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わたし(日本人)の「辛い」と、あなた(タイ人)の「辛い」

この前「こんなところにタイ料理屋さんが、あったんか!」と、チェックしたお店へ。

大きな通りから一本入ったところにある、ひっそりと佇むとても小さなお店。でもパッと見だけで「タイ料理屋」というのがわかる。タイ人が営むタイ料理屋は、基本的に「タイ料理屋」という主張がある(日本人経営の「タイ料理屋」は、なんとなくこじゃれた雰囲気)。

さて、意を決して入店。私の入店を確認すると、お店のお姉さん(タイ人)が「サワディーカー」と声をかけてくれる。店内もさほど大きくなく、4人掛けテーブルが4つ、2人掛けテーブルが4,5ぐらい。

奥のカウンターには、6種類ほどビュッフェの入れ物が並ぶ。カウンターの中には、さっき挨拶してくれた愛嬌のあるお姉さん。私がカウンターへ近づくと、お姉さんはテキパキとスープをお皿に入れ、そして大皿にご飯を盛り出した。

え?ここ、ぶっかけ飯屋か!!!!!

ぶっかけ飯屋とは、タイの屋台や食堂などでよく見かける、数種類あるおかずのなかから指差しで「これ」と言って、ご飯の上におかずをかけてもらうアレ!ランチメニューを店先の掲示物でチェックしていたものの、入って驚く。わたし、日本のタイ料理屋さんで、このスタイルやってるところ初めて訪れたかも?という興奮を隠しながらも、早速品定めへ。

ううむ、どれも美味しそう。しかしここで気になるのは「辛さ」である。店員のお姉さんに聞いてみた。

わたし「これ、辛いですか?」
お姉さん「辛くないですよー」

わたしの頭の中(なるほど。この豚のカレー?辛くないのか。その隣の辛そうなイカと細いタケノコのやつは、どうかな?)

わたし「こっちは辛いですか?」
お姉さん「ちょっと辛いですー」
わたし「ニッノイね(タイ語で「少し」の意味)」
お姉さん「そう、ニッノイよー」

お姉さんは片言の日本語だけど、愛想よく答えてくれる。それに、タイ人のスマイル、ホントにスキ。じゃぁ、豚のカレ―(辛くない)とイカとタケノコのやつ(ちょっと辛い)を頼んで、ご飯の上にぶっかけてもらう。そしてトレイにそのぶっかけ飯を置き、自分でトレイを席に運ぶ。

いざ豚のカレ―(辛くない)から食す。一口食べる。
「あ、まーまー辛いなぁ…」

ということは、イカと細いタケノコのやつ(ちょっと辛い)
「あー、めっちゃ辛いなぁ!」

タイトルから察している人、多数だと思いますが…この「辛くない」「辛い」論争は、タイ料理において日常茶飯事で起こる。あー、久々に洗礼を受けたなぁ…と思いながら、お米とまぜまぜしながら、食べる。でも、この辛さが美味しい。豚もイカもやわらかく、タケノコはシャキシャキしてる。

例のぶっかけ飯

そして、食べながら考える。これはタイ料理に限ったことではない。そもそも、わたしの「辛い」と、あなたの「辛い」は違うのである。

最近、色々な情報(仕事や社会情勢や個人的なアレコレ)を目にするたびに、ちょっとしんどかったりもした。双方の想いを勝手に感じるたびに、答えの出ない答えを求め、一体自分はどうすればいいのか、何ができるのか、と考えることが多くなってしまった。

でももしかすると、答えはシンプルで <わたしの考えと、あなたの考えは違う> ただ、それだけなのかもしれない。そして、あなたの考えに触れることで、新しい発見(この場合は、美味しいタイ料理に巡り合うこと)だってあるかもしれない(もちろんない場合もある)。

そんなことを考えながら(わたしにとっては)「辛くて美味しいタイ料理」を、むしゃむしゃ食べるのであった。

そしてお会計。私は不慣れなタイ語で、あのお姉さんに話しかけた。

わたし「美味しかったです!でも辛い、めっちゃ辛いです(笑)」
お姉さん「辛かった?ごめんなさい!また来てくれますか?」
わたし「もちろん、また来ます!」

もし、わたしとあなたの答えに相違があったとしても、お互いを思いやり、直にコミュニケーションを取ることで、分かり合えることだってあるかもしれない。直接コミュニケーションを取らないから(SNSなどのうわべじゃなくて会って話すなど)、相互理解ができないことだってあると思う。

理想論と言われるでしょうが、そんな風にあなたとわたしが尊重し合える世界だといいな、と思いタイ料理屋を後にした。

沖縄にいったはなし②は、また後日!!!

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