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無名人インタビュー:本音を聞く人

今週も先週に引き続き長南さんクラスターです。長南さんをウイルス扱いしてるとか、そういうんじゃないからね。

皆さんの「本音」ってなんですか?本音は、本音以上でもで以下でもない、ただそこに“ある”だけなんです。そんな色んな方の本音を受け止め続ける人、Imakaさんこと「本音屋」さんの回、楽しんでいただければ幸いです!

本日ご参加いただいたのは、Imaka Okitoさんこと「本音屋」さんです。
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▼イントロ

そんり:本日は無名人インタビューにご参加いただき、誠にありがとうございます。

本音屋:はい、ありがとうございます。

そんり:インタビューにご興味を持たれたキッカケは何ですか。

本音屋:以前に長南さんって方をそんりさんがインタビューされてるかと思うんですけど。長南さんが面白いからインタビュー受けてみるといいよっていうふうに、オススメしていただいて。おお!って思って、ピンポイントで応募させていただきました。

そんり:では、今日はどういったインタビューにしていきましょう。

本音屋:名前の通り「本音屋」って活動を自分でやっていて、なぜやってるのかってことよく聞かれるんですが。ちゃんと記事にしなきゃなと思いつつ、なんかうまく自分じゃまとめられなかったって感じなんですよね。なんでそのあたりをぜひ深掘っていただけたら嬉しいなと。

そんり:そんな…恐縮です。では、「本音屋」を始められたキッカケは?

本音屋:はい。1年ぐらい前から本音屋のプロトタイプを始めた形で、最初は内面の壁打ち相手っていう名前で、サービスをやっていたんですよね。

そんり:内面の壁打ちか、はいはい。

▼これは“アナタ”の話

本音屋:もともとキャリアコンサルタントをやっていて。ただ、キャリアっていうか、その人が自分らしく生きてさえいれば、その人が働いてるかって、自分にはそんなに重要じゃなかったので。なんか、あんまりキャリアってところに重きを置けなくて、キャリアって要素を抜きつつ、カウンセリングでもないコーチングでもない事が出来たらいいなって思って、内面の壁打ち相手っていうので1年前に始めて。それが今だんだんと形になって、自分のやりたいことが「本音屋」なんだなっていうふうになってきたっていう感じです。

そんり:で、名前を「内面の壁打ち相手」から「本音屋」に変えたと。その人の本音に触れたいというのが、一番の目的ですよね。

本音屋:そうですね、はい。

そんり:なんでそもそもの、キャリアコンサルじゃしっくりこなかったんですか?私は直接インタビューしてないんですけど、無名人インタビューの過去アーカイブの中で、ファイナンシャルプランナーの方のインタビューがあって、お金の使い方でその人が分かる、みたいなのをお話しされてたみたいなんですね。

本音屋:おお、面白そうですね。

そんり:やっぱその人のお金の使い方のクセっていうものがあるっていうので、すごく興味深かったよっていうのを、おっしゃってたんですよね。で、多分それはキャリアコンサルでも可能だと思うんです。でもそれじゃないって思った、何かがあったと思うんですが、本音屋さんご自身が認識出来る範囲で、もうちょっとそれをもうちょっと詳しくお話いただけたらなって。

本音屋:はい、その意味でいうと、もともと大学で心理学を学んでいて、臨床心理士になろうとしてたんですよね。で、そこでも違うなって思ってキャリコンになったっていう経緯があって。なんですかね…カウンセラーを目指す人達って、人の心に寄り添うような、すごく優しい方々が多いんですけど。自分ってそこまで良い人間なのかなって考えると、違うなって思って。キャリコンだったら、就職っていうゴールがあって、そこに向かって意見を交わしながら進めていく印象があったので、そっち側の道を選んだんですよね。でも実際やってみると、どこに就職したら良いと思いますか?とか、どんな会社なら失敗しないですか?って聞かれるので、自分で決めた方がよくない?ってなっちゃったですよね。

