災害時に現場の職員に求められること

災害発生時には、市役所内に「災害対策本部」が立ち上がり、「市民生活班」「保健福祉班」「産業建設班」など、各班による災害対応が展開されます。

発災直後は、被害情報を収集しつつ、人命救助が最優先となります。

その後、災害が落ち着いてきたところで、被災者の安全安心の確保(避難所の円滑な運営、医療・福祉的なニーズへの対応など)をいち早く行うとともに、生活再建に向けてさまざまな支援策を行っていくことになります。


災害の規模や被害状況、時間経過にともない、市の災害対策本部では各班における対応方針が検討・決定されます。

そして、本部の方針に基づき、各班の職員がそれぞれ現場で対応に当たることになるのですが、現場で対応に当たる職員に意識してもらいたいのは「フォロワーシップを発揮する」ということです。


●フォロワーシップとは

フォロワーシップとは、チームの成果を最大化させるために、「自律的かつ主体的にリーダーや他メンバーに働きかけ支援すること」です。
具体的には、リーダーの意思決定や行動に誤りがあると感じた場合は、臆することなく提言を行ったり、チームがより良い方向に進むようメンバーに働きかけたりと、自分の置かれたポジションだからこそできることを主体的に実行していくことを指します。

グロービス経営大学院HP「フォロワーシップとは?リーダーシップとの違いや実践方法」より引用
https://mba.globis.ac.jp/careernote/1239.html


これまで、私が働く瀬戸内市では幸いなことに、自然災害による甚大な被害を受けたことがほとんどありません。

そのため、特に若手の職員などは、日頃から災害に備え、危機感を持って仕事をすることはあまり無いように思います。

私自身、危機管理課に配属される前は「防災」について平常時から考えたことは殆どありませんでした。

災害時に招集された際も「管理職に言われたことだけやっておけばいい」と考えていたように思います(今振り返ると恥ずかしい限りですね…。)。


●災害時には「フォロワーシップを発揮する」ことが求められる

ただ、大規模災害が発生した場合においては、行政も一緒に被災して機能が低下し、非常に混乱した状態に陥ることが想定されます。

災害対策本部会議で各班の対応方針が決定されますが、現場での具体的な対応については、方針に基づいて現場の職員で考え実行し、発災直後の混乱を乗り越えてもらわなければなりません。

また、災害が落ち着いて以降も、現場で発生する様々な困難に対して、住民や外部からの支援者に協力を得ながら柔軟に対応していくことが求められます。

時には、対応方針の見直しや追加支援の要請、業務環境の改善等を行うため、現場の情報を正確に本部に挙げて検討を促すことも必要です。

まさに、災害時に現場の職員には「フォロワーシップを発揮する」ことが求められると思います。


●災害時に職員が一丸となれるように

職員一人ひとりが、日頃から災害時の自身の役割を認識してスキルアップに取り組み、主体的に行動ができるようにしておくとともに、自分や家族の命の安全がまず確保されるよう家庭の備えを進めておく必要があると考えます。

事務分掌的には、防災対策は危機管理課が所管していますが、災害時には所属に関係なく全職員が一丸となって対応に当たらなければなりません

日頃から防災を「自分ごと」と感じてもらえるよう、研修や訓練を通して職員の防災意識を高めて行かなければならないと思います。


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