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モータウン以前のデトロイト

とあるポップス史の本。

モータウン以前の時代について「音楽産業にゆかりのないデトロイト」って書いてた。


デトロイトはモータウン以前に音楽産業にゆかりがない?

いやいやいやいや。

ジョン・リー・フッカー!

最初のシングルリリースは1948年。

この事実だけでデトロイトが音楽産業にゆかりがないことがないってなるでしょ。


それ以前に音楽産業にゆかりのない場所が急に発展することなんかあるのか?

音楽文化が発展するには必ず理由があると思うので、デトロイトの音楽史を軽く紐解いてみる。


デトロイトが発展し始めたのは1825年のエリー運河開通でニューヨークと結ばれたので、働き手がいっぱい行けるようになったんだと。

人が集まれば音楽も集まる。

19世紀後半にはオペラの劇場ができたり、デトロイト交響楽団ができたり。

20世紀前半はJerome H. Remickって人が音楽出版社を設立してて、ヒットを飛ばしまくってた。

既に音楽産業あるじゃんねぇ。


1910年代には南部からアフリカ系アメリカ人の大移動が起こってる。

これは音楽史において一大事件で、カントリーブルースや初期のジャズがニューヨーク、シカゴなど大都市に移動して発展していくきっかけになってる。

デトロイトも移動先に含まれてるので、ブルースがすごいことになっていく。

Black Bottomっていうアフリカ系アメリカ人が多く住んでた地域のクラブでブギウギなピアノのブルースが演奏されてたそうな。

ただ、レコーディングに関しては確立されてなかったので、ミュージシャンが録音するときはシカゴまで行っていたそうな。


1920年代はヴォードヴィルでブルースが歌われてた時代で当時のスーパースターがツアーでデトロイトを訪れているし、1930年代になれば著名なビッグバンド(デューク・エリントンやカウント・ベイシーなどなど)も公演をやっている。

1940年代に第二の大移動の波が来て、デトロイトにやってきたのがジョン・リー・フッカー。

フッカーなどのミシシッピデルタのブルースがデトロイトで発展してシティブルースになっていく。


ゴスペルも盛んみたい。

1940年代にThe Detroitersというゴスペルグループが生まれたり、幼少期のデラ・リース(後にマヘリア・ジャクソンに見いだされて大ヒット)、幼少期のアレサ・フランクリンがデトロイトでゴスペルを歌っていた。


1950年代のロックンロールに関しては Hank Ballard & the Midnightersのヒットやロカビリー歌手のJack Scottのヒットがある。

Jack Scottはロックの荒々しさとカントリーを融合させた初期の人物だと言ってる人もいるそうな。

あと、ビル・ヘイリーはデトロイト育ち(バンドはフィラデルフィアで結成されたけど)。


モータウン登場以前は1946年設立のFortune RecordsというレーベルがR&B、ソウル、ブルース、ドゥーワップなどのレコードをリリースしている。

1955年にThe FalconsというR&Bのグループが結成されて、1960年にウィルソン・ピケットが加入してる。


さて、大雑把にデトロイトの音楽の歴史を見たけど、19世紀後半から音楽産業が興っていたことがわかった。

そんでこういう土壌があったからモータウンが生まれ、P-Funkが生まれ…

イギー・ポップ、MC5、グランド・ファンク・レイルロード、アリス・クーパー、スージー・クアトロなどのロックもあり…

ハードコアやテクノ、ヒップホップも出てきちゃう。

音楽的に懐がとんでもなく深い。


大都市が一つできれば産業が盛んになって、その都市の音楽シーンが生まれる。

やはり音楽が生まれるには理由があると改めて思った。


しかし、あの本…

あんなテキトーなこと書いて書籍化できるってやべぇな。

その本が何なのかは絶対に書きません。

あの本だなとわかっても何も言わないでください。



今回参考した記事

https://en.wikipedia.org/wiki/Music_of_Detroit

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