そんり:ああ、わかります。そんなの、私がわかるわけないじゃんって感じですよね。

本音屋:そうなんですよ。ただその人らしさを見つけたいとか、その人の形成過程を聞くのが、ものすごい好きだなっていうことに気付いて。今度はコーチングに興味を持ったんです。すごく素敵なコーチに出会えたので、自分でも1年くらい受けてみて。コーチングっていいな!と思ったんですけど、自分がコーチになるのは違ったんですよね。クライアントの目標達成に向けて、伴走して動きたいワケでもないなと思いましたし。本当に素晴らしいコーチだった分、こんな人にはなれないなと思って(笑)結果分かったのが、自分は、人間の独自性であったりとか、形成過程を追うこと、何故そういう価値観を持つようになったのかとか、捉え方をするようになったのかとか、どういう考えを持ってる人なのかとかかを知る事が、めちゃくちゃ好きなだけなんだっていうのが分かったんですよね。

そんり:はいはい。

本音屋:だから、カウンセリングとかコーチングをして、誰かを救ってあげたいじゃなくて、自分がそういうことをするのが好きな人なんだなって分かった部分もあり。そうすると、何かをギブしたいワケでもないんですよね。話をしたい人と話を聞きたい人が、ギブ・アンド・テイクになってるだけだなって思って。そういう対話がしたいだけなんだなって、気付いたんですよね。

そんり:なるほど。このインタビューも同じようなスタンスなんですよね。

本音屋:そうなんです!だから「無名人インタビュー」ってすごく面白いなって思いました。ただアウトプットが一番大変だと思うので、アウトプットまで持ってきてるのはスゴイなって思いながら。

そんり:そうですね。アウトプットは、正直地獄ですね(笑)

本音屋:そうですよね。実は普段、本音屋以外の時間でインタビューの仕事もしていて。無名人インタビューもめちゃくちゃ面白そうって思ったんですけど、インタビューするのは好きでも、原稿仕上げるのが本当に得意じゃなくて、インタビューだけしかしたくないなっていうのが(笑)

そんり:人の話を訊くっていうのがお好きなんですね。

本音屋:そうなんですよ。ただ、なんていうんですかね、本音みたいな話は好きなんですけど、建前とか役割とか、何をしているかとか、そういう話は全然興味がなくて、雑談とかも全然できないんですよね。

そんり:あれ?本音屋さんの性別は?

本音屋:Xジェンダーです。

そんり:ああ、男性でも女性でもないって思ってるっていう。

本音屋:そうですね。Xの方だと、男性でも女性でもないって方と、男性でも女性でもあるって方と、日によって違うって人がいたりするみたいです。

そんり:どっちつかずってことなのか。どっちつかずって言い方は、あまり良い表現ではないけど…まあなんでも良いわな。

本音屋:そんな感じします(笑)

そんり:これは“アナタ”の話だしね。

本音屋:(笑)

そんり:ついでにお聞きしたいんですけど、ご自身がXジェンダーって気付いたのはお幾つくらいなんですか?

本音屋:本当に1年くらい前ですかね。昔は単純に恋愛対象が広いんだなっていうふうに思ったんですよね。

そんり:それはバイセクシャル?パンセクシャル?

本音屋:パンセクシャルですかね。

そんり:じゃあ、自分の属性も相手の属性も、何でも良いってタイプですね。

本音屋:そうですね。自分の性別は生まれたまま、そのまんまだろうなって思ってたんですけど、異性と珍しく長いこと付き合って、結婚するかしないかみたいな話になった時に、性別としての役割の話が急に増えてきて。え?全然意味が分かんないなってなっちゃったんですよね。もしや性自認が違うのか?って、そこでようやくなった感じですね。

▼ボーダーを超える

そんり:アナタは日本人だよねとか、白黒黄色だよねとかって言われることに対して、そんなに私は抵抗がなくて。この世の中って色んな人がたくさん生きてるから、ある程度カテゴリー的なのとか社会全体のルールを作ってあげないと、すごくカオスになっちゃうと思ってるんですよ。だからある程度の決まり事って必要だと思うんですね、共同体だから。

本音屋:すごく分かります。建前とか役割って必要だよなとは思っていて、ただ建前を必要としない場所もやっぱり必要だなと思うんです。本音屋っていう名前をつける前、芸能人の方が立て続けにその自殺をされてたのを見て。芸能関係とか全然詳しいわけでもないんですけど、あ、役割に殺されてるなって、すごい思ったんですよね。その人が、何者でもなくいられる場所が必要だなって、強烈に感じました。

そんり:それはご自身も、普段の生活で感じられる場面ってあるんですか?

本音屋:そうなんですよ。本当に今の自分になったのが丁度1年くらい前で。それまでは完全に建前で、ちゃんとしなきゃとか、そういうので生きていたんですよね。

そんり:そこから解放されるキッカケになった事って、あったんですか?

