おまえは今までに触れた言語の数をおぼえているのか?

そーにゃです。

自分が次に4年生になるのだという事実から目を背けて悠々自適に言語に触れる生活をしています。しかし単調で語学以外の彩りがない日々に多少の辟易を覚えてきたこの頃。何か無聊を慰める方法はないかと思案したところ、ここらで今までに自分が勉強してきた言語についてまとめてみようという気分になりました。

自戒も兼ねて主に大学入学以降の自分の言語状況についてつらつらと書き連ねていきたいと思います。


1.ロシア語(印欧語族スラヴ語派東スラヴ語群)

大学で専攻している言語であり、高校2年生の時にその響きの美しさを知って以来ずっと情を持っている言語。大学に入る前にキリル文字といくつかの挨拶や単語くらいは覚えていたが、本格的に勉強し始めたのは大学の授業が始まってから。合宿免許にも教科書と辞書を持っていったりするなど一番物理的に触れてる時間が多い。学習歴3年に見合う能力がついているのかは甚だ怪しいところではあるが、それなりにロシア語の文章は読んでいるつもり。ロシア語劇団やロシア民謡研究会、ロシアサークルなど授業外でも様々な形で関わっており、生活の一部と言える。


2.ペルシア語(印欧語族インド・イラン語派西イラン語群)

イランの国語であるペルシア語。勉強しようと思ったきっかけは1年生の春学期に受けた27言語リレーのペルシア語の回(春学期の一番最後の週)で、一年生のうちにニューエクスプレス+を買い暇な時間に眺めていた。(当時既にアラビア文字は習得済み)。2年生の春・秋学期に1コマだけ聴講したがいくつか文法と単語を覚えただけであまり身には付かず。本格的に勉強を始めたのは2年生の秋学期後で、ペルシア語文法ハンドブックをなんとか独力で一周し文法の概要と多少の単語や表現を頭に詰め込んだ。3年生の春学期には地域言語cとして4コマ(うち1コマはネイティブ)を履修登録し、復習がてらペルシア語に触れていたが秋学期にはめっきり触れる時間が減ってしまった。春休みに入った現在、少しずつ触れる時間をとるようにしている。


3.イタリア語(印欧語族イタリック語派ロマンス諸語南ロマンス語)

イタリア語は2年生の春から教外(二外)で履修した。その前の春休みに予習がてら文法書を買って自習しており、初級文法の範囲では大きな苦労はなかった。しかし3年生以降の上級のクラスでは急にレベルが上がり、また時間割の都合上文法のクラスを取れず会話のクラスのみ、しかもそれがオンデマンド形式で授業は数週間に1回のみ、という状況で、授業やイタリア語それ自体へのネガティブな感情が発露。なんとか春学期を終えたものの秋学期には同じことをする気力がなく履修を辞めてしまった。今現在はそのような気持ちも薄れ、少しずつ思い出すように勉強をしている。文法事項としては接続法あたりまで進んでおり、イタリア語検定3級を近いうちに取りたいと密かに願っている。


4.アラビア語(アフロ・アジア語族セム語派中央セム諸語)

これまた2年生の春から教外として履修。文字自体は一年生の頃に覚えており、暇なときに書いてみたり単語を綴ってみたりと全くの初めてという訳ではなかったが、本格的に文法や単語を勉強するのは授業が始まってから。受けてみると耳馴染みのない響きのオンパレードで単語が全然覚えられず、予習・復習をしっかりする時間もあまり取れなかったためあまり授業について来れているとは言い難い状況であった。秋学期も履修し合計4コマ分の授業を経たもののあまり身についてはいない。しかし他の言語のアラビア語由来の単語の意味を取れたりとそこそこ役には立っている。時間を見つけて進め直したい。


5.ヒンディー語(印欧語族インド・イラン語派インド語派中央語群)

