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「会いたい」とは思わないけど、彼がいなくなったら「耐えられない」となる類の愛。

「その子さんは僕に『会いたい』と思うことある?」

画面越しにパートナーから聞かれて、うーんとなった。答えはイエスではない。

実際、別々にいるときに「会いたい」という欲が生まれないから、私から「会いたい」と言ったことはない。彼が「会いたいな」と言ったら「会いたいね」「もうすぐ会えるよ!」と言うくらい。

私が黙っていると彼は続けた。

「僕は『会いたい』って思うけど、その子さんは『会いたい』って思ってないと思う(笑)。大阪にいる間にできないことを(福岡にいる間)ばーってやってるから」

よくわかってる、と思ったから「そうねえ」と同意した。

私は月の1/3を大阪の彼の家、残りを福岡(2月までは東京)で生活している。3月に福岡に来てからは、九州の他県には行っていないけれど、4月からは福岡にいる間、隣県や県内の市町村にも足を伸ばす予定だ。旅先として大好きで、東京から度々訪れていた九州の大地が、気軽かつ安価に行ける距離にあるのだから、これはもうアクティブ化する選択肢しかない。そんなわけで2/3を福岡を含む九州地方で過ごすことになる。

彼の言う通り、福岡では仕事の他にもやることがいろいろある。大きく言うと「福岡を味わい尽くす」生活をするために、食・人・場所の新規開拓と深掘りが主な活動になる。食べ歩きや人との縁作り、旅を含む遠出、健康な身体を保つためのキックボクシングジム通い、身体のメンテナンス周りとやることがたくさんある。4月末にはローカルメディアを立ち上げるために動いているし、ズンバという習い事も検討している(公民館で月3回習えて月会費1,500円!)。5月以降は東京でやっていた子ども食堂も再開しようとしている。

世の中には私より忙しい人がほとんどだろうけど、とはいえ、なにかとやることが多い。それもあって、福岡にいるとき「彼に会いたい」と思う瞬間がないし、大阪の彼とは別に「福岡彼」を作りたい願望も0%。そういう欲が消えていて、彼ひとりで満たされている。もちろん「彼が週末に時間ができて来福した」というシチュエーションは純粋に嬉しくて大歓迎だし、欲張ってギリギリまで遊び回ると思う。

ただ、離れているときに「会いたい」とならないのは、月の1/3というまとまった時間を一緒に過ごしているから、というのも大きい。平日は朝夜の数時間しか共にいないけれど、それでも毎日笑顔を見て、触れて、「好きだよ」「大事だよ」という言葉を交換し、愛し愛されているのを感じる——その繰り返しだけで心が満ちる。離れているときも、ほぼ毎日顔を見てトークする、というのも癒しにつながっていると思う。

「会いたい」という熱烈な想いはないけれど、もし彼が事故や事件に巻き込まれたり、病気で早くしてこの世を去ったりしたら、私には立ち直れる自信がない。仮に「好きな人ができた」という理由で別れを提案された場合は、離れた気持ちは戻らないことを知っているし、私も同じことをしたことがあるのとで因果応報と受け止め、「どうぞそちらへ」となるし、「好きじゃなくなった」と告げられた場合も「それは仕方ない。解散ッ」となるけれど、「それとは別のいなくなり方」だったら、彼のいない世界で生き続けるのを望まないかもしれない。

それくらい大事だし、普段は「好きだよ」「大事だよ」と言うだけにしているけれど「愛おしい人」。彼自身の意に添わぬ形で、私の前からいなくなるシチュエーションは耐えられない。

大切な人だ。離れているとき、ふと彼を思い出すことはある。私たちがするのはとりとめのない話がほとんどだけど、楽しい展開になることが多く、自分がゲラ化して腹筋が攣りそうになることも珍しくない。そんな彼とのやりとりが思い浮かぶと、ふっと笑顔になる。ひとりでふふっと小さく吹き出すこともある。単に見慣れた笑顔が脳裏に登場するだけのこともある。そんなときは「◯◯くん、いい笑顔してる。ラブリー」と幸せな気分になる。

3月上旬、彼とのエピソードをnoteに書いたところ、今までにないくらい多くの人に読んでもらうことができた。この数字は私にとってはものすごいビュー数。

「くさすぎるスニーカー」のインパクトが強かったのは間違いない。加えて、彼の優しさや愛を「素敵だな」と思ってくれた人がたくさんいたというのは、いただいたコメントや派生して書いていただいたnoteなどからも感じ取れた。


恋愛、結婚、離婚。いずれも意味のない悩みを抱えていた時期があったけれど、歳を重ねるにつれてより魅力的なパートナーと出会う未来が待っていた。今の彼は今の私にぴったりな人だ。

一般的には「遠距離」と言われる物理的距離感(飛行機含めて片道3時間半なので、私個人としては遠距離感はない)で、ふたりともが笑顔でいられて、幸せであるために試みていること、ふとしたエピソードなどを今後も残していきたい。

お互い離婚歴があり、結婚という枠組みはゴメンで、事実婚でも別居婚でも単身赴任でもない。解散しようと思えばいつでも解散できる、拘束力のない自由な関係。とても気楽で、心地よく、身軽で、自分に合っている。

「世界で最も大事な人」という意識でのつながりだけ。

そんなパートナーシップの本質や関係性の保ち方などを書きたいのだけれど、需要ってあるものでしょうか。ご意見・ご感想があれば寄せていただくと喜びます。

また、テーマによっては上の人気記事のような数字を出すエピソードで執筆できるかもしれません。パートナーシップ関連のご依頼も大歓迎です。よろしくお願いいたします。

池田園子
sono.ilangilang@gmail.com


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