本音屋:長南さんと出会った場所でもあるんですけど、「議論メシ」ってコミュニティに所属していて、問いのもとに集まって議論するのがメインの活動なんですけど。そこに1年半ぐらい前に入って。2020年の12月くらいに、とあるテレビ番組のディスカッションイベントに出たんですよね。視聴者からアイディアを募って番組を作りますみたいな内容で、議論メシのメンバー以外にも、公募でいろんな方が参加していました。

そんり:うんうん。

本音屋:当日集まったランダムのメンバーで5つくらいのチームを作って、企画を出し合って発表して、優勝したチームのアイディアが実際の番組になるって内容だったんですけど。そこで自分たちのチームが優勝したんです。番組企画のテーマが「ボーダー」だったので、参加者の中には、海外の方や、LGBTQの方、障がいを持っている方とかいろんな人がいました。自分はXジェンダー、かつADHDだったんですけど、それを公表しないで生きていて。ただそこがすごくボーダーを感じさせない場だったで、ここで言わないのヘンだなって思ったので、その場で言ったんですよね。

そんり:うん、たしかに。

本音屋:とにかくメンバーがめちゃくちゃいい人達だったんですよね。学歴のせいで彼女にフラれてしまったと誰よりもオープンに話をしてくれた人とか、バッシングを受けることがあっても毅然と向き合い続ける政治アイドルの人とか、マジレスだけで生きてる独自性の塊みたいなイラストレーターの人とか、これだけ個性豊かなメンバーをまとめてくれる兄貴みたいな人もいて。そのメンバーじゃなかったら今の自分はいなかったんじゃないかな。

そんり:うんうん。

本音屋:それで、自分たちのチームは、心の痛みを服で表現するっていう企画を作ることになって。それでチームが優勝して、実際にその番組をつくるってなったときに、その痛みを表現した服を着る人が2人必要だよねってなって。1人は学歴の方で決まっていたんですけど、もう1人は話し合いの結果、自分が出ることになったんですよね。普通にテレビ番組なので放送されるしバレるなって思ったんですけど。でもなんか、ここまでの機会が来たっていうのは、隠して生きるのもう止めろって事なのかなって思って、番組に出て全てオープンにしたんですよね。自分がマイノリティという属性を持っているということを。

そんり:ああ、なるほど。この無名人インタビューって色んなインタビュアーの方がいて、その中での私のインタビュアーの個性として、いわゆるマイノリティの方をインタビューさせて頂くことが多いんですけど。やっぱりそういうボーダーっていうのかな、さっきの番組のタイトルじゃないですけど、その全てを取っ払ったところで話すのが、一番楽しいなって。その人の面白さが感じられるなって思えるところで。その人の心に触れられるような、なんかもうそれは、こっちの自己満足でしかないんですけど。

本音屋:そうですね。何者でもない感じ。普段は親なのかもしれないし、社長なのかもしれないし、そういうのが何もない場所で心に触れられるって、やっぱりめちゃくちゃ面白いし。そうなった時って、だいたいみんな個性的で面白いなってなるんですよね。蓋を開けてみたら、つまらない人って一人もいないんじゃないかなみたいな。

そんり:それは本当そうですよね。

▼普通がわからない

そんり:お子さん時代は、どういったお子さんだったんですか?

本音屋:子供の頃から特別な存在に憧れたりしてたんですよね。天才とか選ばれし者とか。

そんり:何者かになりたいってやつ。

本音屋:そうですそうです。物心ついた頃から多分そうで、意図的に普通とは違う事やってたんですよね。例えばみんながウサギをピンクで塗ってるから、あえて水色で塗ってやろうみたいな。でも、本当の天才だったら、ここと考えもせず、水色で塗るんだろうなって。天才になれないことを理解している、天才になりたい人だったんですよね。

そんり:厨二病みたいなもんですよね。

本音屋:そうそう、生まれた時から厨二病なんですよ(笑)

そんり:皆んなと同じが良いけど、皆んなと同じはちょっとイヤだみたいなのは、誰でもあると思うんですよね。それは多分ね。

本音屋:ただ、自分の母親の方が特に、皆んなと同じ、普通とか平凡が好きなタイプだったんですよ。だから、そういうのすごい嫌がったんですよね。ADHDとかXジェンダーの話をすると、マイノリティだから辛かったんでしょ?って話にフォーカスされがちになるから、あんまり話してないんですけど、そこは割と自分はどうでもよくて。それよりも、普通の良い子にならなきゃいけなかったことの方が、ずっとしんどかったんですよね。

