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心の荷物

「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。」
‭‭マタイによる福音書‬ ‭11:28‬ ‭新共同訳‬‬



ずいぶん遠くまで来たようだ。
歩いてきた道を振り返る。
背負った荷物が肩に食い込む。
道はまだまだ続く。
足取りが重くなる。


腰を下ろして、道端にへたり込む。
日は天に高くまで昇り、暑さを凌げる場所もない。
先に進みたくても、もう、そんな力は残されていない。
疲れ切った身体を、荷物を枕にして、横たえる。

旅に出たら、自由になれると思っていた。
旅行鞄に荷物を詰め込んで、
心に夢と期待を詰め込んで。


この心の荷物はだんだんと重たくなっていった。
いつまでも、どこまでも歩いても、ずっと続く道。終わりの見えない旅。
不安と焦りで、もっと頑張らなけば、急がなければと思うほど、荷物の重みに足が引きずられる。

この荷物さえなければと、ため息が出る。


「わたしが休ませてあげよう」という声が聞こえた。
その声の主は、私の荷物を軽々と持ち上げて、
もう片方の手で、私に手を差し伸べて、立ち上がるように支えてくれた。


心に重荷を負っている人に、
主イエスは、わたしの元に来なさい、と声をかけてくださる。わたしが休ませてあげるから、と。
その声に従って、重荷を渡したら、
心と身体は、身軽になるはず。


さぁ、もう少し休んでから、また歩き始めよう。


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