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【小説】どの顔もあの女

36
自宅マンションで絞殺体として発見された、自称小説家の高梨真矢(33歳)。一体なぜ、誰に彼女は殺されたのか。真矢の恋人が遺された“資料”をもとに、真矢の過去を知る人々のもとを訪ね、… もっと読む
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2021年9月の記事一覧

友人・辻麻友子の証言 【小説】どの顔もあの女#36

 ライターの辻麻友子と申します。真矢さんに数年前、Web媒体のインタビューをさせてもらったことがあります。そのときの原稿を気に入ってくれてから、1年に2〜3回くらいですけど、ごはんに行ってました。最後に会ったのは1ヶ月前で、かなり思い詰めた顔をしていました。  どうしたのかと聞くと、「アシスタントの弘子さんがパートナーに洗脳されていて、なんとか助け出したい」と言うんですね。弘子さんは3年くらい前、真矢さんに「真矢さんのファンです。何でもしますので、仕事をお手伝いさせてくださ