そんり:まあでもそうですよね。なんか大人になると、Xジェンダーでパンセクシャルだって言ったところで、心の中で「え?」て思ってたとしても、それで直接攻撃してくる人ってやっぱり少ないですよね。皆んな大人だから、やっぱり。そこはそれでいいんですよ、気にしてない人はそこは何も気にしないですし。私自身もそうだし、本音屋さんもそうだし。

本音屋:そうなんですよね。

そんり:お母様はどういった方でした?

本音屋:めちゃくちゃ世話焼きで面倒見が良い人なんですけど、普通とかちゃんとしてることが大好きなんで、多分未だに一番のトラウマワードは「普通」なんですよね。普通でいられないことに対する申し訳なさみたいなのは、やっぱり長く持ってましたね。それはマイノリティだからっていうよりは、なんだろうな…ちゃんとしてないとか、うっかりしてるとか。

そんり:親にかけられた呪いみたいな感じですよね。

本音屋:そうですね、でも今はそこもかなり抜けてたので。母親にとっての幸せがそうだったんだなって理解しています。

そんり:うんうん。でも親の願いとしては間違ってないんですよね、目立たず安全に生きていって欲しいって。でも子供からしたら、なんで“僕・私”を見てくれないのってなりますもんね。

本音屋:そうなんですよ。

そんり:お父様は?

本音屋:父親は全くそんなんじゃなかったんですよ。生きてれば良いじゃんみたいな人で、すごい穏やかでしたね。若干、哲学的な人だったのかもしれない。でも、相性とか関係なく、めちゃくちゃ会話が多い家庭ではあったんですよ。毎日、今日はどんなことがあったかっていうのを話してましたね。

そんり:ああ、本音屋さんから感じる真っ直ぐさって、そういうのに起因してるのかな。こういう場だから、そうやって話ししていただけてるっていうのも、モチロンあると思うんですけど。もう本当に真っ直ぐって感じ。

本音屋:ありがとうございます。なんか最近、真っ直ぐ飾らないというか、価値がない自分が好きなんだなって気付いてから、すごい楽になった部分があって。

そんり:なるほど。

本音屋:それまでは、何者かにならなきゃみたいなのがあったんですけど。昔はとにかく天才なりたかったんで、色んな人の色んな事、一つ一つが全部羨ましくて。だからなのか、その分めちゃくちゃ人のことを褒めてたんですよ。小学校の通知表とかにも書かれていて。

そんり:へえ、それがライバル心にはならないんですね。

本音屋:いや、この人すごいのになんで知らんの?って思うんですよね。あとすごく漫画が好きだったんですけど、「ジャンプ」って感想を送らないと連載が終わっちゃったりするので、良いモノは良いって言わないと、それがなくなっちゃうみたいなのを、子供心に覚えたんですよね。面白いなって思ってても、アンケートとか送らないと、漫画連載が終了しちゃうので。

そんり:え?最終回でもないのにってこと?

本音屋:そう、最終回でもないのに。

そんり:え、それはいかんね。楽しみにしてる人達からしたら、そんな悲しいことないよね。

本音屋:そうなんですよ。だから例えば、足が速いとか、ピアノが上手いとか、性格が優しいとか、そういうのも言わないと、その人からなくなっちゃうかもって、思ってたんですよね。

そんり:へえ、すごい。で、それを「ジャンプ」から学んだと。いや、人を褒められるってすごいですよ。

本音屋:そうだから、めちゃくちゃ人を褒めるって言われるんですけど、自分的にはすごい褒めてるっていうより、率直に感想を言ってるって感覚なので。

そんり:ああ、その感覚はわかりますね。本当にそうだから、そう言ってるだけっていう。本音屋さん自身が褒められるのは、どうなんですか?

本音屋:アナタはそう思うんだね〜って感じですね(笑)

そんり:ああー!めっちゃわかる!それ!

