百十話 昼休憩

何組かのお嬢様の接客をしているうちに、いつのまにかお昼近くになっていた。
私はものすごい疲れてしまい、お嬢様をお待ちしている時に立っているのもやっとだ。
「ノアちゃん、休憩取ったら…?」
優しい翼さんが言ってくれた。
お嬢様をお待ちして立っている時、翼さんは私の横で、それとなく私を支えてくれた。
店長に見えないように、私の腰を腕で支えてくれていたのだ…。
私も甘えて、翼さんに少し寄りかかっていた…。
ものすごい優しくて綺麗で天使みたいな翼さん…。
私は、うっとりして翼さんの横顔を見つめてしまうのだった。
好き好き好き大好き愛してる…!翼さん…大好き…。
私は翼さんを見つめて、瞳からラブラブ光線を出すのであった…。
そうすると、翼さんは気付いたのか、こちらを見てにっこり微笑んでくれる…。
その笑顔、眩しすぎます!愛おしい!尊すぎて尊死してしまいそうです…!
私は、翼さんの笑顔を見て、嬉しすぎて、くねくねしてしまうのだった…。

そうこうして、私は休憩することになった…。
休憩はロッカーのある控え室に、小さなテーブルと椅子があるので、そこで取るようだ。
私は翼さんに、お言葉に甘えて休憩を取らせていただきますと言って、控え室に向かった。
途中、カウンターにいた店長と目が合った。
目が合ったというか、ずっと睨まれているような気がする…。
店長にも休憩取らせていただきます…と言う。
「おう、初日だけど、もうちょっとちゃんと接客しろよ…」
店長は、なんか余計な一言をくれた…。

控え室のドアを開けると、そこにはスマホゲームに夢中な摩耶がいた…。
椅子に座って、足を組んでスマホを横にして両手で持っている…。
こいつ、なんで仕事しないで、ずっとゲームしてるんだよ…!?
見当たらないと思ったら、サボってゲームしてるなんて…。
摩耶は、VRグラスもつけて、口元も緩み切って弛緩した顔で、ゲームの世界に没頭中…。
私はイライラして、摩耶がかけてるVRグラスを無造作に取った。
いきなり現実世界に、引き戻された摩耶の目が白黒している…。
身体も追いつかず、ピクピクしている…。
ふふふ、ザマァみろ…。いきなり現実世界に戻されて、身体が拒絶反応を示しているのだ。
短いメイドスカートの裾から、ちょっと縞々パンツ見えて可愛い…。
何かイタズラしようかと思ったけど、摩耶の目の焦点が合ってきた…。
現実世界に、適合してきたな…。
摩耶はしばらく放心状態だったが、今がどういう状況かわかってきたようだ。
いきなり、私がVRグラスを奪い取ったことも、わかってきたようで…。
ちょっとやりすぎたかなと思う、私であった…。

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