆サイド裏へ。これが菅に通り、抜群のファーストタッチで相手SBの前に入る。あとの敵はGKだけ、というところで相手がたまらず後ろからファウル。PKを獲得。

キッカーは池田。長めの助走から落ち着いて右に蹴りこみ先制。幸先のいいスタートを切る。

PKで先制

勢いづく上智。21分、大山が中に切れ込んでいってシュートを放つもこれはGK正面。

細かいパスワークと前線からの激しいプレッシングでペースを離さない上智。30分には右サイドからのクロスにフリーの池田が合わせるも、これも相手GKがキャッチ。

しかし追加点を奪えないまま、前半終了。

後半もペースは上智。

5分、池田が味方のクリアを拾い左サイドを爆走。ペナルティエリアのぎりぎり外でファウルを誘発し、FKを獲得。角度のないところからのFK。キッカーの古宮はそのままゴールに向かうようなボールを選択。このボールに池田が反応。GKに競り勝ち放ったヘディングは相手DFに当たりゴールに吸い込まれた。池田が2試合連続でドブレーテを達成し、後半開始早々にリードを2点に広げる。

池田が2戦4発

13分も上智。またしても左サイドに流れていた池田にボールが渡る。池田は一度切り返し、左ハーフスペースに飛び出してきた古宮へとパスを出す。いい位置で受けた古宮はワントラップから思い切りよくシュートを放つ。古宮が放ったボールは唸りを挙げてゴール左上へ。そしてバーの内側を叩き、ゴールイン。古宮のスーペルゴラッソでリードを3点に広げる。

古宮のゴラッソで3点差

このまま3点差で勝負はついたか、と思われたが、一橋も黙ってはいない。

18分、上智のCBへのバックパスがミスになると、一気に3人がゴール前になだれ込む。最後は右サイドを崩され失点。2点差となった。

前半からフルスロットルで飛ばしていたツケが回ったのか足が止まりだす上智。21分には消耗していた野田に代えて伊藤を投入。

縦に早いパス回しでペースを掴む一橋とカウンターを虎視眈々と狙う上智という構図。

26分、大山が高い位置でボールを奪う。そしてゴール前でドフリーとなっていた池田へ。池田はこのボールにダイビングヘッドで合わせるもゴール左へシュートは逸れ、試合を殺すことはできず。

31分、足を攣った古山に代えて林を投入。高いインテンシティのゲームが続いていたため、この時間帯から両者とも疲労の色が色濃く見えてくる。

38分、そんな試合展開の中、一人最終盤になっても右サイドを駆け上がり続けていた”機関車”三井にチャンスが訪れる。セカンドサードとファイナルサードの切れ目あたりでボールを受けると、ゴール一直線にドリブル開始。マーカーを置き去りにし、相手のカバーも間に合わずシュートまで持ち込むも、ボールはゴール左へ。

41分、菅に代えて水原を投入。逃げ切りを図る。

43分には池田に代えて宮原を投入。

47分、不用意なボールの失い方をするとそのまま自陣左サイドを駆け上がられ、クロスを上げられる。これが中で待ち構えていた相手の足元へ。叩きつけるように放たれた相手のボレーシュートは羽藤の頭上を越えるようにしてゴールへ向かう。誰もが1点差に詰められ、地獄のような残り数分を過ごすことが頭をよぎったが、ここで羽藤は下がりながら左手でこのボールに触れ、コースを逸らすことに成功。頼れる守護神が土壇場で今季随一のパラドンを見せる。

そしてこのまま3-1でタイムアップ。早い時間に3点を決めた上智が7連勝を飾った。


今節もタフなゲームであった。前半から後半の序盤にかけては完全に自分たちのペースであり、3点決めて試合が終わったかと思いきや、そこからも一橋は一つ一つ剥がしながら丁寧かつ早くボールを前に進めてきた。高い気温もあり終盤は消耗戦となったが、交代選手もリードを守るという与えられたタスクをしっかりとこなし、要所を締めながらも、カウンターで決定機も演出。手堅く勝利を挙げた。試合を殺すチャンスが幾度もあったという反省はあるものの、ここまでの13ゲームで様々な試合展開があったが、その経験値というものがしっかりとピッチ内に還元されていることを感じさせるようなゲームだった。

