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バントスピリット(モダン)調整記録と戦略、兄弟戦争シーズン

以下は個人的な記録です。

これまでのモダンのスピリットに関する記事:

1.変遷

しばらくMOから離れていて、再び苦行(MOリーグ)に手を出したのが今年の10月。
どうしてこういう構成にしたのが思い出せないが、スタート地点は以下の通り。ちなみに今回も目標はモダンリーグ5-0&チケット破産しない程度に環境で戦えるリストを作る事です。

2022.10.13

たいしたこだわりはなかったと思うが、多分ツイッターでBR Scam (ラクドス想起)が隆盛しているという情報を得ていたのでルーンとか綺羅とかトラフトが入っているのだと思う。

部族デッキ村はこいつに焼かれた
“《不快/Uncomfortable》”

その後、謎のリストで色々挑むも沈没。

10.15
10.23

やはり想起生物がどう考えてもきつすぎて、ルーン・ブレンタン・ヴェクではどうしようもなく。
と言う状況だったのだが…意外な所に突破口が。

10.27
Fury/Grief/Voidwalker/紅蓮術士を一枚で。

こいつ、めっちゃ強い!!!!!!この時は2枚しか入っていなかったが、BR Scamに対してとても強い事を確認。
Fury、Grief、紅蓮術士どれをコピーしても強いし、それがバイアル2からインスタントタイミングで出る。
勿体ないがVoidwalkerをコピーしてブロックしたりもできる。
ポイントとしては、相手は想起でハンドを犠牲にして盤面展開しているのに対して、こちらは1枚これを出せばいいだけなので、単純にカード枚数のアドバンテージが取れる事になる。

すぐに増量して以下のリストで遊び始めた。ちなみにメモによると、アゾリウスなのはバントスピリットの船乗りの枠をルーンにするというアイディアを試したかったとかなんとか。ルーンで守るからドラグスコルじゃなくて至高の幻影だけでなんとかするという事らしい。

11.3

が、勝てない。
当然だけど、アドバンテージ源を探訪だけに頼っているので、ルーンとバイアルだけがハンドに来る、みたいな事があるので、そりゃそうだ。
アゾリウスでは限界を感じたので、昔のリストを引っ張ってきてバントにしてみる。

11.7

このリストは結構楽しかった記憶で、

だそうです。
そして、

11.13

ということで、「幻影の像が強い」→「幻影の像を4枚入れるなら、ドラグスコルコンボ(ドラグスコルの隊長並べるやつのこと。ドラコン。)を積極的に狙ってくのは良さそう」、という発想からこんな感じに。

このアイディアは正しくて、現在の最終形のコンセプトもベースはこの考え方。
昔のスピリットのリストでは当然幻影の像4枚入っていたので、原点回帰という感じ。(昔の人は素晴らしい。)

これに気付いてからはそこそこ勝てるようになってきて、4-1も何度かできるように。
チケットも微増し始める。

最後のリストは鎖鳴らしを4枚にしたもの。

11.28
頼りないがいいヤツ。

今更だがこのデッキのアド獲得手段は乏しいので、1:1交換は基本的にはこちらが損
こいつを呪禁付与で除去に合わせると着地時点で0:1交換なのでこいつは貴重な“アド源”とはっきり意識すべきだなと思い始めたのがこの頃。
さらに、

  • こいつでドラグスコルを除去から守り、次ターンドラグスコルコンボ完成

  • こいつが出てる時に相手エンドにドラグスコル、返しに幻影の像かドラグスコルでコンボ完成

という事ができるので、今のコンセプトとも合致している。

特にこの頃「積極的に鎖鳴らしによる呪禁付与トリックを成功させてアドを稼ぐ」というプレイが(除去が多い相手には)有効と認識する。
つまり例えば
T1(nターン目をTnと書く)にバイアル、
T2にハンドが至高の幻影、鎖鳴らし、という場合に、相手が除去を構えていると判断できる場合、エンドで鎖鳴らしを雑に展開せず、次のターンまで待ってから、エンドにバイアルから至高の幻影、鎖鳴らし構え、次ターン以降はバイアル2からいつでも鎖鳴らしを出せる状況を作って他のカードを展開していく…というプレイングが重要に見える。(これについては下記「基本的な考え方」参照。)

ところで、このあたりで配信中のYungDingoさんにマッチする(1:18くらい~)

チャット欄が辛辣で面白かった。「モダンのスピリットw」「バントスピリット、お前は間違ったフォーマットにいる」「コイツちょっと前に俺も当たったわ。多分デッキこれしか持ってないhardcore spirit grinderだよ。」等。

…が、調子が良いのもつかの間、環境が変化するにつれだんだんとまた勝てなくなってくる。要はデッキ自体が強いわけではないので、少し環境や相手のデッキが変わるとすぐ駄目になるのはもう仕方がない。

↑とうとう0-5も実現。

↑各地からのお褒めの声。

船乗りを試したり…

12.9

Soul Partition(2マナ追放、再び唱える時2マナ要求)を試したり…

12.9

メインにprismatic endingを試したり…(なんと放浪者を抜いている…)

12.?

