女性に「隙がないよね」って言っても、なにも良いことないと思うよ。

「隙がないよね」という、一部の男性からの「感想」を聞き飽きて久しい。いったいなんのために、一部の男性はそれを口にするのだろう。

隙の有無についてのコメントや私への感想、誰が言ってくれと頼んだ? 別に求めてないよ。“隙がない星人”、今年で◯人目かな(ニヤリ)。毎回、そんなことを考えながら、「あらそうですか? フフフ」と苦笑する。

むしろ、それ言わないほうがいい台詞ですよ、という返しが喉まで出るものの、親切に教えてあげる義理もないし、と言葉を飲み込むことにしている。一生言っとけば。

興味深いのは、「隙がない」と対面で一方的に評価を下してくるのは、ほぼ100%こちら側が、「関係を深めたいと思わない相手」である。自分がなんらかの興味や好意を持つ相手からは、一度も言われたことがない。

恋愛市場において、「隙がない」という表現は主に、一部の男性から女性に対して使われ、「ガードが固い」「弱みを見せない」「鉄壁」といった意味で用いられる。つまりは、「ひらいていない」ということだろう。

隙は誰もが持っているものだけれど、ある人の隙は一部の人には見えて、一部の人には見えない。ただそれだけのことだ。

相手によっては、隙がない風で接するほうが無難な場合もある。こちらが関係の深化を望まない相手に、隙があると思われるとデメリットしかない。相手が勘違いし、妙な行動、強引な行動に出てくるケースもあるので、いい結果にはならない。八方美人は最終的に損をする。

隙がある、というのは相手が付け入るスペースを確保している、ということ。好意や興味がある相手には、自然と心身がひらき、やわらかい状態になる。

隙の有無はスイッチをオン/オフで切り替えているのではなく、無意識のうちに隙がある、ないという状態が作り出されている。だって、頭の中で「この相手には隙を見せたらいけない。隙、オフッ!」「彼には隙を見せよう。隙、オンッ!」みたいに操作してないから。自動でコントロールされているのだ。

防衛本能みたいなものが働いているのだと思う。隙を見せると程度の差はあれリスクがあり、良いことにはならない相手だな、と本能が判断し、結果心身が閉じて、隙がない状態を作り、自分自身を守っているのだ、と。体は賢くできている。

話を戻すと、「隙がないよね」と女性に向かってわざわざ言うのは、自ら「僕はあなたから警戒されています」と認めている、宣言しているようなもの。冷静に見ると滑稽だ。

”隙がない星人”な一部の男性たちには、その言葉をなんのために発しているのか、それを発して良いことはあったのか、いつかヒアリングしてみようと思う。今度言われたら、「あなたに見せてないだけなんじゃないですか(ニヤリ)。ちなみに、それ言って、うまくいったことあります?」と。

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