三百七十五話 もしゃもしゃ

「ごきげんよう」「神のご加護を…」

朝の清冽な空気の中、女子生徒の挨拶がこだまする…。

学校の校門をくぐると、そこは身も心も清らかな乙女の園…。

そう、ここは神田ミカエル女学院…。

中庭の大天使ミカエル像が、通う女子生徒たちを守護している…。

天界の大天使ミカエルは、ここに通う女子生徒たちを見て何を思うか…?

その御心は、まさに神のみぞ知るということなのだろう…。

ここに三年間通えば、お淑やかなお嬢様になって卒業できるという…。

制服は翻さないように、静かに歩き…。

清廉潔白で文部両道、それでいて純粋無垢な心を持った乙女たち…。

この学院には、そういった生徒しか存在しないのです…。

否、今日から新たに校門をくぐった、たった一人の生徒を除いて。


月日はあっという間に過ぎて…。

3月に入った…。

二月とは打って変わって…。

陽気は温かくなり…。

温かいというか、気温は25度近くなり…。

これじゃ夏だよ!というか初夏!?

少し暑いような気温が続いた…。

かと思ったら、雨の日が続き…。

気温がすごい下がって…。

寒い日が続いた…。

三寒四温とは言うけれど…。

暑かったり寒かったりで…。

ちょっと体調崩しそう…。

そう思う今日この頃でした…。


そんなある日、そうだバイトをしよう!

と思い立つ私であった…。

一緒に住んでいるギャルの藍さんに…。

数万もするお洋服を買ってもらったし…。

同じく一緒に住んでいる女悪魔の…。

グレモリーにも少しお金を借りていた。

そのお金を返したいのである…。

あと、私の背中を温かい春の陽気が…。

そっと押してくれたような気がしないでもない。

そんな詩的な表現はいらないか…。

何にせよ、バイトしようと思ったのである。


私は一緒に住んでいる花子さんに聞いてみた。

何か楽に稼げるバイトはないか?と…。

花子さんは半透明な魂のような存在だけれど。

どこかからかスマホを取り出し…。

マダムKという人に私を紹介してくれた。

花子さんは電話の内容を…。

紙に書いてくれた…。

私は数日後、その紙を持って…。

一路、秋葉原に向かったのである…。

紙には私のバイト先の住所…。

すなわち、秋葉原の住所が書いてあったのである。

秋葉原は徒歩で行ける…。

学校の放課後、着替えて私は…。

その住所に向かったのだ…。


私はその住所の建物に向かう…。

その建物は雑居ビルで…。

その3階が私のバイト先のようだ…。

3階までエレベーターで向かう…。

3階に着くと、謎の人物が待っていた。

謎の人物の名前はマダムK…。

真っ赤なチャイナドレスにサングラス。

とっても怪しい格好の女性…。

すごい綺麗な女性なのだけれど…。

胡散臭い女性なのであった。


その女性の紹介で…。

『小悪魔の休憩所』という…。

怪しいお店で働くことになった私…。

そこで、ギャル風?の制服を着て…。

ガラス張りの部屋に入っていく…。

私はその部屋で座って寛ぐ…。

その様子をお客様が見ていて…。

女の子が寛ぐのを楽しむという…。

そう言う類のお店であった。

ちなみに衣装はいっぱいあって…。

色々自由に選べると言う寸法だ。


私は空いているスペースに座った。

クッションとか毛布があって…。

少しは座りやすい…。

そこに私は体育座りをして座る…。

座るとスカートが短いので…。

下着が丸見えになってしまう…。

困ったけれど、しょうがないので…。

そのままの体勢でいた…。

多分お客様は喜んでいるかもしれない。

私は緊張と恥ずかしさで俯いてしまう。


と、その時、私の腹部を痛さが襲う…!

鳩尾に誰かがキックをしたのだ…。

私は鳩尾にクリーンヒットして…。

痛さと苦しさで悶える私…。

誰だ!?私の腹にキックをしたのは!?

脚はまだ私の腹部の上にある…。

足の持ち主を見ると…。

なんと持ち主は寝ていたのだ…。

寝惚けて、私の腹を蹴っていたのである。


私は寝惚けている人の脚を…。

どかそうと思った…。

脚を持ってみたのだけれど…。

なかなかうまくいかない…。

どうにか退かせたと思ったら…。

今度はその子の頭が乗ってきた。

すごい寝相で、体が半回転したらしい。

私の膝の上にはその子の頭が…。

私はその子に膝枕をしている…。

そんな格好になっていた…。

すごい茶色な癖っ毛の女の子。。

丸っこい顔に長い睫毛の閉じた瞳…。

小さな鼻に小さな唇…。

顔も小顔で小さい…。


その顔を包む茶色の癖っ毛は…。

とても長く、その子の腰あたりまである。

私は思わずその子の頭を撫でてみた…。

撫でたというか、髪を触ってみたかった。

癖っ毛なので、もしゃもしゃしているな。

触った感想はそんな感じであった…。

その子の髪を触っていると…。

うぅん…。とその子が吐息を漏らした。

おっと、起こしてしまったかな?

でも、その子は寝息を漏らしている。

起きなかったようだ…。

私は何故か、ほっとしたのである…。

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そのさき@小説
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