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stand.fm 05 :: "bure(ブレ)" と 即興するシステム "gismo(ギズモ)"


シングル "bure(ブレ)" の秘密

SjQ Radio, 新譜『Torus』より2つ目の先行シングル "bure(ブレ)" のスペシャル回です。

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その制作に用いられている即興するシステム "gismo(ギズモ)"は、Uozumiの音楽手法として20年近く使われており、SjQの今の技法と密接な関係があります。

作品 "bure"では、実は人間の手による演奏は行われていません。
gismo(ギズモ)という、微生物を模した無数の小さなサウンドプログラムの「群れ」を使った即興演奏システムによって生成されています。

つまり、完全なジェネラティブミュージック。

メンバーのみで振り返りつつ、次の音楽を語る今回の収録では、SjQはこのgismoの発展を模倣し、gismoはSjQを模倣することで互いにその特徴を深めてきた経緯が語られます。

DEMO Movie "gismo"

デモは、2009年時点のバージョンなので、今回使用されているものとは仕様などは異なっている。基本原理は同じ。

gismoはマルチエージェントという考え方で構築されています。
gismoの中では、ライフゲームのように生命にインスパイアされた複数の「エージェント」が、群れ、「食べる・食べられる、仲間」といった関係で反応を繰り返します。

エージェントは、「大きい相手から逃げる」「小さい相手は追跡して食べようとする」といった動作だけで、人工知能のようなものは一切介在していません。
しかし、一匹一匹のエージェントに視界や移動速度、サイズなどの個性を与え、作曲者が「エージェントの群れ」に関与することで、エージェントの様々なパラメータや反応を使って、リズムや音響をつくりだします。

つまり、gismoは、サウンドの擬似的な生態系をつくり、操ることで音楽を即興しようとする考え方を体現したものです。

魚住は学生時代にこのシステムを開発し、SjQにメンバーとして導入しながら今も、用い続けています。

Uozumiは、音楽が「演奏」されるのに「知能」は必要条件だと考えていない。人工・自然含めて。音楽は現象するもので、聴く側の問題。この辺はまた後日論考したい。

課題曲 : "bure" 

先行シングル 第二弾 from 『Torus』
メンバーによる即興演奏をgismoによってサンプリング・カットアップすることで構築された。


gismoと人間によるコラボレーション曲

ラジオでBGMに用いられている楽曲には、どれもgismoと人間が共に演奏することで制作されたトラックが用いられている。共にセカンドアルバム『Animacy』収録曲


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