色々試してみるが、全然ダメ。コツコツ貯めていたチケットは融解。
この時点で何が辛いのか・何がいいのかをまとめてみると、

  • 放浪者と呪文捕らえとカンパニーがURにあまり強くない。

  • 基本的に1:1交換するカードは弱い→prismatic endingも弱い。その点、ブレンタンは2つ役割がある(ラガバンを疑似除去+スピリットを守る。)のでこういうのは強い。

  • 教主がFuryでまとめて焼かれるのでT1で出して仮に生き残っても強くない。レン6に激弱。→でも、教主がいないとツーアクション(特に、5マナ出せる状態にしてドラグスコル+幻影の像)は取れないのが困るし、カンパニーが打てない。教主が焼かれるからという理由で玻璃池を入れたりしているのは果たして理にかなっているのか疑問。

  • 呪文捕らえが強くない。(URに対しては言うまでもなく、独創力はX=2で打たれる。)

  • リソース回復手段がカンパニーだけなのは大丈夫なのか?

  • ドラグスコルコンボを決める方向性は合ってそう。

  • 幻影の像は強い。

という感じ。特に教主に関しては、教主の力でツーアクションを起こして頑張って展開してもFuryで一掃されてしまうという、明らかにおかしい事は理解していたのだが、横に展開しないと勝てないデッキな以上、血を吐きながら入れざるを得ないという悲しい状況にあった。
少なくともFuryが下火になるまでは休憩しようかな、と思いもしたのだが、万策尽きた頃にアイディアは転がってくるもので…。

前の環境のバントスピリットでキーとなったのがエスパーの歩哨。

かつては世話になった。

しかしFury庭かける環境でこれを出す勇気はあらず。
ただこんな感じで1マナでリソース不足を防ぐ方法があれば…とDecked Builder検索を繰り返していた頃にたまたま誰かのツイート(ごめんなさい、忘れました)で流れてきたのが形成師の聖域

イクサランは面白いカード多し。

このカードはFuryに強く、エスパーの歩哨の役割を果たすのでは…?
どうやらパイオニアでは結構使われているカードらしい。
しかしバイアルと同居するのはやばくないだろうか、という事で試しにバイアル3、聖域3で実験してみたのが以下。

12.23

↑ではBRに負けてはいるけど、体感強い!
バイアルと合わせて6枚にしていたのは初手50%でどちらかを置きたいため。

4ドローの図。このドローに再び幻影の像が来たので、再びFuryができた。
隊長を過保護する図。

(ちなみにこの時に再びYungDingoさんと当たって(聖域が活躍しているというわけでは無かったと思うけど)なかなか面白い試合↓をした。 1:44くらいから。)

これを改善したものが以下。(2枚刺しばかりで意味不明。)

12.24
対カスクラ、幸福度の高い盤面。

これはデッキがかなり面白くなったが、まだまだ問題点は多く。
それが上で述べた「教主が弱い」という所。
「教主が弱いが、抜くとカンパニーが入らない、カンパニーを抜くと、リソースが足りなくなる、なので、教主は抜けない」
というジレンマが聖域一つでは解決してくれず。

そこで、素直にリソース回復手段を入れたら?
という事で、思いついたのが次の3枚。

これと…
これと…
これの3種類だ…。

しかもこれらが入ればピッチをうまく使えるのでは?という発想から、正月休みをこんなもんに消費していいのか?と首を傾げながら実験。
まず航路の作成。

その1

次に探訪。

その2

次は反復(!?ちなみにラガバンと反復は1年前に買って漬物にしていたものを使用。)

その3

案の定全然ダメだったが、この中で航路の作成については特にサイドカードやFoNのピッチコストを探してこれるのが強そうだとなった。
が、打ち消されるURにはともかく、他のデッキにはやはりバントの展開力が無いのは辛め。また、聖域は面白かったので捨てるには惜しい。

…が、ちょっと待て、
航路の作成を入れれば教主無しでもカンパニー入れられるのでは?????
ということで、

12.28

これは上の方に書いた問題点を机上の上ではかなり解決していそう。
当たりが偏っていてあまり参考にならないが、デッキの動きはかなり想像していた通り。特にコンボデッキ等の欲しいカードが明確なデッキ相手に、ドロースペルでキーカードを探す感覚は今までのスピリットに無かったので、とても気に入った。

