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バレエ『眠れる森の美女』のリラの精とは何者なのか?

はじめまして、ソノです♡

前から挑戦しようと考えていたnoteに初挑戦です。以前公開していたブログで書いた内容を試しに投稿してみます。
『眠れる森の美女』は3代バレエのひとつにも数えられる有名すぎるバレエ作品です。
テーマ曲はディズニーアニメでも使われており、誰もが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
そんなバレエ『眠れる森の美女』の役の一つ、リラの精についての考察。


少しだけ暖かくなって、過ごしやすくなってきましたね。
さてさて、さくらがアシスタントをしているバレエ教室ではそろそろ発表会に向けた振り付けが始まります。
眠れる森の美女の1幕を抜粋でします。
私は、リラの精(いわゆる、よい妖精の役です)を踊らせてもらう予定です。
今日は、バレエにおける『眠れる森の美女』について少し考えてみたいと思います。
ディズニーのアニメや、童話でもお馴染みの『眠れる森の美女』。
バレエでも、『白鳥の湖』等に並ぶ、3大バレエのひとつです。
その主人公は、アニメと同じくオーロラ姫。
オーロラは、みんなから愛される美しいお姫様です。
考えてみると、他のプリンセスのように床磨きしたり、窓掃除したり、他人の世話なんてしません。外で走り回ったりもしませんし、ドロドロした色恋沙汰に巻き込まれたりもしません。
でも、みんなに愛され、大切に育てられ、一目惚れした男性と幸せになるのです。
 
ここでわかるように、オーロラ姫は、生れながらのプリンセス。
バレエにおいて、オーロラを踊るダンサーには、この世の全ての美徳を身に纏い、この圧倒的なプリンセスたる所以を自らの踊りで表現することが、求められるのです。
しかし、オーロラにも危機は訪れます。
1幕、オーロラの誕生祝いには、妖精たちが駆けつけ、優しさや勇気、強さ等の贈り物を授けます。しかし、突然悪い妖精カラボスが現れ16歳の誕生日にオーロラが死んでしまうよう、呪いをかけてしまいます。
そこで現れるのが、リラの精です。
リラの精は、オーロラへの贈り物として、カラボスの呪いを死ではなく眠りにする魔法をかけるのです。
 
バレエ『眠れる森の美女』にとって、リラはカラボスと対になる、圧倒的な”善”の役です。もちろん、ダンサーにも潔白な”善”の表現が求められます。
しかし、深い眠りについたオーロラを目覚めさせ、幸せに導くのはあくまで王子様…
リラはヒーローではないのです。
善であり、ヒーローではない。
そもそも、リラはカラボスが来なければオーロラに何を贈っていたのでしょうか。
私が思うに、リラは時間に関係する存在なのではないでしょうか。
呪いを、時間という代償によって緩和させたり、周囲の時を止め、眠るオーロラのもとに、王子様を連れてくるリラ。
リラのそばには、時間というキーワードがいつも付いて回っています。
そう考えると、誕生祝いにもしカラボスが来なかったとしても、リラはなにか時間に関する贈り物をオーロラに授けていたのではないでしょうか。
それは、勇気、優しさ、強さ、鷹揚さ、呑気さ…妖精が授けてくれた、大切な贈り物を、いつまでもいつまでも持ち続けられますように。そんな魔法だったと、私は思っています。
 
リラは、紫の小さな花の名前です。ライラックとも言います。
他の妖精を踊る中高生より歳上だけど、身長の低い私。リラの精の役をいただけることをとても光栄に思っています。
もうすぐリラの花が咲く季節です。


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