三百三十九話 緊張する

「ごきげんよう」「神のご加護を…」

朝の清冽な空気の中、女子生徒の挨拶がこだまする…。

学校の校門をくぐると、そこは身も心も清らかな乙女の園…。

そう、ここは神田ミカエル女学院…。

中庭の大天使ミカエル像が、通う女子生徒たちを守護している…。

天界の大天使ミカエルは、ここに通う女子生徒たちを見て何を思うか…?

その御心は、まさに神のみぞ知るということなのだろう…。

ここに三年間通えば、お淑やかなお嬢様になって卒業できるという…。

制服は翻さないように、静かに歩き…。

清廉潔白で文部両道、それでいて純粋無垢な心を持った乙女たち…。

この学院には、そういった生徒しか存在しないのです…。

否、今日から新たに校門をくぐった、たった一人の生徒を除いて。


ご家族とケーキを食べたりチキンを食べたり…。

そんなクリスマスを過ごすのでしょうか?

羨ましいですね〜!

私も家族とクリスマス過ごし…。

いや、全然過ごしたくない…。


訳あって謹慎が明けて、学校に登校した私…。

教室に登校する前に、理事長先生に呼ばれた…。

理事長先生から謹慎のことを少し聞かれたりして。

その後に謎の天使のカードを頂いた…。

カードはプリズム色に輝いていて…。

大天使の絵が描かれているのであった…。

綺麗な女性が祈りを捧げている絵…。

女性の背中には天使の羽が生えている…。

誰もが想像するよであろう典型的な天使像。

そんな不思議な天使のカードを理事長先生に頂いた…。


色々あってスマホから天使を召喚できるようになった私。

スマホでカードをスキャンするとなんと天使を召喚できる。

何を言っているか自分でも分からないけれど…。

大天使のカードをスマホでスキャンしたら…。

大天使ガブリエルを召喚できるようなったのだ…。

スマホにも大天使ガブリエルの画像が出て…。

私の背後には分体のガブリエルが召喚されていた…。

私たちはびっくりしてしまい…。

ガブリエルのスキルとかステータスなんかよりも。

早くガブリエルを消したいと思うのであった…。


でも一応ガブリエルのステータスを載せておく。



大天使ガブリエル(属性風及び万物)

レベル99

HP9999

MP9999

腕力23

知恵55

魔力56

体力22

素早さ47

運60


ガブリエルは回復型の大天使で…。

あまり攻撃とかは得意ではないらしい…。

全体回復魔法の慈愛の風と…。

弱体化を無効化してくれる百合の祈りという。

典型的な回復型スキルを持っているらしい…。

回復魔法系が得意な大天使か…。

私はもっと攻撃力が高いとか…。

攻撃魔法が得意なキャラがよかったなぁ…。

と思うのは罰当たりでしょうか?

ステータス画面の下に召喚を取り消すボタンがあったので。

私は迷わずそのボタンを押した…。

すると大天使ガブリエルは煙のように消えたのである…。


そのあと、ズッ友の鈴木藍さんが帰ってきた…。

クラスメイトと一緒にカラオケに行ってたらしい。

藍さんは金髪ギャルですっごい明るい性格…。

いわゆる陽キャという属性なのです…。

陰キャの私からしたら眩しくて、太陽みたいな人…。

そんな陽キャギャルの藍さんだけれど…。

普段は私みたいな陰キャにも、すっごい優しい…。

私と藍さんは一緒に住んでいる…。

でも、今日は色々あって藍さんとあまり話せなかった…。

私は立ち上がって、藍さんに抱きついていた…。

身体が勝手に動いていたのだ…。

今日はすれ違いばかりで、あまり藍さんと会話できなかった。

すごい寂しかった…。藍さんともっと一緒にいたかった…。

藍さんはどうしたの?と聞いてくるけれど…。

私は無言で抱きつくだけだった…。

藍さんの体温と匂いを感じて…。

私はなんだかほっとしてしまい…。

一筋の涙を流してしまうのであった…。


そのあと、藍さんも私たちと夕食を食べた…。

一息ついていたら…。

私と一緒に行動してた宮園花子さんが…。

そろそろ学校の寮に戻らないといけないというので。

帰ることになった…。

私は玄関まで見送りに行った…。

「お姉さま、冬休みになったら絶対遊びに来てくださいね」

帰り際にそんなことを言う花子さん…。

さっきも寮に遊びにきてと言われたのだ…。

それでは、ごきげんようと花子さんは帰ってしまった。

まだ行くともなんとも返事してないのだけれど…。

絶対遊びに来いと言うから、強制なのだろうか?

謎だった…。


玄関を閉めて、またダイニングルームに向かう…。

グレモリーと藍さんは椅子に座って寛いでいる…。

お風呂の準備はもうできているらしいので…。

私はお風呂入っていい?と2人に聞いてみた…。

それじゃ、あっしも一緒に入るー!と藍さんが言う。

藍さんは私のすぐ側に走ってきて…。

私の腰に手を回して引き寄せた…。

私のも耳元で、またお風呂一緒に入ろ!と言ってくる。

藍さんの吐息と、藍さんの陽キャのいい匂いがしてきて…。

女の子同士だけれど…。私はクラクラしてしまう…。

私は、うんとうなずくぐらいしかできなかった…。

藍さんとは何回もお風呂は一緒に入ってるからいいけど。

なんか、毎回緊張してしまう私であった…。

よろしければサポートお願いします❗ たいへん励みになります。