ヒンディー語は2年生の秋学期に一コマだけ履修していた。最初の方はデーヴァナーガリーを覚えるためにひたすら写経をしており、それから少しずつ文法に入った。授業は文法の説明よりも映像を見たり聞いたりする割合が高く、あまり進まず。やはりここでも単語を覚えるのが億劫で、なんとなく大枠をなぞるくらいで終わってしまった。デーヴァナーガリーはまだ大体覚えているのでまずは一通り文法事項を頭に入れたい。


6.ウルドゥー語(印欧語族インド・イラン語派インド語派中央語群)

こちらは3年生の春学期に履修していた。文法はヒンディー語と同じで、かつアラビア文字は解していたためこちらは比較的接しやすかった。アラビア語・ペルシア語からの借用も見られ、それも学ぶ楽しさの一つであった。ニューエクスプレスの12課あたりまで進んだ記憶がある。今でもヒンディーと一緒にごくたまに触れてはいるが、もう少し腰を入れたいところ。


7.エストニア語(ウラル語族フィン・ウゴル語派バルト・フィン諸語)

これは今までの言語とは違って授業はなく、ほぼ独学で勉強してきた。1年生の終わり頃からなんとなくエストニアへ対する憧れやエストニア語への興味を抱いており、2年生の夏に旅行でエストニアを訪れた時から勉強しようと決意をした。フィンランド語を学んでいれば多少は勉強しやすかったのかもしれないが、生憎ほぼ初めてのフィン・ウゴル諸語でなかなか文法事項や単語が覚えられず…また辞書がとんでもなく引きにくい仕様となっておりボコボコに殴られながら少しずつ教材を進めている次第。ロシア語で書かれたエストニア語の学習書と辞書を現地で調達し、それも活用をしている。また昨年秋に2回にわたってエストニア語の講座が開講されており、そこへ参加して表現や現地の文化を学んだ。最近触れられていないので落ち着いたらまたトライしたい。文法事項としては一通り格語尾やその用法には触れた(かなり忘れてしまっているが)


8.タタール語(テュルク諸語キプチャク語群)

これは自分の中でかなり新参の部類に入る言語である。主に某タタ村さんのお陰で「タタール」という言葉には馴染みがあったが、勉強しようと思ったのは外大で2020年の秋学期に授業が開講されると知ってからであった。日本語で書かれた学習書がなく、授業が始まる前はロシア語のサイトで挨拶表現やいくつかの単語を調べたりするに留まっていたが、授業が始まってからは授業内で使用する教材の予習・復習やスクリプトのリスニングなどそれなりに力を入れたつもりである。この休み期間中に講師の方が勉強会を開いてくださっており、授業で扱わなかった部分の補完をしていただいている。


9.ハンガリー語(ウラル語族フィン・ウゴル語派ウゴル諸語)

これは2年生の春学期にとっていた。実は初めてニューエクスプレスを買ったのはハンガリー語であり、一年生の頃はロシア語の次に興味を持っていた。初めて母音調和という概念と出会ったのもこの言語である。いざ授業が始まると、あまり膠着語向いてないな、などと思った記憶がある。2年生以降全く手をつけていないので時間ができたら一通り文法をさらいたい。


10.ブルガリア語(印欧語族スラヴ語派南スラヴ語群)

これも2年の春学期に授業を取っていた。ロシア語以外のスラヴ語を何か一つ勉強したいと思って手を出し、流れでブルガリアへショートビジットに行くことにもなった。さぞかし上達したのかと思いきや、ロシア語に似ていることが仇となって逆に心理的な距離が生まれることに。それが留学真っ最中だったのでさあ大変。ブルガリアでイタリア語やらペルシア語やらを勉強することで精神を保っていた。現地で買った本を見ると、単語の意味は推測できるけれど文構造が取れない、ということが頻出する。もう一度行けるならちゃんと学び直したい。


11.ラテン語(印欧語族イタリック語派ラテン・ファリスク語群)

これも2年の春学期に取っていた。文を読むのがパズルみたいで面白いと思った記憶がある。名詞や形容詞の変化タイプは生半可な気持ちじゃ覚えられないという反省、いくつか並行して学習する言語sの一つにしてはいけない。半期しか経ってなくてあまり文法事項はさらえてないうえに活用・曲用もほとんど忘れてしまっている。やらねば。