航路の作成は強かったので増量したのが

12.28

続唱系・果敢が増えているので、チャリスとスフィアをサイドに入れてみたものが、以下のもの。
チャリスについてはT2に航路の作成からX=0で打てるのが良さそうに思えるが…。

12.29

新幹線で帰省中にこれでリーグにジョイン。

うおおおおおお!!!
やった~~~~!!!
正直最後の果敢についてはたまたま2試合ともチャリスを引っ張ってこれただけなので、普通にやったら負けるマッチアップだと思うのだけど、ラッキーだった。

5-0の結果は嬉しいけど、どちらかというとスピリットのいくつかの問題点が、(正しいかはともかく)理屈の上でそれを解消するアイディアが出せた事が嬉しいかもしれない。

色々な人が褒めてくれて嬉しかった。ありがとうございます。

2.戦略

改めて、以下は個人的なメモです。

2-1.基本的な考え方

まず、スピリットデッキの基本的な考え方と意識しておくべき事を述べると、

①クリーチャー1体1体の強さがモダン最弱級

例えばドラグスコルの隊長に関しては3マナ2/2飛行準バニラ、至高の幻影も2マナ1/3飛行準バニラ。吹けば飛ぶ奴らが身を寄せ合っているのがスピリット

②1:1交換は1:0.5交換みたいなもん

①より、相手のカード1枚分の価値が自分のカード1.5枚分の価値がある事も多いので、その意味で基本1:1交換は損をする事になる。さらに、こちらはリソース獲得手段に乏しいので、1:1交換を繰り返すとどんどん不利になっていく。

スピリット2枚分の価値のあるカード例

"逆ジャンド"であり、"タルモゴイフや包囲サイの入ったデッキ"ではない事は意識しておくべき。サイドに単除去を入れたい誘惑にかられることがあるが、
この事情から、何にも考えずに入れると基本的には弱くなってしまう。(勿論入れて強いマッチもあるので難しい。)

③1体づつ順番に戦場に出て順番に殺されない

①と②から、放浪者→除去→幻影→除去+展開→ドラグスコル→除去+展開→…
みたいな流れが最悪。
相手からすると1:1交換は願っても無いので、こちらはそれを避けるプレイングをする必要がある
(かえって伝わらない例え:これはスプラトゥーンと同じ。自チームの人数が少ない状況で中央へ突撃→1:複数が作られて、死ぬ→その間にリスポーンした味方が待たずに中央へ→1:複数が作られて、死ぬ→…、というのがスプラトゥーンの王道負けパターン。)

④鎖鳴らし・ドラグスコルの隊長・無私の霊魂によるトリック

③を受けて、ではどうすればいいかというと、コレを狙う。変遷、のところで書いた通り、鎖鳴らしは相手の除去に合わせると0:1交換(+パーマネント追加)になるので貴重なアドバンテージ源と認識するべき。除去に合わせてドラグスコルはそれ自体を除去されると単に2:2交換になるのでリスキーだが、それでも積極的に狙っていくべき。無私の霊魂によりマークタイドのようなデカブツによるアタックを複数体ブロックで処理する・あるいはキルターンをずらすコンバットトリックも重要。
で、これらを実現するために必要なのが、バイアルと、土地を伸ばすこと。
バイアルは言うまでもなく。また、土地を伸ばすと、例えば4マナ出せる場合は2マナ生物展開+鎖鳴らし構え、のような動きが強い。(元々そのために教主や玻璃池のミミックは大切だったのだが、今は抜いているのでこの部分は若干未解決。)
これら「狙っていく」事が重要で、変遷の途中にも書いたが、
例えば鎖慣らしは2/1飛行瞬速として細かいビートを刻ませるより、ターンを経過させて意味がある場合は(例:バイアルがある、カンパニーを次のターン打てる、次ターン4マナ出るので構え続けて2マナクリーチャーを展開できる)出せる時も我慢して、ドラグスコル他への除去に合わせて構え続ける方がうまくいく事が多い

⑤ドラグスコルコンボの完成を目指す

④を続けて、目指すのは「ドラグスコルの隊長を2体出す(ドラグスコルコンボ、ドラコン)」事でスピリット全体に呪禁を付与する事。
ゲーム全体として20点削る、というよりは「ドラグスコルコンボの完成をどう実現するか」を考えてプレイすると考えやすい。
良くある成立パターンが

