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《時間についてvol.3》「スツールタイム」を意識してみる。

もう2月か、とカレンダーをめくって「ふう」と大きく息を吐いた。1月があっという間に過ぎてしまったことへのやるせなさや、少しずつ身体が反応している花粉症への嫌気などがないまぜになった「ふう」だ。

さあ、どんどん進んでいかなくちゃ。「時間について」を考え、それを行動にうつしていくこと。2021年には、いくつかのプロジェクトが発表、もしくは実際に開催・発売をするため、がんばりたい。

具体的には、出版事業/イベント事業/宿泊事業という三つの領域で展開していく予定を立てている。

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そのなかで、今日は出版事業 3.「スツール」という企画について書いてみる。

「スツール」は、"日々の隙間にできるちょっとした時間"に読めるポケットサイズの本を予定している。名前は家具のスツールから由来している。

スツールは、シート家具の最も初期の形態の1つです。椅子と多くの類似点があります。それは背もたれや肘掛けのない一人用の単一の座席で構成され、スツールのベースには1つ、2つ、3つまたは4つの脚があります。スツールは、腕や背中の欠如によって椅子と一般的に区別されます。(Wikipediaより)

僕はスツールが好きで、ベランダで一息つくとき、ギターを弾くとき、キッチンで料理の間に休憩するときなど、いちにちの間に数回スツールに腰掛けることがある。一回に座ってる時間は3分とか5分とか、そのくらい。(あと、ベッドサイドで照明や本を置いたりして使うのも好き。これはまた別の話)

この「スツール」という企画は、その3分や5分のちょっとした時間、明確にこれと名付けることができない小さな隙間の時間を「スツールタイム」と呼び、そのときにスマートフォンを見るのではなく、代わりにパラパラと開きたくなる小さな本がつくれないか、というものだ。

例えば、カレーをつくるとき。肉と野菜を炒め、鍋にうつす。水を入れて火にかける。そのときにうまれる待ち時間。17時くらいで、外は少し暗くなりかけていて、部屋にはトム・ウェイツが流れている。そんな時、キッチンにスツールをもってきて腰掛ける。弱火の火をぼんやり見ながら、スマートフォンをポケットから開く。。。ではなく、ここで「スツール」を開く、ということになったら面白い。

「それぞれのスツールタイム専用の読み物を用意すること」ができたらいい。小説や雑誌やほぼ日の未読コンテンツやネットフリックスやnoteやcakesや、その他大勢の魅力的なコンテンツに、その瞬間だけは勝てるようなものをつくることができたらいいなと思う。

目次を考えるだけで、いろいろアイデアが浮かぶ。この人に書いてもらいたいなとか、誰にデザインを頼みたいか、など、色々想像できる。

無事に本ができた際には、売り方も工夫したい。家具職人とコラボして、スツールタイムに相応しいスツールを限定10個とかで販売したり、スパイスと一緒に販売したり(これはよくあるアイデアだな)。キッチン付きのギャラリーを借りて、実際にカレーをつくり、煮込み時間に来場者が本を読む機会をつくったり。

本の良さ、あるいは持ち運びできるメディアの良さは、いつでも・どこでも楽しめることにある。ネットフリックスを通勤電車でスマートフォンで閲覧し、家に帰ってからPCで続きを見るように。なのに、「スツール」はその機会を絞る。ひとつだけにする。

また、専門の分野・興味で区切ることもしない。「カレーを作る時間」特集であれば、どうしてもカレーの話を多く入れたくなるが、そうじゃない。大切なのは、カレーを煮込むときに生まれる、あの、なんとも言えない「...」という時間感覚についての共有だ。

こう書いていて、どれくらいの人に興味を持ってもらえるかわからないが、少なくとも全国に100人くらいは、共感してくれる人がいるはずだ。いや、いてほしい。

「時間について」を考えていくと、とにかく大きな話になって途方にくれるので、こうして、小さくちぎっては投げ、ちぎっては投げをしてみようと思います。21年の秋くらいに実現させるためには、まずは何からはじめようか。

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