本音屋:多分そんりさんも、自分と同じタイプなのかなって思ったんですけど、自分と他人の境界線が、めちゃくちゃハッキリしてるタイプなんだと思うんですよね。アナタの世界ではそうなんだねっていう。

そんり:もちろん、それはもう大前提というかね。

本音屋:結構世の中の人って、それが曖昧な人多いなって、本音屋やってて思いますね。

そんり:それくらい優しいのかな?って思いますね、他の人たちが皆。まるで自分の事のように考えちゃうっていう。

本音屋:確かに。こう本音屋をやっててよく聞かれるのが、なんでやってるんですか?と、やっててツラくないですか?がツートップなんですよ。

そんり:なるほど。どう返事するんですか?

本音屋:ツラくないです、としか答えられないんですけど(笑)多分その優しい人達だと、その気持ちや本音を言われた時に、自分の気持ちが乗っかって持ってかれたいとかして、ツラかったりシンドかったりするんだろうなって思って。

そんり:受け止めてはいるけど、持っていかれてはないからな。

本音屋:そうなんですよね。ちゃんと聞いてるし、ちゃんと分かってる…分かってるっていう言葉もちょっと違うんですけど、だからってツラくなるのはないんですよね。

▼何もしないという個性

そんり:今、「本音屋」の方はどれぐらいのペースで、お話を聞いてるんですか?

本音屋:一年間でだいたい100人くらいやりましたね。知り合いの知り合いから紹介してもらって、みたいな感じが続いてるんですけど。

そんり:その活動の中で、一番楽しいなって思えるのはどこですか?

本音屋:全部めちゃくちゃ楽しいんですよね、本音屋やってる時は。楽しいのにお金もらってる感覚が、すごいあるんですけど。本音って自分の中では、その人のらしさとか、個性とか、独自性が出てくる部分なんですよ。しかも殆どの人は、そこは出しちゃいけないって思ってるので、出しちゃいけないって思ってる時点で、価値があるから。そもそも本音の中身がどうこうっていうより、本音というものが存在して良いよっていうスタンスなので。だいたい本人がネガティブに捉えてる事象が、才能だったりとか、その人がすごいからそうなってることが方が多いので、本人もそれに気付くと良かったってなるんで、全部楽しくて面白いですね。

そんり:人の話を聞くのって、単純に面白いですよね。しかも聞いてるだけなのに、あっちは喜んでくれるっていう。

本音屋:そうなんですよ、不思議ですよね。こっちは本音を話す場だよって定義してるだけなので。だから感謝されるのはすごく嬉しいんですけど、感謝された時のちょっとした違和感っていうか、話を聞いてくれたお陰でって言われると、それは違うんじゃないかなって。その人は本音を話すっていう選択をして、自分で勝手に気付いたから、そうなってるだけだよっていう。なんか、そこの捉え方は自由なんですけど…って、自分は思います。

そんり:うん、わかりますよ。話すのは本人ですからね。ここは本音を話して良い場なんですよって場を提供しても、話す話さないの選択をするのはその人自身なので。こっちは場を提供してるだけじゃないですか。

本音屋:もうすごい、本当にすごい分かります。

そんり:これから先も「本音屋」を続けていかれると思うんですけど、今後また違う形に発展していかせたいなとかってあります?

本音屋:ああ、あります。自分自身は「レンタルなんもしない人」さんみたいに、なりたくて。

そんり:本当に座ってるだけ、みたいな仕事もされるんですよね?あの方。

本音屋:そうなんですよ、自分も一回レンタルさせていただいたことがあるんですけど。自分の見方的には、個性とか才能をフルに活用して生きてらっしゃる姿が、すごいカッコよくて。

そんり:その時は、どういったお仕事を依頼されたんですか。

本音屋:当時はまだ、本音屋とかやる前で。色々あって誰にも言いたくないなーって悩みを持っていたんですよね。だから誰でもない人に話し聞いてもらおうと思って、レンタルさんをレンタルしたんです。ただ、お話をする中でレンタルさんへの興味の方が途中で勝ってきちゃって、レンタルさんことをひたすら質問させてもらうっていう。

そんり:そういう部分、このインタビューでもちょいちょい出て来てますよね。ソワソワみたいな。

本音屋:そうなんですよ。もちろん自分の話も聞いてもらって、レンタルさんの話も聞かせてもらったんですけど。その時間の中で、レンタルさんがちょっと笑いそうになった時とかでも、笑わないように、スッて戻したりとかしてる姿を見て、なんて素敵な人なんだろうって思って。

