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バレエのムーア人って何者??〜ムーア人とインドネシアの影絵人形〜

こんばんは、ソノです♡
お久しぶりになってしまいました。

相変わらず、慣れないジャワ舞踊を頑張っています。
毎回バレエとジャワ舞踊の"動きの違い"に苦戦しているのですが、、今回はふと思った"共通点"の話をしたいと思います。

バレエの作品には"ムーア人"という役がしばしば登場しますよね。 

バレエに馴染みある人は"ムーア人"と言われれば、その独特な特徴がすぐにピンときますよね。
"ムーア人"は黒い肌、直角に曲げた腕と足、独特のお衣装で踊られるキャラクターです。

『ペトルーシュカ』新国立劇場バレエ団2018年ニューイヤー・バレエより
1番左がムーア人


『くるみ割り人形』にはドロッセルマイヤーが持ってきたお人形の一体として登場しますし、
『ペトルーシュカ』では、メインのお人形の一つです。

ところで、"ムーア人"って一体何者なのでしょう。


少し調べてみると、人種としての定義は「モロッコ付近に住み、イスラム教徒でアラビア語を話す人々のこと」だそう。

え??
それじゃあ、会話できないバレエの中じゃムーア人かどうかなんて分からなくない??

そうです。"バレエにおけるムーア人"は本来の"ムーア人"とは別物です。
"バレエにおけるムーア人"は、おそらくこんな感じのキャラクター。

「アジア系(ざっくりヨーロッパ以外)で、肌が黄色くも白くない人」こんなもんでしょう。

一応、『くるみ割り人形』や『フェアリードール』、『中国の不思議な役人』といったバレエ作品には中国人がムーア人とは別に登場するので、中国人とムーア人は別物という認識はあるようです…。

そんな疑問を微かに持って数年、、
つい先日、"バレエの中のムーア人"ってこれじゃない??このイメージなんじゃない??と思える出来事がありました。

それが、インドネシアの影絵人形「ワヤン」です。
ワヤンの影絵人形は、腕や脚にピンがついており、肘や膝が直角に曲がるようになっています。
そのため、バレエ作品でよくみる"ムーア人"のフォームに似た影が作られます。

ワヤンの影絵人形、東京国立博物館公式ブログから

インドネシアのお人形ですので、アジア系の容姿のお人形。お衣装も民族衣装のようなものです。

"バレエにおけるムーア人"の動きはもしかしたらここから来ているのではないでしょうか。


もちろん、このワヤンの影絵人形がバレエのムーア人の全てではないでしょう。
しかし、こういったアジア圏に存在するものを少しずつ合わせて"バレエのムーア人"が出来てきたのではないでしょうか。

ワヤンの影絵人形はそのうちのひとつかもしれません。

ジャワ舞踊を始めてしばらくたちます。
慣れないこともたくさんありますが、こういったふうに、バレエを外から見ることができるのは新鮮で嬉しいですね。

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