アリストテレス哲学とPDCAサイクルとOODAループを総合した「APO戦略」(仮名)を考える。その3
さて、PDCAやOODAループが「軍事的勝利」や「企業利益最大化」の為に使われてきたし、今もそうであるという事と、医療・福祉・介護で働く人々の倫理観とが矛盾するものであるものなのかどうかを検討してみよう。
経営者はどうしても「会社の利益最大化」ということを目標にしがちである。一方で福祉職従事者は「患者さんの利益最大化」というようなことを行動原理として持っている。しかし、よく考えればわかるが「患者さんの利益を最大化」するためには「会社が存続していなくてはならない」し、「会社の利益を最大化」するためには「患者さんに信頼されるようなサービス」を提供しなくてはならない。また、これも忘れがちなことになるが、これらの価値が実現されるためには「職員が毎日生き生きと働けるように、職員の人権が尊重されていなくてはならない」ということがある。
すなわち、極端な、一方的な価値基準のプランを立てても上手く行かない訳であって、経営者、利用者、職員、地域住民、出資者など様々な関係者の利益を尊重し、それぞれが納得するところの「中庸」を目指さなければならないのである。
そして「中庸」(メソテース)こそが、アリストテレス哲学の中核倫理の一つでもある。
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