彼女と行くショッピングモール

ショッピングモールとは、複数の小売店や飲食店、映画館などの娯楽施設等で構成される商業施設である。呼び方は、ショッピングセンター派とショッピングモール派に分かれているが、私はショッピングモール派だ。



私はショッピングモールに行くことがよくある。買い物に行ったり、映画を見たり、何かのついでに行ったり、用もないのに行ってみたり、月に1回程度は行っている。

だが、昔からよく行っていたわけではない。ショッピングモールによく行くようになったのは、彼女と付き合い始めてからだ。毎日のメイクやスキンケア、毎年変わる流行のファッション、家族や友人へのプレゼントなど、彼女は私に比べて買い物に行く目的が多い。故にショッピングモールに行く回数が増えた。



彼女と行くショッピングモールは、とても楽しい。単純に買い物や食事が楽しいということもあるが、彼女と行くことで、普段入ることのないレディースファッションのお店や、コスメショップ、女性向けの雑貨屋さんなど、新たな出会いがたくさんあって楽しいのだ。

付き合い始めて2年と10カ月、今でこそ彼女とのショッピングモールを満喫できているが、最初の頃は、女性向けのお店に行くことが楽しい反面、とても疲れてしまうことでもあった。

ショッピングモールにはありとあらゆるお店が入っており、1日で見るには情報量が多い。元から知っているものならば、情報の処理に疲れることもないが、女性向けのお店には、初めて触れるものだらけで、理解するのに体力を使ってしまい、楽しんだ後の反動が大きかった。

始めの方は、新たな出会いを楽しめるのだが、お店を複数見る内に疲労が溜まり、思考力が低下する。そうすると、お店ごとの違いが徐々にわからなくなり、いろんな商品が同じ物に見えてくる。疲れによって、商品一つひとつに集中する気力がなくなっていくのだ。

彼女は、そんな私を気にかけてくれる。もっと買い物を楽しみたいはずなのに申し訳ない。ありがとう。大好き。


最初の頃こそ女性向け商品の膨大な情報量にやられていた私だが、彼女との買い物を重ねていく内に、レディースファッションや、コスメなどの全体像が掴めてきた。全体像が掴めてくると、お店ごとの特徴や、商品ごとの強み、彼女の好みなどがだんだんわかってくる。

そう、違いがわかるようになってきたのだ。商品の注目するべき箇所がわかってきたことで、全てを受け止めようとしていた最初の頃とは、疲労度も変わっていた。

違いがわかるようになってくると、彼女とのショッピングモールがより楽しくなってくる。彼女に似合う服を探したり、彼女の好きそうな雑貨を探したり、新作コスメを調べてみたり、女性向けのお店では彼女について行くだけだった私に、目的が出来たのだ。

最近は、自分が女性だったらこういう服を着るかもとか、こういうメイクをするかも、といった目線で商品を見ることがある。これが意外と楽しい。実際に女性の服を着たり、メイクをしたりすることは無いが、想像上の女性版自分に当てはめて考えると、自分のことの様に楽しめるのだ。



私は、彼女と行くショッピングモールを通して成長できている。新しいものへの好奇心や、探求心などは、以前より高まっていると思う。普通に生活をしていると、新しい世界に触れるきっかけはあまりないと思っていたが、ショッピングモールという身近な施設にも私の知らない世界がたくさんあった。

私の周りには知ろうとしなかっただけで、知れば楽しいことがたくさんあるのだと、彼女と行くショッピングモールが教えてくれた。

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