noteはじめます。初回は英文科出身の法務の立場から転職について語ります

はじめまして。都内の某ソフトウェア・ITの会社で法務を担当しているsonetcheeと申します。ツイッターもやってます(@sonetchee)。周りの方に触発されて、2021年になったのをきっかけに記事を書いていくぞ!と意気込んでいます。元日はお酒を飲んだりおいしいものを食べたりで、こんな時間になってしまいましたが、まだ間に合う!ということで初記事を書いています。

自己紹介

まずは、みなさまはじめましてなので、自己紹介から。
大学は英文学科出身なのですが、ひょんなことから新卒で入社した会社で特許の渉外を担当することになり、そんなこんなで法務・知財の業界に身を置いています。法学を体系的に勉強した経験はないので、この界隈ではめずらしい方?なのかもしれません。
時系列でいうと、半導体の会社で主に米国特許の渉外(訴訟対応・ライセンス交渉)→ゲーム会社で特許の権利化・訴訟、商標の調査・権利化→半導体の会社で企業法務全般→ソフトウェア・ITの会社で企業法務全般(今)、という感じです。
もともと法務のお仕事に興味があったわけではないのですが、仕事を通じてそのおもしろさに魅かれ、今も楽しく続けています。
さて、これまで数回転職を経験しているのですが、それを通じて得たもの、感じたものを記載していきたいと思います。
現職には数か月前に転職したばかりなので、まさに最近です。

石の上にも三年?

今ではそのような考え方も薄まってきたのかもしれませんが、「石の上にも三年」とよく言いますよね。実際、私が初めての転職をした10年ほど前は、あくまでも自分の周りの様子ではありますが、新卒で入社して数年での転職は多いとは言えず、転職の面接に行っても、特に大きな会社では、訝しがられることもあったことを覚えています。
当時は社会人になって数年で、視野が狭かったことも事実です。なので、知っている範囲において、「自分はこうしたい」「こういう仕事がしたい」と考えているにすぎませんでした。今となっては、「当時は考えが浅かったな~」と思います。その時点、または数年後のことしか考えられておらず、将来的にどのようなものを目指すのかは全く考えられていなかったんですよね。もちろん、若い方であってもそのようなことを考えられている方もいらっしゃると思います。ただ、あくまでも自分の経験として、考えることを記そうと思います。

さまよってもいい。ただし、何か自分の強みをもつこと

さて、若い時、特に20代の転職については、個人的には肯定したいと思います。そして、今は10年前と比べ、人材の流動化・転職への考え方は肯定的になってきていると思います。
思い返せば、1社目からの転職を考えたのは、「会社のビジネスモデルが理解しがたい」「特許の渉外だけでなく、権利化にも関わりたい」というものでした。10年後20年後のことなど考えておらず、その時点での考え・興味で動いていたのは明白ですよね。幸いにして、権利化にも関わることのできる会社に転職できたのですが、その当時は、その後「知財だけでなく企業法務全般に関わりたい」と思い再度転職するなんて思っていませんでした。
そして、再度転職したいという思いがやってくるわけですが、ここで自分の強みが何もなかったらどうなっていたでしょうか。私は次の会社で企業法務全般を担当するポジションについていたわけですが、おそらくそれは獲得することはできなかったと思います。例えば、極端ですが、1社目で知財やってました・2社目で製造業の現場にいました、とかだと。ここで転職できたのは、知財(法務)という経験と、それを通じて伸ばしていた(学生時代からの蓄積もありますが)英語力だったと思います。

