親切と無神経の狭間に

駅のホームで、白杖を持ったご高齢の男性が
頼りなげに歩いておられました。  

このままだとホームの端っこまで行ってしまいそうで、私は迷いながらも、意を決して声をかけてみました。  

すると、男性は登るべきエスカレーターを通り過ぎていたようで、私は肩を貸して改札口までご一緒することに。  

改札に訓練士さんが迎えに来ているはず、と
言われ、その方を探そうと  

「どんな方ですか?」  

と訊ねると、男性は

「男の方…」  

と困ったように答えました。  

その瞬間、私は〝しまった!〟と思いました。  

目の見えない方に相手の様子を伺うなんて、
何と無神経だったことでしょうか。  

すっかり気が動転してしまい、話をそらそうと  

「ここは(道の)ど真ん中なので、少しあちらに行きましょうか」  

とお連れしようとすると、男性が  

「そうですね。邪魔になりますねえ」  

と…  

今度は男性に〝邪魔な存在〟と感じさせてしまった、とますます心苦しくなり、

「い、いえっ❗️ぶつかると危ないので‼️」  

と急に叫び声を上げて、周囲を振り返らせました💦  

…そんな私に、男性は何度も感謝の言葉を告げて下さり、私達は駅員さんのいる窓口で別れました。

「お気をつけて。」  

そう言うのが精一杯で、私はその後ずっと

〝どうか、男性が傷ついていませんように…〟  

と祈っていました。  

私は親切なようでいて、いつもそうして
どこか至らないのです。  

そうしたところまで美しい心根を持てたら、 きっと素敵なお相手にも出会えるのでしょうか😊

追伸:男性はずっと物腰柔らかで、決してこちらを恐縮させる口調で言われたのではありません🙇‍♀️

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