  • バイアル2(or 3)、土地3枚、の状況で、ドラグスコル→相手フルタップ時にバイアルから幻影の像(or ドラグスコル)。

  • 土地5枚出ている状況で相手フルタップ→ドラグスコル+幻影の像。

  • 鎖鳴らしが出ている状況でエンドにドラグスコル、返しにもう一体or幻影の像。

  • ドラグスコルが出ている状況で、カンパニーを打つ。

以上が基本。ポイントとしてはクロパ的に数点を刻んでいく動きというよりは、盤面を揃えてから一撃必殺を狙っていくところで、ここは伝統的なスピリットデッキの取る戦法とは感覚が少し違うかもしれない。

2-2.妙な作戦を取る理由

では、そもそも何故こんなに苦労する必要があるか?
それは明確で、除去が強すぎるから。特にFuryが最悪。

除去が弱い環境であれば、
至高の幻影も迷うことなく4枚入れて、
例えば、「放浪者→至高の幻影→呪文捕らえorドラグスコル」、「バイアル→教主+放浪者×2→至高の幻影+ドラグスコルor呪文捕らえ」
のようにとにかく展開を目指す動きが一番強いはず。
(ただ、モダン5-0という目的だけなら、それでブン回りを目指すのがひょっとすると一番早いのかもしれないとも思う。)

また、除去のカードタイプもインスタントソーサリーだけでなく、クリーチャー、エンチャント、と多岐にわたるため、1ターン目に出す放浪者が全然除去を打ち消してくれない。

さらに、孤独、虹色の終焉、力線の束縛、と追放除去が多いせいで、無私の霊魂がまともに機能してくれない。

そういうわけで、何か変な事をしないとこの環境では勝てないから、
何か変な事をしています。

2-2.カードの採用・不採用理由

改めて今のリストはコレ。

聖域スピリット

【メインボード】

・土地の枚数

20枚。疑似土地カウントのバイアルと合わせて24枚。一般的なリストでは4枚の教主が入ってこの枚数なので、サポートが無ければ明らかに少ない。バイアルを置く都合上土地は本当に引きすぎてはいけないので可能な限り切り詰めたいが、4マナ5マナまでは伸ばしてツーアクションを取りたいというジレンマもあり、まだここは改善の余地アリ。

・魂の洞窟

たまくつ

0枚。一般的なリストだと必ず入っているが、ここでは不採用。理由は、サイドからスピリット以外のカードを使いたいから。今では聖域のために緑マナが欲しいので特に入れたくはない。

・霊気の薬瓶

バイアル

4枚。最強のカード。隊長がいる状況で、バイアル2から鎖鳴らしや幻影の像を構えるのが一つの理想的な状況。
特に幻影の像はバイアルによってかなり面白い動きができるので、(FuryやGriefを相手エンドに出せる)基本バイアル2で止める事が多い。
3枚のリストもあるが、2枚出ても悪くはないので、とにかく1ターン目に置きたいという意味で4。

・形成師の聖域

聖域

4枚。こいつのお陰で元気を失っていたデッキが再び面白くなった。初手(バイアルあるならバイアルが先)で置きたいので今のところ4枚。バイアル以上に2枚目をそんなに引きたくないので、枚数は要検討。
バイアルと合わせて8枚あるので、どちらかが初手に来る確率が65%、マリガンまですると88%である。
同じ役割のカードとして前に入れていた船乗りは2マナなのに、コイツは1マナで良いところが良い。

・航路の作成

チャート

3枚。教主を入れたくないけどカンパニーを打ちたい・土地を伸ばしたい、という欲望を実現するための役割。特にカタキ、FoNやチャリス等のサイドカードを探す事ができるのは今までできなかった動き。

・霊廟の放浪者

放浪者、ワンダラー

4枚。このカードは結構難しくて、安直な役割は「ロードでパワーが上がった状態でロードへの除去を打ち消す、兼アタッカー」なのだけど、インスタントソーサリー除去以外の除去が多いので、必ずしもそういう活躍をするわけではない。上述のように1:1交換が弱いデッキなので、例えばURの除去にこいつで打ち消してもうまみが小さい。それでも独創力・続唱に強いので、チャートとも相性のいいこいつはフル投入。

・鎖鳴らし

鎖鳴らし

4枚。「基本的な考え方」で述べたようにプランの中核がコイツ。コイツを構えている状況をいかに作るかがカギ。

・至高の幻影

幻影

3枚。一番枚数が悩ましい枠。当然入れれば入れるだけ攻撃力は上がるのだけど、サポート無しでコイツをポン置きしても何もしないカードなのが悩ましいところ。また、これがいるいないで放浪者の強さがかなり変わるので下手に減らすと色々デッキにガタがきてしまう(下記★3参照)。二枚で稲妻圏外になるものエライ。「鎖鳴らし構えのバイアルから幻影出してラガバンをブロック」みたいな事をするのが理想。

