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今シーズン最大の大勝負 都市対抗に賭ける想い

先日発表したように、FC SONHO 川西、県下社会人都市リーグ決勝大会(通称:都市対抗)への出場が決定しました。

所謂、昇格戦というやつです。
この大会で優勝すれば1つ上のカテゴリー(J8相当の兵庫県2部リーグ)に昇格することが出来ます。
※ちなみに準優勝の場合は、県2部のチームとの入れ替え戦になります。

昇格は全サッカークラブの悲願であり、それを重ねていった先に地域リーグ、JFL、Jリーグの舞台が見えてきます。

この都市対抗について、僕達には特別な想いがあります。
今日はそんな都市対抗について、少しお話をしていきましょう。


舞い降りてきた出場権

「今年の都市対抗に出場する権利をもらった!」
まさに青天の霹靂でした。

SONHOには本来、今年の昇格戦に出場する権利はありませんでした。
僕らが所属する北摂トップリーグは少し特殊で、「昨年度のリーグ戦の結果で今年の昇格戦の出場クラブが決まる」というルールがあります。

なので、昨年の都市対抗に出場した際には2年前のリーグ戦優勝の結果で出場権が与えられました。

ところが昨年、僕らは都市対抗で優勝して県リーグに昇格する気でいたのでリーグ戦は正直力を入れていませんでした。
結果、昨年の都市対抗に負けてしまったので、昇格も出来ず。それどころか、今年の昇格戦の出場権もない状態で2年間の足踏みを余儀なくされました。

絶望しました。あと2年も北摂トップリーグ(J9)で戦わなければならないのかと。

何か手はないのか、出場することは出来ないのか。
出来ることは全てやりました。
もちろん、今シーズンのリーグ戦は開幕から全勝。
クラブ選手権では県リーグのクラブを抑えて兵庫県チャンピオンになりました。
選手達と共に、上のカテゴリに昇格するだけの実力があることを示しました。だから、昇格戦に出たいと。

しかし、その時の協会の返答は「SONHOが繰り上がりなどで都市対抗に出場すること可能性はない」というものでした。
僅かな望みが失われ、僕達は今年の昇格を諦めました。
過酷なJ9の環境下で、もう一年戦い抜く覚悟を決めたんです。

しかし先日、協会から一通の連絡が届きました。

都市リーグ決勝の件について、連盟より参加チームの連絡案内があり、当大会の昨年度実績により北摂サッカー協会からの参加チーム枠が2チームとなるそうです。間近での案内、連絡で調整が難しいかと思いますがFC SONHO 川西が希望するなら参加を申し出ようかと思っております。いかがでしょうか?

目を疑いました。

フットボールの神様は、本当にいるのかと。

思えば、兵庫県チャンピオン、関西準優勝をしたクラブ選手権も繰り上がりでの出場でした。
そして、今回の都市対抗。

流石に、信じられませんでした。
「人事を尽くして天命を待つ」という言葉がありますが、出来ることを日々本気で取り組んだ結果、こんな天命を受けることになるとは思いもしてませんでした。

これを聞いた直後の、代表の小川との電話は喜びと興奮で会話になっていませんでした。帰りの満員電車、思い出して涙が止まりませんでした。

要するに、
昨年度、都市対抗で3位だった実績(昇格したクラブに次いで最高順位)と今年クラブ選手権で兵庫チャンピオンになった実績」を評価していただいたわけです。選手が、クラブが、サポーターが、街の方々が勝ち取った権利です。

こんなの、昇格しないわけにはいかないですよね。
昇格しろよ、足踏みせずに次に進めよ、って言われているようなものですから。

そして何より、この都市対抗に僕らは特別な想いがあります。


忘れもしない、都市対抗の雪辱

昨年の都市対抗の悔しさを、僕らは1日たりとも忘れていません。

忘れもしない2021年12月5日、最終戦に昇格の望みを繋いだ僕らは、無情な試合終了の笛の音を聞きました。
最終的に3位という成績でフィニッシュ。昇格は叶いませんでした。

死ぬほど悔しかった。人生で一番の悔しさでした。
負けたことが、ではありません。
「昇格するに値するクラブではなかったこと」が、死ぬほど悔しかった。

本格的に僕がクラブ運営に関わり始めたのが、昨年の10月頃。
そこから1ヶ月後の大会だったので、正直クラブとしての形は今ほど整備されていませんでした。

コロナ禍なのもあり、チームの活動は試合のみ。
今のように場所の確保や選手のモチベートも出来ておらず、練習はほぼ行うことが出来ませんでした。
最終戦には、十分な戦力を揃えることさえ出来ませんでした。
ベンチメンバーもおらず、選手交代さえ出来ない状況での試合。

負けて当然でした。
しかし、当時の僕らは昇格出来ると思い込んでいました。

選手のプレーのせいで勝てなかったとは微塵も思いません。
クラブとして、昇格するに値しなかった。
運営体制も、チームワークも、何一つ十分ではありませんでした。

何よりも大事だったはずの昇格戦に最高の準備をして臨まなかった、その事実が何よりも許せませんでした。本当に悔しかった。

だからこそ、この1年は「チーム強化、クラブとしての実業、日頃の行い etc…」どの側面を見ても、思いつく限り最高のクラブ作りと最高の準備を進めてきたと考えています。微塵も手を抜いていません。

その雪辱をはらす、リベンジ出来る機会がついにやってきたんです。


都市対抗に向けて

都市対抗は、5週連続で試合が行われます。
最初2試合はノックアウト方式。負けた時点でゲームオーバーです。
残り3試合はベスト4のチームの総当たりのリーグ戦。
ここで1位になったら自動昇格、2位なら入れ替え戦に臨むことになります。

なので、実質5連勝しなければならないと思っていただいても差し支えありません。
文字通り、「絶対に負けられない戦いが、そこにはある」わけです。

当然、コンディションの調整や準備も含め、クラブの総力戦となります。
全てを賭けて戦う気概がなければ昇格はありません。
僕らが所属する北摂トップリーグからは、歴史上1つも県リーグに昇格したクラブがない、と言えばその過酷さは伝わるでしょうか。

でも、僕らは昨年とは何もかもが違います。
昨年のチームにプラスして、優秀な選手達が来てくれました。トレーナーも常駐してくれて、スタッフも増えて。そして熱いサポーターは昨年よりも数を増し、共に戦ってくれる。街の皆様からの応援もある。

今年のSONHOには、昇格に値するだけの力があると確信しています。
この1年間で、僕らがどれだけクラブとして前に進んだのかを証明する部隊です。
あとは残り僅かな期間で、最高の準備をするだけ。

皆さんに敢えて伝えたいことがあるとするなら…
是非、ここから数週間に渡る緊張と興奮を共に味わって欲しい。

週末が楽しみで、そわそわする感覚を。

試合中の吐きそうになるような緊張を。

点が決まった時の感情の爆発を。

そして、昇格が決まった時の感動を。

こんな想いを感じられるのは、今シーズンはこれが最後。
共に戦い、昇格を勝ち取り、感動を共有しましょう。

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