12.ドイツ語(印欧語族ゲルマン語派西ゲルマン語群)

3年春学期に教外で取っていた。正直あまり肌に合わなくてやる気が出なかった。エストニア語やるならドイツ語もやらなきゃいけないとは重々理解している。前置詞あたりでうう…となった記憶。あと名詞性が覚えられなかった。


13.中国語(シナ・チベット語族シナ語派)

これも3年春学期。2コマ取ってたうちの1コマは指定されたものと違う教科書を買ってしまって、先生に当てられるたびに必死に拼音を調べて答えていた。ほぼほぼ身についていないが、発音の規則はなんとなく頭に入ったのでヨシ(良くない)。漢字が好きで、中国語の文献にアクセスしたいと思っているのでいつか学習を進めたい。


14.キルギス語(テュルク諸語キプチャク語群)

これも3年春学期。母音調和がしっかりしてて面白かったのと先生がネイティブの方なので色々と質問ができて良かった。テュルク諸語の中ではかなり受け入れやすかった部類。ただし単語を調べるのはかなり苦労した。紹介される例文も結構多かったのでそのあたりもありがたかった。しかし今絶賛タタール語を勉強中のせいもありほとんど単語が頭に残っていない。タタール語と比較するのも面白そうなので近いうちに復習してみようと思う。


15.ベンガル語(印欧語族インド・イラン語派インド語派東部語群)

2年生の秋学期に取っていた。デーヴァナーガリーとベンガル文字を同時期にいっぺんに覚えようとしていたせいで気が変になりそうだった。なんとか基本の文字は覚えられたが結合文字が本当に覚えられなかった。ニューエクスプレスを使っていたがあまり文法は進まず。同じクラス内に既習者と初習者がいてそれぞれ別のことをしていた(先生は一人)のでしょうがないといえばしょうがない。音の響きがかなり好きで、最後の授業で聞いたタゴールの詩の朗読はとても流麗で美しかったと記憶している。文字も忘れてしまっているものが多いので復習がてら文法事項を一通り見ていきたい。


16.カザフ語(テュルク諸語キプチャク語群)

2年生の春学期に取っていた。自分にとって初めて触れたテュルク系の言語で、最初はその響きや文字をあまり受け付けなかった。今ならもう少し興味を持って接することができると思う。機会があればもう一度授業を受けたい、あと学習書が欲しい。翻訳サイトなどが比較的充実している気がする。


17.パシュトー語(印欧語族インド・イラン語派東イラン語群)

これは3年の春に取っていた。3年生以降で取れる「選択科目」に分類されるもので、ペルシア語やウルドゥー語専攻の人が多かったと記憶している。面白かったのは面白かったが取り立てて単語を覚えたり文法を覚えようという気にはならず…いくつか挨拶表現や文法事項は頭に残っているので余裕ができたらもう一度見てみたい。


18.古典ヘブライ語(アフロ・アジア語族セム語派カナン諸語)

これも3年の春に履修していた。かねてよりヘブライ語には興味があり、いい機会だと思ったものの授業内ではほぼ文法に触れず…授業の内容は面白かったが語学という感じはあまりしなかった。幸い授業で覚えた文字はまだ頭に残っている。ニクダーがよくわからなかった。時間がある時にアラビア語と並行して進めたい。


19.アムハラ語(アフロ・アジア語族セム語派南エチオピア諸語)

これも3年の春。初ゲエズ文字&初放出音。アラビア語と同根か借用だなって単語もちらほらあって楽しかった。放出音の習得といくつか文字の判別がつくようになったくらいで身についてはいない。


20.タミル語(ドラヴィダ語族南部ドラヴィダ語派)

これも3年春学期。とあることがあって授業へのやる気を一切失って、ほぼ手をつけていない状態。文字くらいは読めるように練習したい。


21.クルド語(印欧語族インド・イラン語派イラン語派西イラン語群)

