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【騒音の神様】05 お土産を現金に変える。(激突体育会系暴力編)

神様と花守は山道をでこぼこの山道を下る。神様はひとまず花守に居候代金がわりの品物類を渡せてほっとしていた。トラックがガタガタするのも気にならずタバコをふかす。ただ、神様にはあと一つ心配事が残っていた。
「なんぼになるんやろか、居候代くらいにはなるやろか、」
それが気が気でなかった。
「タバコはいっぱい手に入れた。しばらく困らん。酒も手に入れた。花守君と飲みたかったが、しゃあない。わしが飲もう。」
と楽しみも増えていた。花守は山を降りて、今に帰るまでに何度かトラックを止めた。質屋や、骨董屋だったり、知り合いの家だったりした。神様に貰った品物を、現金に変えたり物々交換しているのだ。トラックの荷台の荷物はどんどん減ったが、手元には結構なお札があった。花守は手にした現金を神様に見せた。
「神様、これだけになりました。ありがとうございます。それから、これは神様のぶんです。」
花守は結構な枚数のお札を神様に渡そうとする。
神様は、遠慮する素振りを見せたが結局受け取った。
「ありがたい、花守君。わしは金にするのが苦手で助かる。それより、居候代はそれで大丈夫なんか?」
「充分です。まだ、お金に出来てない物もあります。充分です。」
神様は、手にしたお札ですぐさま花守と一緒に行きたかった。しかし花守は神様を家まで送ると、そのままトラックで仕事へ向かった。
「花守君は、ほんまによう働く。関心するわ。わしは、さっそく手に入れた酒とタバコ吸お。」
神様は一人、このお金で何を買おうかと楽しく考えながら酔い潰れた。

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