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サイクルジャージのカッコイイ着こなし方

ロードバイクに乗るときに着るサイクルジャージ。
身体に密着するあのピタピタしたウェアのことだが、体型がもろに出るあの格好、さらに下のショーツは下着をはかずにノーパンではくので、初めて着る人にとってはかなり抵抗があるだろう。
でも、あのサイクルジャージはサイクリストにとっては正装なのだ。

正装と言うからには、格好良く見える着こなし方もあるし、サイクリストの間で暗黙の了解になっているドレスコードのようなものもある。
今回はサイクルジャージのカッコイイ着こなし方について考察する。

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●ジャストサイズで着るべし

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自転車で走るときに生じる抵抗の大半は空気抵抗で、時速30kmで走る場合、実に約8割が空気抵抗だそうだ。
サイクルジャージの重要な機能の一つが空気抵抗の削減なので、サイクルジャージはジャストサイズで着るのが正解。
大きめのウェアを着ると生地がダブついて余ったりシワになったりするが、これらが空気抵抗を生み出すのだ。
「身体のラインが出るのは恥ずかしくてヤダ~」
なんて乙女みたいなことは言ってはいけない。

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●チームレプリカジャージはバイクとの組み合わせに注意

プロチームの所属選手が着ているチームジャージ。
ひいきのチームやあこがれの選手と同じジャージを着るのは、ファンにとってたまらないものだろう。
でも、たまにでかでかとバイクブランドのロゴが載っているチームジャージを着ながら、全く別のブランドのバイクに乗っている方を見かけるが、個人的にアレはいただけないと思う。
アディダスのロゴがでかでかと載ったTシャツを着ながら、ナイキの厚底シューズを履くぐらい違和感がある。

バイクブランドがスポンサーになっていないチームのジャージでも、見る人が見たら違うブランドのバイクに乗っているのは奇妙な感じがするものだ。
「安売りされてたから(←海外プロチームの型落ちジャージがワゴンセールなどで安く売られているのはよくある話)」
とか、
「バイクとのカラーコーディネートがしっくりくるから」
という安易な理由でチームレプリカジャージに安易に手を出すのはやめた方がいいかもしれない。
こちらも見る人が見たらプーマのロゴが入ったTシャツを着ながら、アディダスのスニーカーを履くぐらいの違和感はある。

プロチームの選手じゃない人が自転車に乗るときにレプリカジャージを着るという行為は、ある意味コスプレだと思う。
やるなら頭からつま先まで、さらに自転車のスペックまで当時のものと合わせるぐらいにこだわって徹底的にやりきっていただきたい。

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●3賞ジャージのレプリカは素人が手を出してはいけない

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ツール・ド・フランスの個人総合時間賞の証であるマイヨジョーヌ(黄色のジャージ)や、山岳賞のマイヨブランアポワルージュ(赤い水玉模様のジャージ)、スプリント賞のマイヨブラン(緑色のジャージ)など、3大ツールのようなステージレースの各賞のリーダーが着用するジャージをまとめて3賞ジャージという。
これはレースでそれぞれのナンバーワンである証。
基本的にはプロレーサーの中でも選ばれた人しか袖を通すことのできないジャージなのだが、なぜか毎年のようにレプリカジャージが発売されている。

たまにこれを着ているホビーサイクリストがいて仰天してしまう。
「バイクとのカラーコーディネートが……」
とか
「かわいいから……」
とかなんて理由でうかつに着ちゃいけないのだ。

ギリギリ許されると思うのがコスプレかな。
「あのレースで山岳賞ジャージを着ている有名選手になりきってます!」
とかなら、まあそういう楽しみ方もあるのね、と思えなくもない。
でも、シロートが3賞ジャージを軽々しい気持ちで着るのは、やっぱりイケてないと思う。

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●ホビーレースのチャンピオンジャージを普段着るのはカッコ悪い

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ホビーレースで優勝するとチャンピオンジャージをもらえることがある。
中にはいろんなレースで勝ちまくって何枚もチャンピオンジャージを持っている人もいる。
そんな人がたまに練習会にチャンピオンジャージを着て颯爽と現れることがあるけれど、個人的にアレは超イケてないと思う。

「ワタシ、速いですよ」
という露骨なアピールが痛すぎる。
あのジャージを着て走ってたらストリートバトルが始まって面倒なことになりそうだし、もしバトルして負けたらカッコ悪いと思うのよね。
先日も上りで前方にサイクリストがいて、追い抜きざまに見たら某有名ホビーレースのチャンピオンジャージを着てて、ちょっと複雑な気持ちになってしまった。

あのジャージは、ワンデーレースなら表彰台でしか着ないものだし、ステージレースでもレース期間中しか着ないもの。
あとは思い出に浸るためにあるようなものだと思うので、自宅に飾るなり思い出BOXにひっそりしまうなりしてほしい。
どうしても着たい人は、インドアでサイクルトレーナーに乗るときにでも着ておくれ。

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●バイクやシューズ、ヘルメットの色とあまりにも合わないのも×

服装や服やバイクとのカラーコーディネートでは、色は多くても3色までにまとめるのがカッコイイと思っている。
それ以上に色が増えると、まとまりがなくなって洗練された感じからはほど遠くなる気がする。
ジャージをバイクやシューズ、ヘルメットなどに使われている色と合わせたり、バイクの色をジャージの差し色と合わせたりして、全体的な統一感をもたせるのがよいと思う。

個人的な好みでは、バイクとジャージの色があまりにもちぐはぐなのもイケてないと思う。
たとえば、バイクが青いのにウェアが赤とか黄色とか。
ジャージもバイクも横から見たときに表面積が大きいので、目立つからなぁ。
でも、黒っぽいウェアとかバイクに、差し色として赤とか黄色のような鮮やかな色を合わせるのは悪くない気がする。

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●結局オリジナルデザインのジャージが一番無難。次点はメーカーの既製品

ドレスコードや暗黙の了解を考えると、結局のところ一番無難なのはオリジナルデザインのジャージってことになるような気がする。
プロチームのレプリカジャージを着るときに生じがちなバイクとのミスマッチも解消できるし、色やデザインだってバイクに合わせることもできる。

次点はメーカーの既製品。
黒っぽいものが多いけれど、いろいろなカラーが用意されている製品もあるので、そういうのを選ぶのもいい。
既製品に問題があるとしたら、全く知らないサイクリストと偶然ウェアがかぶってしまうこと。
同じオリジナルデザインのジャージを着た人はほぼ知り合いなので親近感もわくけれど、既製品のサイクルウェアがかぶったときはなぜかユニクロの服がかぶったときと同じぐらい気恥ずかしいんだよな。

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