・無私の霊魂

無私

2枚。主に「Fury」「兄弟仲の終焉(兄弟戦争全体3点orアーティファクト破壊)」「仕組まれた爆薬」「爆発域」「忘却石」「至高の評決」と、コンバットトリック用。ただ、追放除去の増加により、微妙に価値が下がってしまった。レン6に激弱なのもダメな所。

・鎖霊

鎖霊

2枚。ハンマーとマークタイドにはとても強いので増やしたいところ。
独創力でも執政官着地後にもこれのお陰でどうにかなったりする、唯一無二のいいやつ。

・幻影の像

イメージ

4枚。現環境のキーカード。これでFuryをコピーする動きがとても強力。ドラグスコルコンボは、基本的に隊長+コイツで決める。また、放浪者、無私の霊魂、スカイクレイブの追加分としても使用できる器用なカード。

・ドラグスコルの隊長

ドラグスコル、隊長

4枚。このデッキの骨組みとなるパーツ。コイツ単体では2/2/2フレンチバニラで仲間がいると真の力を発揮する少年漫画タイプ。鎖鳴らしの話と同様に、鎖鳴らしが出てるか、バイアル3があるか、カンパニーがある時にこいつで除去に合わせて呪禁付与の動きを目指すのが基本。

・スカイクレイブの亡霊

スカイクレイブ、スカクレ

3枚。スピリットに珍しい貴重なアドバンテージを取れる(除去されない限り)カードなので普通は4枚入れるが、素出し3マナで1マナのラガバン・DRC、2マナの帳簿裂きを取るのは強くないので、雑に入れれば強というわけではない気難しいやつ。カンパニーから出したり、出てる状態でバイアル2(またはカンパニー)から幻影の像で追加を出せる状態にするのが強い。

・呪文捕らえ

捕らえ

0枚。普通はフル投入するし、個人的に好きなカードの筆頭でもあるので自分自身これが正しいのか不明なのだが、

  • URに強くない(ラガバン・DRC・帳簿裂きはこいつが出る前に暴れている。マークタイドは捕えられないので肉に全て無効。捕らえたいのはDressDownと反復と爆薬だが、要はこちらが捕らえを構える頃には構えている場合じゃない状況になっているため。)

  • 独創力に強くない(X=2で唱えられるため。)

  • 除去が強いため捕えても守り切れない。(つまり相手のピン除去とこいつで1:1交換するだけのカードになる。)

…という理由で思い切って抜いてみている。やはりイメージ映像として出てしまうのは、ラガバンが楽しそうにしている状態で間抜けに3マナ構えている悲しすぎるシチュエーション。カンパニーから呪文捕らえを探す往年の動きができないのは寂しい気がするが、しばらくベンチを温めてもらう事に。

【サイドボード】

・ブレンタンの炉の管理人

ブレンタン

4枚。一見弱そうだが、ラガバンに優位が付く唯一無二のマダム。かなり初期から見つけていたDoctorQuellerは偉大(今彼/彼女はどこにいるのだろう?)。
これでラガバンを止めて、スピリットを除去から守る、1枚で2役こなすナイスサイドカード。4枚は入れ過ぎに見えるかもしれないが、ラガバン相手には必ず出したいのでフル投入が良さそう。同時にFuryからもみんなを守る。航路の作成との相性も〇。

・戦争の報い、禍汰奇

カタキ、kataki

2枚。アーティファクトをばらまくデッキに入れる。カードパワーの低いスピリットで唯一パワーのあるカード。これが初手にある状態で飛行機械・ドラム…と展開してくると思わず笑みがこぼれてしまう。純正ハンマーには効かなかったりするが、こいつでアーティファクト数に制限がかかるのでサーガから出てくるトークンのパワーが大幅に減るのが良いところ。また、頭数が減ったら鎖霊が強く使える。

・広がりゆく海

2枚。サーガ用。ハンマーは元々不利ではないので微妙にオーバーっぽいが、ハンマーは数が多いのでこのくらいしても良いと思っている。またリーグにはトロンも未来永劫存在するので入れておきたいというのもある。

・否定の力

FoN、negation

3枚。リソース獲得手段に乏しいスピリットにおいて普通に使うと明らかにヤバいカードなのだが、確実に消さなければいけないカードが入っているデッキに入れる。つまり、ハンマー、独創力、続唱系。

・虚空の盃

チャリス

2枚。続唱系と果敢に入れる。続唱はともかく、適切に動く果敢は除去が薄いこのデッキにとって、これかスフィアが置けないと負け濃厚。
果敢とバーンを見るなら黄昏の享楽の方が良い可能性もある。