そんり:はいはい。

本音屋:“なんもしない”を本気で勤めてらっしゃると思って。なんか、レンタルなんもしない人さんの仕事って、誰でもできると考えている方もいるんですけど、マジで誰にも出来ないからな!?って。本当にその時に思ったんですよね。

そんり:出来ないですよ、それは。すごいよ。その、レンタルなんもしない人さんをレンタルされて、こういう人になりたいと思ったと。

本音屋:そうなんです。なんもしない人がやりたいんじゃなくて、ああいう自分自身の個性を尖らせて尖らせて、その人自身の仕事になってるのが、めちゃくちゃカッコいい。本当にあれは絶対に、誰も出来ないと思って。で、その人にしか出来ないものって、絶対何か一つあると思ってて。自分も「本音屋」としてそうなれたら良いなって。多分、そうなれるって信じてはいるんですけど。

そんり:すごいですよね、うん。ああ、そういう意味では私は聞いてるっていうより、話してるって感覚の方が強いかもしれないです。

本音屋:ああ、対話か。確かに。面白いな。

そんり:いや中盤から立場が逆転しそうでね、そうならないように気をつけてインタビューしてるんですけど(笑)

本音屋:もう興味が…ウズウズしてきちゃって(笑)

そんり:そのお気持ちはすごく分かるんですよ。話せば話すほど興味が出てくるから、「え?今なんでそういう反応した?」とか。

本音屋:ああ!分かります!今なんでこの言葉を使ったんだろうとか、きっとこの人はこうなのかな?とか。

そんり:私は割と話を聞く時に、聞くぞ!って感じなんですけど、本音屋さんはそれが自然に出来ていてスゴイですよね。

本音屋:ありがとうございます。

▼アウトロ

そんり:もし本音屋さんがお子さんの時に、天才に憧れることもなく、お母様からのプレッシャーもなかったとしたら、「本音屋」をやっていたと思います?

本音屋:そうそれ、絶対そうじゃなかったって思うんですよね。

そんり:ちょっとこういう言い方は、嫌な思いされたら申し訳ないんだけど、いわゆる“普通”の人だとしたら。

本音屋:それはもう自分じゃないんだろうなって思いますね。

そんり:パラレルワールドみたいな?

本音屋:そうですね。それこそなんか、本音屋を始めた頃から、全部に意味があったって思えるようになったんですよね。漫画で例えると、伏線を全部回収したみたいな感じの。この物語にする為に、今までこういう伏線を張っておく必要があったから、自分には出来ない事と出来る事の差が沢山あって、沢山傷付いたりもしたけれども、最終的にこうなる為だったんだって、本音屋になった時に思いました。

そんり:そうですね。そういう伏線って誰でも人生にたくさん張り巡らされてると思うんだけど、楽しいまでいかなくても、まあそこそこだなくらいには思えないと、それを、人生に仕掛けられた罠としか思えないですしね。

本音屋:だからここに辿り着いちゃうと、このルートしかなかったような気がするんですよね。遅かれ早かれこうなってたと思います。不思議な感じです。

そんり:これ以外は考えられないみたいな。

本音屋:そうですね。もう決めたって気持ちですね。

そんり:スゴイですね。お声を聞く限りではまだお若いのに、もう自分の人生を決めてるって。

本音屋:逆に、そんりさんはいつからそんりさんになったのかなって、今めちゃくちゃ聞きたいんですけど(笑)

そんり:いやいや、じゃあそれは…お互いの本音を話し合うみたいなので、いつか何か出来るといいですね。

本音屋:普段話を聞く方なので、あまり上手く話せなかったですけど、対話みたいなインタビューにしてくださったので、話しやすかったです。

そんり:あ、あと残り時間少しですけど、何か言い残したことがあれば。

本音屋:話したいこと…逆に聞きたいことが沢山あります(笑)

そんり:それはダメよ(笑)

本音屋:確かに。本音屋を使ってもらう中でも、こっちに質問してくださる人がいると、勿体ないよって思っちゃいますしね。

そんり:そう、勿体ないから(笑)いやでも、今日はありがとうございました。

本音屋:こちらこそありがとうございました、すごく楽しかったです。頭が整理されました。きっと、そんりさんと近い部分があるからだと思うんですけど、自分の中でボンヤリとしてたものが、確信になったって感じがしました。

そんり:良かったです。

本音屋:これで良いんだなって、思えました。ありがとうございます。

〜終〜

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