見出し画像

実は迷探偵だった愛犬の話し

今朝は良い天気だった。
いつものルーティーンで、朝6時に愛犬ポテトに起こされ
6時半に家を出て、朝日を見ながら一緒に走ったり遊んだりして、
爽やかな気持ちで7時ごろ帰宅した。

汚れた手足を綺麗にしてやり、朝ごはんとお水をあげる。
私もたくさん走ったので軽く汗を流すためシャワーを浴びる。

いつもなら、ここで娘を起こして、一緒に朝ごはんを食べるのだが、

「今日休みだし、昨日寝るのが少し遅かったから寝かせておくか」

そう思って、ゆっくりシャワーを浴びていた。

聞いたことのない号泣

シャワーから出ると、ベランダの方から

キヒ〜〜、キヒ〜〜、キヒ〜〜、、

という錆びたドアが軋むような音がずっと聞こえてくる。

同じく今日休みの夫がベランダで何かしてるのかな??
と考えながら身体を拭いていると

うつろな瞳で猫背になった愛犬ポテトが
よたよたよた、、、と足元まで歩いてきた。

まるで銃に打たれてなんとか最後の言葉を伝えようとする
映画のシーンのような歩き方。。

いつもなら、シャワー終わり?やったー!遊ぼう〜!
と言わんばかりに飛び跳ねてくるのに。

よろよろとおぼつかない足取りで私の足元まで来て
そのまま小刻みに震えて頭を抱えて伏せるではないか。

しかも「キヒィ〜〜キヒィ〜〜」と言いながら。

え?!ポテトの鳴き声だったの?
むしろ泣いてる?!

号泣してる?!

「どうしたの?大丈夫?」
と言いながら撫でるが
「キヒィ〜〜、、、」
と聞いたことのない鳴き声を出すだけでよくわからない。

足にトゲでも刺さったのかな?
と足を見てみるが何もない。

どこかぶつけて怪我をした?
と身体中見てみるが特に何もない。

ついさっきまで駆け回って元気だったのに。。

そこに夫がやってきて
「どうした?」とポテトに近づくと
私にピタッとくっついてガクガクブルブル震え出した。
脱水中の洗濯機くらい震え出した。

ものすごく怖がっている様子だ。

これはおかしい、夫が原因か?
母性本能が闘争本能に切り替わり

「ねえ、ポテトに何かした?!しっぽでも踏んだ?」
とちょっと荒めに夫に聞いたが

「えー、何もしてないよ、全然わからない」
「むしろ、ポテトがいたのに、かまわないで台所でパン焼いてたから怒ってるの?」
とポカンとした顔で言う。

うーん、夫は朝ごはんの用意をしてくれてて、
ポテトには何もしていない模様。

でも夫が近づくと、俯いたまま震えがとまらない。
夫が撫でようとすると、わたしによじ登って助けを求めてきた。

100%夫を怖がっている。

だけど、なんでだろう?

「わかった!
黒い服着てる男の人は犬にとって熊に見えることがあるみたいだから、
その黒い服脱いでみて」
と夫に寒い中、セーター脱がせてグンゼの肌着だけになってもらったが
まだ震えは止まらない。

「わかった、いじけてるのか?こうやると喜ぶんだよな」
といって夫が得意の両手なでなでをしたが
「キャン!」
と本気で嫌がっただけで震えが止まらない。
夫ちょっとショックをうける。


まさか、私たちに見えないゴツい幽霊とかいるのかな、、?
と少しぞっとしながら顔を見合わせた。


いや、そんなわけないか。

まったくもって原因がわからないが、
様子がおかしいのでしばらく私が抱っこして撫でてあげた。

このまま震えが止まらなかったら一度病院行くか、、そう言いながら
夫がその場から離れると、徐々に震えは止まって、私の腕の中で丸くなった。

夫が離れると震えが終わったということはやはり夫が原因か。
でも理由がわからないし、元気もない。
一体、どうしたんだろう。
さっきまで、ボール咥えて跳ね回って、元気だったのに。。

それから20分くらいずっと抱っこして
ポテトが「フウ、、、」と鼻からため息をつくくらいまで
撫でながら落ち着かせてあげてた。

原因判明へ、、!

その後、朝8時頃、ようやく娘が目を覚まし、
布団でゴロゴロしながら夫と何かおしゃべりを始めた。

すると、ポテトが耳をぴくっと動かし首を上げ
「ワンッ!」
と元気な声をだして娘の元にへ
ものっっっすごいダッシュしていったではないか。

私が追いかけて部屋へ入ると、
嬉しそうに尻尾を振りながら飛び跳ねているポテト。

娘が起きてめっちゃ嬉しそう!

めっちゃ元気になってる!

目がキラキラ!

なんで?!

「え、、、もしかして、娘が原因?」

歓喜の声をあげて娘の足元でぴょんぴょんジャンプしているポテト。

「もしかして、ポテト、大好きな娘があまりに起きてこないから⚪︎んじゃったかと思ったの?!」

どうやらポテトの中で、娘がもう起きてこれないような事件が起きたと勘違いしてたらしい。

つまり、

いつもの時間に起きてこないから起こしに行った
(寝坊するといつも顔なめたり顔触ったりうろうろして起こす)

→それなのにぴくりともしない
(娘は深い眠りにつくと何してもぴくりとも動かない)

→娘が⚪︎んじゃった、、?!
(キヒィ〜キヒィ〜震えるほど号泣)

→ママと自分が散歩いっている間に家にいたのはパパ
(泣きながら推理中)

→ということは犯人はパパしかいない
(ガクブルでよろよろしながらママのところへ行く)

→パパが現れた、次は自分の番かも
(ガクガクブルブルママ助けて!!)

となっていたよう。

迷探偵ポテト!


「ポテト、娘が起こしても動かないから犯人は夫だと思って
あんなに夫に対して震えてたの?」

そう言ったら、気まずそうに、尻尾を振りながら夫の顔をぺろぺろと舐めるポテト。

まるで「誤解してごめんね、勘違いだった!てへぺろ」
と言っているかのよう。

夫「なんだよ、ポテト、俺を犯人だと思ってたのか?!
失礼な!とんだ迷探偵だな!笑」

娘「おしり探偵のブラウンみたいにおっちょこちょいだね!笑」

そう言いながらみんなで爆笑してると、
ポテトは嬉しそうに尻尾をふってボールを咥えて飛び跳ね始め、目の輝きも戻って、無事このガクブル事件は終わりましたとさ。

朝からポテトのとんだ勘違いだったけど
犬も、はやとちりしたり、大好きな娘を想って大泣きしたり、
探偵みたいに原因を考察したりもするんだな〜
(そして想像して震えたりするんだ!)
とある意味感心した事件でした。

まあ、迷探偵でしたけど、、笑
なんて愛おしい子!笑

めでたしめでたし

これが初めてのnote投稿に。
朝からポテトの勘違いが面白すぎて、これはnoteに残したいと思って、
ついに初めてのページを刻んだのでした。
私の重い筆を持ち上げてくれるほどの珍事件を起こしてくれて
ありがと、ポテト。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集