・減衰球

スフィア

2枚。果敢とアミュレットとついでにトロンに入れる(リーグはトロンが多い…)。他にも効くマッチがあるかもしれないがあまり試せていない。

・虹色の終焉

虹色

0枚。既に述べたようにスピリットは1:1交換が激弱なデッキ筆頭なので、めちゃめちゃ入れたくなってしまったとしても極力入れたくない。ラガバン・DRCの1マナの動きを阻害したい気持ちはあるのだが、ラガバンについてはブレンタンで疑似除去した方が良い。
逆に1:1交換してもいいデッキ相手(ハンマー・果敢)には強いのだが、枠が足りない。

・神秘の論争

論争

0枚。マークタイドや反復を打ち消したいので入れたい気もするのだが、そもそもメインにクリーチャー以外のカードが入れづらい。

3.各アーキタイプごとの戦略

mtggoldfishのモダンメタゲーム、上から上位20個順番に各アーキタイプごとに取る戦略を書いていく。
良く分かってないのも多いし、書き散らしなのでほとんど個人的なメモ。

♣有利不利について
今回面倒くさくなって途中から全く記録をつけてなかったので体感でしかないけれど(やるべきだった。今後はやる。)、
有利…ハンマー
不利…大概のデッキ
とても不利…UR、青白コン、オムナス、アミュレット、グリクシスシャドウ、マーフォーク、果敢、ヨーグモス
という感じ。

★一般的注意1(以下★1)
基本的に肉を抜きすぎるとカンパニーの価値が下がる。
 60枚の中に25枚クリーチャーが入っている場合、上から6枚めくって2枚以上クリーチャーが出る確率は80%。30枚入ってると90%。
つまり現在のクリーチャー26枚はギリギリ。
非クリーチャーの対策カードを入れる場合はカンパニーまたは聖域を抜く。

★一般的注意2(以下★2)
Furyが入っているマッチだとブレンタンを問答無用に4枚入れたくなるが、そういうわけではない。ブレンタンはスピリットを守るためのカードなので、対策カードとブレンタンでスピリットを押しのけてしまい本末転倒になる事も多い。スピリットのみで対抗できる場合はそうすべき、というのが基本。

★一般的注意3(以下★3)
除去が薄くドラグスコルが残りやすい相手にサイドカードを色々入れて枠が無くなった際(あるいはそもそものデッキ構築の際)、役割がドラグスコルと被っている至高の幻影を抜きたくなってしまう時があるが、「至高の幻影を抜くと放浪者も弱くなる」という事は覚えておくべき。
ドラグスコルと1マナ違うだけで出せるタイミングが大きく簡単になるので(例えば土地4でメイン幻影+鎖鳴らし構え、のような動き。またバイアル2で止めておきたい場面が多いのも理由の一つ。)、至高の幻影がいれば例えばコンボデッキが土地を伸ばす事に合わせて放浪者の要求マナも増やしていけるし、一撃死があるデッキにそれを阻害しながら序盤から放浪者によるクロックをかけていけるのは強い。

★一般的注意4(以下★4)
バイアルを抜く事はほぼ無い。(メガハンデスみたいな場合のみかも?)

3‐1.UR

IN:ブレンタン4??
OUT:カンパニー3、放浪者1??
一番考える必要があるのに、結局どう戦えばいいのか分かっていない。普通にやっても勝てない。
カンパニーは通らないので抜いてしまう。重要なのが至高の幻影で、鎖鳴らしを構えている状況で1/3でラガバンを止めたい。
チャリスとスフィアがどのくらい効くのか分からないが…これは要検討。

3‐2.ハンマー

IN: カタキ2、FoN2、海2
OUT: 聖域4、放浪者2
スピリットは環境デッキほぼ全てに不利だが、唯一有利なハンマーは確実に取りたい。
キーカードは鎖霊で、基本的にこいつでハンマーワンパンを防ぐ。その隙にスカイクレイブで盤面を整理していくイメージ。
また無私の霊魂で、バイアル、鎖鳴らしを絡めたバットリを決める。

3‐3.BR Scam

IN:ブレンタン4
OUT:放浪者2、ドラグスコル1、至高の幻影1
幻影の像と聖域のおかげで戦えるようになった。
聖域を置いてから、幻影の像で相手のFuryとGrief、パイロマンサーをコピーして戦う。
カンパニーを使えるのもURよりやりやすい点。
Voidwalkerはスカイクレイブと鎖霊、あるいは幻影の像でブロックする。
相手はショックインとハンデスでライフが少ないのでロードの至高の幻影を抜きたいところだが、ラガバンがいるデッキに全部は抜きたくなく、1枚はドラグスコルを抜いている(ブレンタンがいるから守りやすくはなってるという理由)。