そして今回の勝利によって次節勝利を挙げれば、自力での昇格が決定、そして優勝に王手をかけることとなる。次の相手は2位に位置する玉川。現状このリーグでの一番のライバルである。直接叩いて昇格を決め、優勝に近づくか、ここで結果を出せず、初めて土を付けられるか、という2つは仮に今後昇格、優勝を達成したとしても、大きく大きく意味合いが違ってくる。長い長い航海も次に辿り着く島が見えつつある。しかし越えなければいけない荒波がまだあるはずだ。来季に向けても、無傷で辿り着きたいところだ。

このゲームで輝いたのは菅。前半13分には殊勲の先制PKの奪取。これ以上ないファーストタッチで相手の前に入り、PKを誘発。類まれなるフットボールセンスをいかんなく発揮した瞬間であった。その後も左サイドで相手を手玉に取るようなプレーを連発。いわゆるトップ下のような中央に近いポジションで起用されることの多い菅だったが、サイドで起用されれば「ライン際の魔術師」へと華麗なる変貌を遂げた。残り少ないシーズンの中でどんな魔法を見せてくれるのか楽しみである。

先制PKの獲得、それ以外にも攻撃の中心となった菅

そして忘れてはいけないのは古宮の活躍だ。先制PKを奪ったシーンでは、決定打となる糸を引くようなサイドチェンジを出し、2点目のシーンでは触っても触らなくても入るような、絶妙なボールで池田のヘディングをアシスト。すべてのチャンス、攻撃は古宮を経由していたと言っても過言ではなく、「すべての道はローマに通ず」ならぬ「すべての攻撃は古宮に通ず」状態であった。そして3点目は言わずもがなのスーペルゴラッソ。アシストが多かったものの、ゴールのなかった背番号4がついに出したリーサルウェポン。エアポケットのように一瞬空いたスペースに入り込み、思い切りよく右足一閃。インパクトの瞬間からバーを叩いてゴールに吸い込まれるまで、時が止まったように感じ、観客席にいた選手たちだけでなく、ピッチ内にいる22人全員すら、あの瞬間は”Maestro(指揮者)”古宮が奏でた一撃のオーディエンスとならざるを得なかった。この背番号4がシーズン終盤の正念場で、どんな風に指揮棒を振って、相手をきりきり舞いにさせるのであろうか。

初ゴールも飛び出したマエストロ古宮

以下出場選手のインタビューです。

菅 雄太郎(2年/#55/MF/八千代高校)

・試合を振り返って
前節からサイドハーフでの出場になり、自分で仕掛けることが求められている中で、前半の初めに自分仕掛けでPKを獲得できたのは良かったです。正直、自分で打つよりPKの方が入ると思ったのでもらいに行きました。総一郎くんが「おまえ蹴る?」って言ってきて、ちょっとびびってるのかなって不安でしたが、決めてくれて良かったです。まだ慣れないポジションではありますが、来年再来年のためにももっと相手にとって怖い選手になれたらと思います。

・今後に向けて
今節は前半でそこそこ疲れてしまって、後半の攻撃に力が入らなかったため、90分走れる選手になりたいです。また今シーズンは5点決めることを目標にしてるので、残り4節でゴールを奪っていきたいです。

古宮 由視 (4年/#4/MF/東京武蔵野シティFC U-18)

・ゴールシーンを振り返って
サイドで10番の総一郎がためを作ったことでバイタルエリアにスペースが空いてることを見つけました。彼からパスをもらい、シュートコースが見えたので、落ち着いて打つだけでした。
素晴らしいコースに飛び、今季初ゴールを決められて良かったです。

・今後に向けて
厳しい戦いが続くと思いますが、一致団結し、優勝を掴み取れるように練習していきます。

次節は10月16日(土)、2位に位置する玉川大学との一戦。1位vs2位。このリーグで最も強いのは上智か玉川か。そしてこのゲームに勝てば、来季1部でプレーする切符を獲得することになり、優勝へのマジックナンバーも1となる大事な大事な一戦。次節も無観客での開催となるので、Player!、Twitterでの熱い応援よろしくお願いします!

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