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Z世代エッセイとSF小説の往復

今週、読んだ本は、2冊だった。
毎朝、仕事の前に、SF小説とエッセイを読んでいた。

1冊目は、 『世界と私のA to Z』竹田ダニエル

アメリカのZ世代の今を描いたエッセイ。
正直、あまり知らないアーティスト名とかがけっこう出てきて、この人どんな人なんだろう?と、調べながら読んだ。

以下、気になった箇所。

Z世代的価値観」とは何か?それは、膨大な情報量と「繫がり」を駆使する能力を持ち、自分たちの世代で物事を変えていこうという当事者意識を持ったことによって生まれた新たな価値観である。p7

『世界と私のA to Z』竹田ダニエル

ちょっと曖昧な定義にも思えるが、まぁ、なるほど、という感じ。

膨大な情報と「繋がり」を駆使する能力と当事者意識。


高いブランド物よりも一点ものの古着や、価格は高くなくとも個数が限られている商品の方が価値があるとされ、単にブランドのロゴがあればいいというわけではない、というところにも Z世代特有の「コミュニティ意識」が大きく影響していると考えられる。誰からも「かっこいい」「羨ましい」と思われるようなイメージではなく、自分、そして自分が選んで所属しているコミュニティの中で価値のあるイメージを重要視するのだ。だからこそある属性の人が見た時に感じられる「テーマ・世界観の統一感」、そして「共感・アプローチのしやすさ」が重要になっている。p125

『世界と私のA to Z』竹田ダニエル

個性が大切、でも共感も大切で、世界観や統一性が理解できるコニュニティの存在が重要になってくる。

LGBTQへの言及も随所にあり、この本を世界観を通して、Z世代のカルチャーや意識を少し垣間見れた気がする。

知らない世界を少し知れた気がする。

2冊目は、 『嘘と正典』小川哲

表紙にマルクスが載っていて、気になるなぁ、、と思って見ていた。
雨トークで紹介されていた『君のクイズ』を読んで面白かったから、もう一冊くらい読んでから、直木賞を受賞した『地図と拳』(600ページ越え!)に挑戦しようかと思った。

なんで、マルクスを小説の題材にしたんだろう?と思って、著者経歴を見ていると、東大大学院の総合文化研究科で表象文化論を先行していたとのこと。

工学部に入学、からの教養学部に文転。卒論は「中上健次」、修論は「アラン・チューリング」について書かれたらしいです。

本の感想は、ブクログに書いたメモをそのまま貼っておく。

『嘘と正典 (ハヤカワ文庫JA)』の感想

『君のクイズ』を一気に読んで他の作品も読みたくなった。表紙にマルクスの顔が出ていて、どんな小説だろうと思ったことが、きっかけ。

何やら、マルクスとエンゲルスの出会いを阻止することで共産主義の消滅、を企むSF小説を含む短編集らしい。

特に『ひとすじの光』と『嘘と正典』が良かった。

『ひとすじの光』は、ウルっときたな。。SF要素は強くなかったが、歴史、時代、血縁、の要素が縦の軸で繋がり、一気に広がりを感じた瞬間に涙が出た。

『嘘と正典』は、次の展開が気になり過ぎて、仕事の昼休み中も読んでいた。壮大な物語。

今まで、正直、SFって読んでこなかったけど、良さがなんとなく分かったような気がする。
自分にとっては新しい読書体験だった。

おわり。


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