3‐4.独創力

IN: FoN3
OUT:無私の霊魂2、聖域1
①放浪者を守り、ロードを使って独創力を打ち消せる状況で居続ける。
②バイアル2の状態で相手のT4に、独創力、執政官着地スタックで幻影の像を出す(打ち消せる場合もこれを優先したほうが強い場合多し。)。
③カンパニーを打てる状態で独創力キャスト時、状況次第で放浪者を探すのではなく、通しからの着地スタックでカンパニー、鎖霊か幻影の像を探す。
この戦略は初見殺しみたいなものなので、同じ相手に2回通じるものではないが、まあバレない限り大丈夫。(例えばセラ天が増えたらどうしようもない。)
無私の霊魂はレン6にウルトラ弱いので抜く。(兄弟仲の終焉は諦める。)
★1に従って聖域を削る。

3‐5.カスクラ

IN: FoN2、チャリス2、ブレンタン2
OUT: スカイクレイブ3、聖域+カンパニー合計3
スカイクレイブは取りたいものがないので抜く。
カスクラ用にFoNとチャリスを入れる。
カンパニーと聖域は★1に従って減らす。(決めてないがベストは…?)
ブレンタンは★2に従って2枚のみ。
放浪者を守って、ロードによりカスクラを打ち消せる状況を維持するのが基本。
死せる生よりはまだ通しても鎖霊でどうにかできるので、鎖霊はむやみに出さずに大切にする。その点意味でカンパニーは全て残すべき?いや、Furyと火のある相手にこそ聖域は入れたい。となると抜くのは聖域2カンパニー1?

3‐6.バーン

IN: ブレンタン4、FoN2、チャリス2
OUT: 鎖霊2、無私の霊魂2、聖域4
聖域は効くのが上陸3点ソーサリーのみなので抜く。(本当?)
ブレンタンで時間稼ぎをしている間に、航路とカンパニーの分で勝つ。
(ちなみにこのリストでは入っていないが、船乗りはバーンに対する最強の対抗カード。果敢・バーンがあまりに増えたら船乗りも検討。)

3‐7.オムナス

IN: ブレンタン4
OUT:放浪者4
Furyがいるのでブレンタンを入れる。
放浪者がレン6に弱いので抜く。無私の霊魂レン6に焼かれるのでは鎖鳴らしやロードのサポートが無い限り絶対に出さない。
オムナスはスカイクレイブ、またはFuryを幻影の像コピーで処理する。

3‐8.ヨーグモス

IN:FoN3
OUT:無私の霊魂2、聖域1
呪文捕らえと虹色がいないため、相性が悪くなってしまった。
無私の霊魂は不要なので抜く。
聖域は無限コンボがスタートしたらどうしようもないのであまり強くないが、グリストを牽制できるのと、「無限コンボができない状況でもヨーグモスを出して除去+ドローをする」という動きを阻害できるので★1に従い1枚だけ抜く。
★3に従って至高の幻影は大切にする。
基本的に異界の進化とコードが通らないように放浪者を育てていきながら、ドラグスコルコンボ完成を目指し、ヨーグモスを出されてもライフ支払いができない(ライフをこちらのクロック以下にできない)状況を作る。
頑強2体並んでいたらヨーグモス着地で終わりなのでスカイクレイブを迷わず片方に。
バイアル2からいつでも幻影の像によるスカイクレイブを出せる状況を作っておくのが理想。

3‐9.アミュレット

IN:海2、減衰球2、FoN3
OUT:聖域4、鎖鳴らし3
ほぼ勝てないマッチ。虹色もないので序盤のアミュレットに対処できるのはFoNのみ。
唯一鎖霊でタイタンを倒していくのが強いのと、幻影の像でタイタンをコピーして相討ちor キャノピーを持ってきてツードロー、みたいな事ができる事くらい。
着地は防げないので、「鎖霊を除去されないようにして、タイタンを倒し続ける」という事でしか勝ち目が無い。

3‐10.研磨基地
IN:ブレンタン4、FoN3
OUT: カンパニー+聖域3、放浪者4??
これもどうすればいいのかよく分からない。
ラガバンにはブレンタン4、ブリーチに当てたいのでFoN3。
★1に従ってカンパニーか聖域を抜く。対抗呪文がないのでカンパニーは残しても良いと思われるが…。
マークタイドがいないから鎖霊は帳簿裂き用だけどいいのか?
基本的にスカイクレイブが来ないとどうしようもなさそう。

3‐11.マーフォーク

IN:なし
OUT:なし
聖域は明らかに腐りがちだが入れるものも無いのでチェンジ無し。
虹色が欲しいマッチだが、仕方なし。
ロードの枚数が違う以上普通にやっても完全に速度負けするので、スカイクレイブや鎖霊をどうにか持ってくるよう戦うしかない。

