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ダンスのジャンルの話~クラシックバレエって一言で言うけど、技のことを指す分けじゃないよね〜

みなさんこんにちは、ソノです♡

今日は意外と曖昧な"クラシック・バレエ"の定義の話。
毎回記事を読んでいただいている方にはなんとなくお察しの通りですが、私はダンスのジャンルや定義に興味があるのです。

昨今、女の子の習い事としても、大人女子の趣味としても目下大流行中のクラシック・バレエ。 

クラシックバレエと言われると、何を想像するでしょうか?

高く足を上げたアラベスクのポーズ?フェッテとかの回転技?


待ってください。
技さえあれば、
みんなが頑張って習得しようとしているポジションやテクニックさえあれば、
"クラシックバレエ"になるのでしょうか。

今日はそんなクラシックバレエについて、
クラシックバレエはどんな条件が満たされたら"クラシックバレエ"と言えるのかについて、備忘録としてまとめておきたいと思います。

"クラシック・バレエ"は、アラベスクや回転技など華麗な技たちの組み合わせで成り立つ動きだけを指すのではありません。

だって、バレエの動きだけど"モダンバレエ"や"現代バレエ"にジャンル分けされる作品もありますもんね。
マクミランの『エリート・シンコペーションズ』やバランシンの『スター・アンド・ストライプス』とかね。

『エリート・シンコペーションズ』
スターダンサーズ・バレエHPより

では、どんな要素がクラシックバレエを作っているのでしょう。

"クラシック・バレエ"とは、バレエの動き+物語でできた"作品"を指すのではないでしょうか。


お姫様がいて、王子様が出てきて、愛を誓うだの邪魔されるだの、結婚を誓うだの…こういったストーリーを踊りながら見せる。これは19世紀までのバレエの基本形式でした。

踊りながら、技を見せながら、ストーリー展開も説明する。しかも言葉を使わずに。
よく考えたら、忙しすぎますね。

では、マリウス・プティパ(『白鳥の湖』や『眠れる森の美女』を振り付けた偉大な振付家です)は、この忙しすぎる問題をどう解決したのでしょうか。

プティパは、ダンスだけを見せるセクションと物語を説明するセクションを明確に区別しました。 


ダンスだけを見せるセクションはディベルディスマンと呼ばれて、コンクールのためのva.として取り出すことも可能です。そう、物語から取り出せちゃうくらい独立したダンスセクションを作りました。

一方、そのダンスセクションをただただ並べただけでは踊っている人が次々変わるだけで物語が進まないので、物語説明のためのセクションも用意しました。
これがマイムパートです。


プティパはマイムパートとディベルティスマンパートを代わるがわる並べることで、
ダンスも見れて物語も理解できる!便利な仕組みを作ったのでした。

これ以降の時代のバレエは、逆に、このプティパシステムを使わずに、いかに踊りながら物語を説明するかに挑戦するようになります。
クラシックバレエを越え、新しさを表そうとする20世紀以降のバレエはここに挑み始めます。

プティパが生んだダンスとマイムパートを交互に配置する仕組みは、"越えるべき壁"となったのです。
言い換えれば、これまでのバレエの大前提はここにあったと言えるでしょう。

ということで、今では、
"クラシックバレエ"といえば、
"物語があって、かつ、華麗な技たちを使ったダンスがある"この形のことだと言えるのです。

次回は、クラシックバレエにおいて物語説明のために使われるマイムが意外と優れものだという話をしたいなあ。

ではまた。

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