百四十四話 弁慶の泣き所
喫茶店『天使の扉』でのご奉仕が終わり、翼さんの部屋に帰る私…。
せっかく帰って翼さんのベッド独占しようと思ったのに…。
摩耶が隣を一緒に歩いている…。
翼さんの部屋に帰ったら、速攻でベッドにダイブにしようと思ったのに…。
翼さんの匂いがいっぱい染み込んだ枕に鼻を押し付けて匂い嗅ごうと思ったのに…。
そして、翼さんの匂いに囲まれながら、眠るんだ…。
この世の天国でしょう…?
好きな人の匂いに囲まれて、眠れるなんてすごい幸せでしょう…?
私はそんな妄想をして、ニヤニヤしてしまう。
ものすっごい変態なの自分でもわかっている…。
でも、誰も見てなかったら絶対そうしてしまう…。
それも、摩耶がいるせいで多分できないのであった…。
喫茶店『天使の扉』で働いていた時は、翼さんに借りた下着パンティを履いていたのに…。
休憩時間の時に、摩耶に強奪されて、今はなぜか摩耶の下着を履いている…。
すぐにおしりに食い込んでくる縞々パンツ…。
まだ成長しきっていない摩耶の身体は、小さいのだ…。
摩耶の小さいおしりを包んでいたパンツを、今私が履いている…。
その事実を噛み締めながら、一歩一歩歩いている…。
ふと、摩耶が歩きながらスマホをいじっているのが目に入った…。
歩きスマホはいけないんだぞっと、私は摩耶のスマホを取り上げる…。
摩耶は必死にスマホを取り戻そうと、私に突っかかっってくるけれど…。
私は手を頭の上に掲げて、スマホを取れないようにした…。
摩耶はぴょんぴょん飛んで、私の取り上げたスマホを取り返そうとしている…。
ふふふ、摩耶の低身長だと、取れないでしょう…。
私はほくそ笑んだ…。
と、その時…!摩耶はローキックを放ち、私の脛を蹴ってきた…!
俗に言う弁慶の泣きどころにクリーンヒットする…。
あまりの痛さに、私は片膝ついてうずくまった…。
その時、私の手から離れたスマホを摩耶は、上手いことキャッチした…。
「今度こんなことやったらぶち殺しっすよ…!」
摩耶は捨てセリフを言って、スマホをいじりながら歩いて行った…。
このぉ、クソガキぃー!!
私は摩耶の背中を、睨みつけることしかできなかった…。
摩耶は、翼さんのアパートまで悠然と歩いている…。
しかし、合鍵を持っているのは、この私だ…!
痛みを我慢しながら、なぜか優越感に浸る私であった…。
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