3‐12.版図

IN:ブレンタン4
OUT:放浪者4?
部族の炎とかいうヤバめのカードがあるので、カヴーを止めつつ最後の火力をカットできるブレンタンは入れたい。
ドラコの末裔は鎖霊または幻影の像で処理。
速度が遅めなので確実にドラグスコルコンボを目指す。

3‐13.死せる生

IN:チャリス2、FoN3
OUT:聖域4、無私の霊魂1
カスクラと同様、放浪者を守って、ロードにより死せる生を打ち消せる状況を維持するのが基本。カスクラより除去が薄いのでそれはやりやすい。
が、重要なのは「打ち消さない方が有利になるケースもある」点。
つまり独創力と同様のプランも有効で、3ターン目に3枚くらいしか墓地にカードが無い状態でリビングエンドを打たれたとしても、打ち消さずに幻影の像や鎖霊で戦った方が有利を取れる場合が結構ある。
これも初見殺しなので同じ相手には通用しないが、当分は大丈夫なはず。

3‐14.トロン

IN:減衰球2、FoN3、海2
OUT:聖域4、鎖鳴らし3
こちら側がどう頑張っても相手次第のマッチなので祈るしかない。
ただ、たまたまサイドカードは入れるものが色々あるのでこれらが引ければ。最低1枚は初手に無いと厳しい。

3‐15.果敢

IN:ブレンタン4、チャリス2、減衰球2
OUT:無私の霊魂2、聖域4、カンパニー2
こちらの単除去が薄い為、普通にやっても負けてしまう。チャリスか減衰球が置けない限りかなり厳しいマッチ。
聖域は置けば結構牽制可能だが、結局ライフを犠牲にしてドローしても除去があるわけでもなし、削り切られるので全て抜く。カンパニー4ターン目は大概死にかけなので抜ける分を抜く。
無私の霊魂はタフ1である事により溶岩の投げ矢でスナック感覚で殺されてしまうためアウト。
ブレンタンで時間稼ぎをしている間に、チャリスか減衰球を置くのが理想。
また、反復と舞台照らしが放浪者で打ち消せるとかなり有利になるので狙いたい。が、例によって溶岩の投げ矢があるためサポートが無い状態で出すのはNG。鎖鳴らしも同様。

3‐16.親和

IN:カタキ2、海2
OUT:鎖鳴らし4
カタキをどうにかして出すマッチ。相手にファクトランドが多い場合、カタキが出せればほぼ勝ちなので積極的にマリガンする。
チャート・カンパニーでカタキを探す。
ツードロー親和生物は、幻影の像でコピーしてカタキを探せるので出されたらラッキー。

3‐17.エルドラージトロン

IN:海2、減衰球2
OUT:放浪者4
相手クリーチャーの質が良い事により幻影の像が活躍するため、純正のトロンより戦いやすい相手。
難題の予見者か現実を砕くものをコピーできればかなり強力。
問題はバリスタがいる事で、ドラコンを目指すのはとても重要。
【面白詰めマジックコーナー】
相手がメイン2でバリスタをX=2で唱えたところ。(相手は四肢切断を持ってないとする。)適切に動くと次のターン勝ち。

11.20

3‐18.グリクシスシャドウ

IN:ブレンタン4
OUT:放浪者4
ハンデスができてリソース回復ができるデッキにはバイアルがとても弱いため、普通にやっても相当不利。
どうにかしてドラグスコルコンボを決めた後、シャドウについてはスカイクレイブと鎖霊で対処する。

3‐19.ジェスカイ石鍛冶

IN:ブレンタン4
OUT:放浪者4
鎖霊を守って、カルドラや装備品のついたクリーチャーを寝かせる。

3‐20.硬化した鱗

IN:カタキ2、海2
OUT:聖域4
これこそ虹色が欲しくなるマッチ。
何らかの方法でカタキを探す。

3-21.感想

こう整理すると特に下位のアーキタイプには虹色を入れると良いマッチが結構ありそう。
(裏を返せば虹色が効かないアーキタイプが上位と言う事なのか?)
どのくらいそれらを見るかによると思うので難しいが。

4.コメント

ということで、あけましておめでとうございます。

最後の方は意地で継続してたので、とにかく目標達成できて良かったです✌
僕は面白いと思って遊んでいるのだけど、とてもじゃないけど人に勧められるデッキでは無いので、 いつかお勧めできるくらい強い構成ができたらと思います。

ところで今回思った事:MOのリーグは基本的に3-0したら3-0の人と、0-3したら0-3の人と当たりやすいようになっているので、つまり0-3からの2勝は3-0からの2勝よりしやすいようになっている(仕様が変わっていなければ)。2-3するとプレイポイント半額返ってくるので0-3して投げたくなっても挫けず継続するのがチケットを守るコツ。

今年もよろしくお願いします。


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