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ひみつはひみつのままに【ふたり暮らしと本/49】

49.ひみつはひみつのままに

パートナーとはいろいろなことを話しますが、自分のすべてを知ってもらおうと狙って、何もかも語り尽くそうとは考えていません。言葉にしないことがあってもいいのです。例えば、自分には堆積してきた歴史があり、その中にはあえて伝えなくてもいいことだってあります。誰かにとっては面白い話かもしれませんが、パートナーには相応しくない話もあるでしょう。基本的にオープンでありながら、無自覚に開示しすぎないことを大切にしています。適度なミステリアス感は魅力のひとつでもあると考えています。

学べる一冊

「美しく生きていきたい」と願う人へのヒントが綴られた1冊。後半には「他人の“聖所”に踏みこまない」ことが書かれていました。相手に対して「この人のことは何でもわかっている」と思い込んだり、そうしたりしようとすると、不幸と絶望を抱えることになる、と。ひとりの人間を理解し尽くすことなんて無理なので、もっともな話です。私たちは「不可交信性」を持っていて、知り尽くしていない相手に尊敬の念が生まれ、同時に自分自身にも誇りを持てると著者はいいます。互いに聖所があるのを理解し、そこは放っておくことを心がけたいです。

バックナンバー

編集者で、編集プロダクション「プレスラボ」代表も務めている池田園子です。普段は東京にいますが、月の1/3は大阪で、パートナーとふたり暮らしをしています。平日共に過ごすのは朝に約30分、夜に3〜4時間。日頃は距離的に離れているからこそ、共に生活する時間は穏やかで心地よく、自然と笑顔になるひとときにしたい——。そんな「編集方針」をもとに送る日々の中で、大事にしていることを綴ってみます。参考になる「本」も交えて。

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