転職するときはピボットで

さて、若い時の転職は個人的には肯定しますし、興味があることが変わるのもよいことだとおもいます。一方で、生活に密接にかかわる事項ということもあり、戦略的に考える必要はあるかと思います。
第二新卒であればいざしらず、年齢を重ねるにつ入れて、まったくの未経験の業種にチャレンジするのは、経験の蓄積という意味でも、給与という意味でも、デメリットが多くなってきます。そこで、転職するときはピボットで、をおすすめしたいと思います。
何かに軸足を置いて、半歩変えてみる。半歩変わったら、そこに軸足を移して、また半歩変わってみる。そのような考え方でいると、これまでの経験を活かしつつ、興味のある分野を広げられると思うんです。
自分自身、特許の渉外から特許の権利化に移動するときは、特許全般の知識が役立ちました。部内異動で特許から商標に異動するときは、知財の考え方が役立ちました。そこから法務全般に転職するときも、知財の経験は大いに役立ちました。転職先は製造業だったので。
それともう一つ。これまでの経験と将来やりたいことを貫くような、自分自身の強みをもっているとよいのではないかと思います。私の場合は、英語でした。もともと英語が好きで、英文科出身ということもあり、1社目のころから英語を使った仕事にアサインされていました。大学で学ぶ英語と、仕事で使う英語はもちろん違うわけで、実務で使うことで英語力はぐーんと伸びました。そうすると、転職の時にもアピールできます。「知財の経験はまだまだだけど、まぁまぁわかっている。でも英語力は既存社員よりすごい」みたいな感じになるわけです。法務なら契約書を作るスキルだったり、営業であれば交渉のスキルだったり、職種職種で求められるスキルは違うわけですが、職種を超えた自分なりの強みのようなものを身に着けられると、上記のように「職種のスキルでは劣るけど、既存社員の弱みをカバーしてくれる人材」になれるわけです。縁あってそこに入ることができれば、自分の強みを提供しつつ、職種のスキルは先輩方から吸収する、ということが可能になります。

転職後は早めにインパクトを残す

無事に転職できたとしてまず大切なのは、早めにインパクトを残すということです。小さなことでもよいので、「こいつは期待通りだ」「次の仕事も任せて大丈夫そうだ」という印象・信頼感を周囲にもってもらうということです。
これができるとできないとでは、今後の社内での立ち位置・仕事のしやすさ・仕事の幅の広がりが大きく異なってきます。周囲に信頼してもらえれば、主張を聞いてもらいやすくなり、仕事がしやすくなりますし、より興味のある仕事や大きな仕事も任せてもらえる可能性が高まります。なので、私は、入社後は特に、意識的に手をあげたり、いつも以上に報連相を意識してアピールするなど、存在を知ってもらったうえで、小さなことでも成し遂げる、ということを意識しています。
特に、今後はリモート勤務と出社が併用されていくようになると思われます。常に顔を合わせることができれば、人となりのよさや親しみやすさというソフト面で周囲と溶け込むこともできますが、リモートで顔が見えない状況だと、より結果が重視されてしまいます。なので、社内での存在感を確保するという意味では、今後はより早期に何らかの成果を出すことが重要になってくると思われます。

上司はできるだけ選べ

最後に、自分が会社選びの際に重視しているのは、一緒に働く方、特に上司をきちんと選ぶということです。採用面接は双方向ではありますが、実際は、合格がほしいあまり、どこかの部分を妥協してしまうという方もいるのではないでしょうか。その一つが、年収ややりたい仕事を確保したいあまり、面接官にやや違和感があっても目をつむってしまう、ということだと思います。
あくまでも個人的な考え方ですが、個人的には、上司はマジで選んだ方がいいと思います。いくら仕事が優秀な方であっても、性格的に合わないというのは起こりえます。それを乗り越えられる覚悟があるのであればいいのですが、私は心が強い方ではないので、まず無理です。
だって、上司は自分を評価する立場だし、一緒に仕事をする方だし、合わないよりも合う方がいいに決まっています。こちらが感じていることはおそらく相手も感じていて、フィーリングが合う方がお互いにハッピーですよね。なので、私は、いくら経歴がすごくても、給与がいくら高くても、面接官が合わないな、と感じた会社はお断りするようにしています。おそらく、長い目で見たら、合う上司と仕事をした方が、仕事の幅も広がるし、待遇もよくなってくると思うんです。そして、これは、会社が人材を選ぶ際も同じだと思います。

以上、転職について自分が考えることをそのまま書いてしましました。初回のテーマは何にしようかと思ったのですが、直近で転職をしたということと、コロナ禍で働き方も変わってきているので、そのようなことを書こうかな、と思った次第です。今後は法務の仕事のことも、気ままに書いていきたいと思います。

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