11月26日の夢/第1話
第1話:菩薩さん(仮)との出会い
素敵な緑色をしたボブカットの菩薩さんの車の助手席に乗りこむ。
「本当は6階建てだったんだけど、私そんなに必要ないから、壊したんだ」
と菩薩さん。
そういって、連れて行ってもらった場所は菩薩さんの家だった。
「ここが仕事部屋でね、こっちがプライベートルームなんだー」
6階建てを壊して平屋に直したその家は、業者を入れてリフォームしたとは思えない、つぎはぎだらけの家。
ただ、仕事に使っている部屋には天窓があり、とても明るく、居心地がいい。
反対にプライベートルームは薄暗かった。
その薄暗いシングルベッドが2台置かれた部屋に、菩薩さんの彼氏がいた。
菩薩さんは続ける。
「最近どう?なんかモヤモヤしていることある?ちょっと視てみるね。」
・・・
「そうだね、自分の部屋持った方がいいよ。持ってないでしょ?」
ズバリ当てられ、コクリとうなずく。
「部屋はあるように視えるけど、どうして自分のスペース作らないの?」
それは簡単だった。
今その部屋は荷物置きになっている。
「サイズアウトした子供の服なんかが置いてあるんです。メルカリで売ろうと思ってやってみたけど、一つのものを文章書いて写真撮ってってするのも時間かかるし、全部やってたら休みが終わっちゃう。だからそこに時間が割けないというか・・・」
すると菩薩さんの彼氏が
「こいつに頼めよ、めちゃくちゃ早いから。なあ?」
と菩薩さんに呼びかける。
「メルカリね!私よくやるよ!よかったらやろうか?」
そんなこんなで菩薩さんへメルカリ代行を依頼することが決まった。
よくわからない気持ちのまま、菩薩家を後にすることになった。
ーーー第2話へ続く。---