三百十一話 お出かけする?

「ごきげんよう」「神のご加護を…」

朝の清冽な空気の中、女子生徒の挨拶がこだまする…。

学校の校門をくぐると、そこは身も心も清らかな乙女の園…。

そう、ここは神田ミカエル女学院…。

中庭の大天使ミカエル像が、通う女子生徒たちを守護している…。

天界の大天使ミカエルは、ここに通う女子生徒たちを見て何を思うか…?

その御心は、まさに神のみぞ知るということなのだろう…。

ここに三年間通えば、お淑やかなお嬢様になって卒業できるという…。

制服は翻さないように、静かに歩き…。

清廉潔白で文部両道、それでいて純粋無垢な心を持った乙女たち…。

この学院には、そういった生徒しか存在しないのです…。

否、今日から新たに校門をくぐった、たった一人の生徒を除いて。

ずっと天使側の人間に狙われていた私だったけれど。

どうにか天使側の人間を退けることができて…。

ふと我に帰ると、犠牲者の身体が置き去りになっていた。

私は犠牲者の人が死んでいるのかと思ったのだけれど。

グレモリーによると、生きているというので…。

弱っている犠牲者の人を助けてあげることにした。

助けた方法は、あ、あの恥ずかしくて言えません…。

なんとも言えない助け方をしてしまって…。

なんだかすごい申し訳ない気がするけれど…。

生きていて本当によかった…。

その人の名前は宮園花子さんという名前で…。

アレな助け方をしてしまったので、お風呂に入れてあげることにした。

宮園花子さんはすごい豊満な身体の持ち主で…。

たわわなお胸で、私は脱衣場で見惚れてしまう…。

そして、なぜか私のことをお姉さまと呼ぶのであった。

なんで、私がお姉さまなんだろう?謎すぎる…。

お風呂入った後は、私は寝ようと思った。

でも、ベッドに4人で寝ることになるので…。

狭いと思い、私はリビングにあるソファーで寝ることにした。

疲れ果てた私はすぐに眠りに落ちてしまう。

朝起きると、花子さんが大変大変と騒いでいた。

どうやら学校に行くのだけれど、制服が燃えてなくなったらしい。

私は制服と教科書とかを花子さんに貸してあげた…。

下着も燃えてしまったようで、グレモリーのを貸すことに…。

私の服とか下着は家出した時のしかないのであった…。

花子さんは無事?学校に登校していった…。

花子さんと私が同じ学校でよかった…。

二度寝しようと思ったけれど、目が覚めてしまった。

グレモリーに朝ご飯ちょうだいと言ってみた。

花子さんは先に朝食を食べて行ったのだ。

またどうせ、カップ麺かと思いきや…。

なんとコーンフ○ークが出てきた。

牛乳かけるだけで、済むから楽ですねぇー。

グレモリーはすごい楽しそうに言う。

これで栄養満点なんですから、人間界はすごいです…。

グレモリーはすごい感心してるらしかった。

菜食主義の教会用に作られたというコーン○レーク。

確かに栄養満点なんだろう…。

なぜか子供の時、すごい食べた思い出が…。

最近は食べてないので、少し懐かしい…。

藍さんを起こしてこようと思ったら…。

ちょうど藍さんも起きてきた…。

「おはよう藍さん、朝食できてるよ」

できてるというか、即席なものだけれど…。

「ふわぁぁ、おはようノアっち…」

藍さんはすごい眠そうだった…。

「花子とか言ったっけ?あの子。やたら抱きついてきて眠れなかった」

どうやら花子さんは、私と間違えて藍さんに抱きついてたらしい。

藍さんは身体中凝ってしまって、あまり眠れなかったらしい。

私がベッドで花子さんと一緒に寝てたら大変なことになっていた?

藍さんも食卓に着いたので、朝食をいただくことにする。

朝食がコーンフ○ークだけなんだけれど…。

まぁ、贅沢を言っても致し方ない…。

おかわりもありますからねぇー!

とグレモリーがニコニコして言っている。

なんでいつもそんなに嬉しそうなんだ…。

グレモリーがお代わりだと言っているのはチョコ味だった。

あれも食べたいなぁ…。甘くて美味しいんだよね。

私はまず今食べてるフレークに集中した。

程なくしてフレークを食べ終えた…。

「グレモリー、おかわり…!」

私はチョコ味フレークのお代わりを所望する。

グレモリーはチョコ味フレークを入れてくれた。

私は半分ぐらいスプーンでそれを潰してしまう。

潰すと牛乳がチョコフレークに染み込んで美味いのだ。

牛乳の方もチョコ牛乳みたいな味になる。

チョコの甘味が浸透して美味しい〜。

藍さんもお代わりしてるらしい。

やっぱり美味しいよね、これ。

私たちは無言でフレークをたらふく食べた…。

最後に牛乳も飲み干し、朝食を終える。

結構、お腹いっぱいになったー。満足。

朝食はこう言うのでいいのでは?グレモリーさん。

お腹いっぱいになって、私と藍さんは…。

スマホを見ながらくつろぎタイムに入った。

SNSをチェックし、フォロワーに挨拶したり…。

藍さんはフォロワーいっぱいいるので大変そうだった。

さっきのフレークの写真撮っておけばよかったなぁ…。

と今頃、後悔する私であった。

小一時間ぐらいスマホをいじくり回してたけど…。

いい加減飽きてきた…。

藍さんも同じで椅子に座りながら、伸びをしている。

「ノアっち、暇だよーつまんないよー」

藍さんは駄々を捏ね始めた…。

「つまんない〜つまんない〜ヒマ〜」

そ、そんなこと言われても今謹慎中なんだし…。

「藍さん、私謹慎中だからどこも行けないよ?」

すると藍さんはニヤリと笑って…。

「大丈夫だし!あっしのスキルがあるし…!」

あのスキルは私は懐疑的なんですけど…?

それにスキル使えるのは藍さんだけでしょう?

「大丈夫なんだってば!あっしがノアっちに触れると…」

藍さんの認識されないスキルが、私にも伝播するらしい。

藍さんは隣の私に抱きついてきた…。

触れるってレベルじゃないんですけれどー。

藍さんだから別に嫌じゃないけれどね…。

本当にこれで認識されないようになったのかな?

「グレモリー?私のこと見える?」

私はグレモリーに手を振ってみせる。

「ええ見えますよご主人様。悪魔にはそういうスキルは効きません」

なんだつまんない…。でも本当に私も認識されないようになってるのかな?

「認識されてないから大丈夫っしょ!でかけようよ〜」

藍さんは私に抱きつきながら、身体を揺すってくる…。

私はいいのかなと?グレモリーに目配せを送ってみる。

「私は悪魔なので。ダメとは言いませんよぉ〜」

グレモリーは私たちにウィンクを飛ばしてそう言った。

本当に出かけてしまっていいのだろうか?

もし、出かけていて先生に見つかったりしたら…。

私は不安で仕方なかった…。

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