これも3年春学期。単語や表現がペルシア語と似ていて勉強するのが楽しかった。身についてはいないが文法書は買ったので授業で説明がよくわからなかったところや単語を補完していきたい。ペルシア語より活用が複雑で覚えることは多かった。あと教材がカラーの写真付きで良かった。


22.マリ語(ウラル語族フィン・ウゴル語派フィン・ヴォルガ諸語)

これも3年春学期。オンデマンド授業。エストニア語と同じウラル語族に属する言語で、タタール語や周辺の言語と言語連合を形成しているそう。あまりがっつり学べなかったので、pdfを参照しながら自習したい。階程交替とかあるのかな。あとウドムルト語にも興味がある。


23.トルクメン語(テュルク諸語オグズ語群東オグズ諸語)

これは2年生の秋学期に取っていたもの。カザフ語に続いて2度目のテュルク系言語。ペルシア語系の語彙が多く比較的受け入れやすかった。母音の長短の区別がややこしかった印象。最近出た新しい教材を買ったので復習がてら見ていきたい。


24.古典ギリシア語(印欧語族ヘレニック語派)

これは2年生の春学期にとっていたもの。当時キャパが足りなくて途中から行かなくなり、落単した。古典ギリシア語とラテン語同じ時期に受けるのはしんどいなぁと痛感した。冠詞が2つ連続するのとかも最初見た時訳がわからなかった。しかしラテン語と同じく文をパズルのように読み解くのは楽しい。最近出た「しっかり学ぶ古典ギリシア語」を買って、ぼちぼち触れ直しているところ。


25.コリマ・ユカギール語(古シベリア諸語ユカギール語族)

これは2年生の春学期に受けたもの。外大名物、話者数よりも学習者数の方が多いことで有名だった授業。古シベリア諸語に触れるのは初めてで文法を見ていくのはすごく楽しかった記憶。残念ながらいくつかあいさつ表現を覚えているだけでほとんど忘れてしまっている。どちらかといえばチュクチ語とかニヴフ語とか、他の古シベリア諸語への興味の方が高まっている。暇な時にロシア語でアクセスしてちょっとした文法解説でも読んでみるか、という感じ。


26.トルコ語(テュルク諸語オグズ語群西オグズ諸語)

これも授業などは取らず、一時期独学で触っていたもの。テュルク諸語の中でも比較的新しく勉強を始めた言語。ペルシア語・アラビア語からの借用語だったり他のテュルク系言語で耳に馴染みのある語が沢山あって勉強はしやすかった。動詞に色々くっつけていくの楽しい。あと英語のキーボードでçが出せるならşも出せるようにしてほしい。最近触れてないけど、タタール語の単語の語源とか調べると大体トルコ語出てくるから多少それで吸収している。そろそろ再開するか、という感じ。


27.フランス語(印欧語族イタリック語派ロマンス諸語西ロマンス語)

絶賛勉強中。1年生の一番最初、教外取ってみようかなみたいな軽いノリで一回授業を受けて、「これは今履修したらキャパが終わる」という直感のもとに今まで触れることなくやってきた言語。黙字とリエゾンやらアンシェヌマンやらで正気か?って思いながらちょっとずつ進めている。動機もなくなんとなくで始めたのでどこまでモチベーションを保てるかは不明。


いくつか忘れているものもあるかもしれませんが、書き出せるだけ書き出してみました。もちろんそれぞれの言語に対して思うところや思い出なんかももっとあるのですが、キリがないのでこの辺りで。この程度で「勉強した」とは言い難いだろうと思うものもあるのですが、まあそこはご愛嬌ということで。

こうして書き出してみると東南アジアの言語に手を出したことないなぁとかいっぱい手出してる割に全然身についてないなぁとか色々な気づきがありますね。あと意外とメジャーな言語で触れてないやつ多いとか。

言語というものに対して真摯でありたいとは常々思っているんですが、なかなかこの有様では真摯とは言えないですね。自戒。

こんなにも好き勝手に言語に塗れた生活を送れるのは大学生の間だけだと思うので、残り何年かは知りませんが興味の限り食指を伸ばしていく所存であります。

以上、駄文失礼致しました。

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