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900枚くらい(たぶん)のCDを捨てなかった話

先日SNSを眺めていると「3,500枚のCDを捨てた話」という記事が流れてきました。タイトルの「捨てる」というキーワードの効果もあり、音楽好きの方が様々な反応を示していて少し話題になっていました。

http://tamaranche.hatenablog.com/entry/2018/05/11/072822

記事は著者の音楽遍歴や聴き方などが丁寧に書かれており共感できることも多かったです。概要としては、長年親しんで大切にしてきたCDの価値が自分の中で薄れてしまったので、売却したり譲渡したり「処分」してストリーミングに移行したよ、という話でした。冒頭を読んだ段階では、著者は「メタルおじさん」かなと思いましたが、知り合いに譲渡したCDリストを見ると、メタルだけではなく、王道の60-80年代や90年代以降のロック系の有名作が多くなっていました。

そのため、「(3,500枚の割に)この人の音楽趣味は(メジャーなものばかりだから)ストリーミングで十分」的なネガティブなコメントがSNS上にあったようですが、譲渡相手(知り合いのお子さんの小学生)への「ロック入門」的配慮によるセレクションでしょうし、むしろ、LA'SやTeenage Funclub、Stiff Little Fingersなどが含まれているのが意外に思えたし、「こんな風な聴き方をしている人もいるのか~、きっと新譜を中心に僕なんかよりも幅広く色んな音楽を楽しんで来たようでうらやましいな」なんて思いました。

※当初の記事の後、記事に対するいろんな反応があったため、著者の方が「追記」という形で、とても丁寧に補足を書かれていて、著者がメジャーどころ以外も(むしろガレージなどはとても造詣が深い)たくさん聴いている熱心な音楽ファンであることが分かりました。

さて、僕は著者の数個だけ年下ですので、ほぼ同年齢のタイミングでiPod、Amazon、AppleMusicが自身の生活に登場していますが、CDは今も引き続き買っています。AppleMusicも使っているものの、「配信サービス自体がいつか終了したら聴けないかも」という漠然とした不安感を持ちつつ、「CDを探して買う」「聴くまでのわくわく感」「家でCDを聴く」という一連の流れがストレス発散だったり単純に楽しかったりするので今もCDを買っているんだと思います。あと、そもそも配信されてない作品もまだたくさんあるから、という理由もありますが。

さてさて、そんな僕も音楽の聴き方を最近変えた一人です。

まず、iPod登場以降のここ十数年の音楽の聴き方はこんな流れでした。

1、CDを買ってくる(帰りは聴くのが楽しみで少しウキウキしてる)
  ↓

2、家の小さいコンポで聴く
  ↓

3、気に入れば一旦パソコンに取り込み、さらにiPod(classicか iPod touch)へ取り込む。すぐにコンポで聴く時間がない場合も上記と同様に携帯音楽プレイヤーに入れておく
  ↓

4、iPodを通勤中の電車で聴く
  ↓

5、内容が良ければ休日にもコンポで何度も聴く

とにかく上の3番の作業が面倒くさくてだんだん取り込まなくなっている(元々持ってるCDも結局全部取り込めてないまま)。さらに、我が家に赤ちゃんが登場したことにより、自宅で音楽をじっくりと聴ける2番と5番の機会がほとんどなくなってしまいました。

そこで思いついた対応策が、SONYでいうところのCDウォークマンで仕事のお昼休憩の際に聴いたり、帰宅前にカフェなどで小一時間CDをじっくり聴いて帰るという方法。

調べてみると大手メーカーはポータブルCDプレイヤーの生産を終了しているので、新品だと語学学習向けの廉価製品くらいしかありませんでした。そのため、ヤフオクやAmazonのマーケットプレイスを探して見つけた15年くらい前のSONY製の未使用品(ほんとか?)を購入。

せっかく外で時間を作ってまで音楽を聴くので、どうせならちゃんとした音で楽しみたいと思い、高めのヘッドホンかイヤホンでも買うことに。これまではゼンハイザーのエントリーモデルで(5,000-10,000円)満足していたものの、ボーナスも入ったしということで2-3万の高級イヤホンを購入(型落ちらしく元は5万円!)。

オーディオ素人ながらもエージングをして、カフェに何枚かのCDとCDウォークマンを持っていて聴いたところ、聴き慣れた曲が別物のように聴こえてびっくりしました。いろんな音がくっきりと聴こえて臨場感を増してすごい迫力でした。

「高級イヤホンすごい!」と思って、翌日の通勤からiPodでもこのイヤホンを使うようにしました。でもiPodでは同じような感動は得られず。

ふと気づいたのはiPodに入っているのはあくまで圧縮音源で、ちょっと調べると「70-80%」程度の音質のようなので、そりゃ元の音質が悪ければ意味ないわけだ。。。一部の音源はロスレス圧縮で取り込んでるものの、それ以前に取り込んだものをすべて変換するのも手間。結局CDで聴くのが一番楽で音が良いのか、、、。

ここでCDの音質の再評価に至り、こんな風にじっくりCDを聴く時間を自分の生活の中に用意しようと決めた次第です。とは言え時間も限られているのでCDを買うペースを落として、以前よりもちゃんと1枚のCDをじっくり味わうような楽しみ方に当分はなりそうです。手元にあるけど長いこと聴いてないCDもたくさんあるので久しぶりに引っ張り出して聴くのも楽しみです。(子供がもう少し大きくなって手がかからなくなったら音楽の聴き方はまた変わりそう)


ちなみに、Apple Musicも利用中でこんな聴き方してます
 a:持ってるけど取り込んでいない音源
 b:知ってるけど聴いたことのない音源
 c:全く知らない最近の音源

bとcは内容が良ければCDを買いがちです。cに関してはApple MusicよりもAmazonのレコメンドが個人的に参考になるので、Amazonで、ある作品を検索してそのレコメンド作品をチェックして、そこで表示された別の作品をAppleMusicに戻って探して聴いてたりします。

CDを買うのは、、、主にこちらです。カッコ内は購入枚数のなんとなくの比率

 └ディスクユニオン(40%)※中古が9割、新品1割
 └タワーレコード(20%)※新品
 └アマゾン(30%)※新品と中古半々かな
 └その他(10%)※ブックオフ、レコファン、ヤフオク、メルカリなど

CD売るなら、、、僕は絶対ディスクユニオンにします。相場もだいたい分かるし、旧譜中心の自分の趣味と合うので安心して売却出来ます。レコファンは買ったことも売ったこともあまりないです。あとはお世話になっているので、ココナッツディスク池袋。昔、ユニオンの買取明細書を保管していてその時数えたら1,000枚以上はユニオンに売ってましたが、その後、同じのを買い戻したりすると「なにやってんだろ…」ってなります(笑)音楽好きのあるあるかな?

音楽雑誌は、、、元々そんなに読んでなくて、高校時代はクロスビート(情報量が多かったから)をたまに買って、ロッキンオンは1、2回買ったくらい。ワッツインとかワッツインESも情報量が多くて好きでした。大学時代は米国音楽とか。20代半ば以降はレココレをよく買ってました。

3500枚さんが、ボロボロになるほどライナーの解説や歌詞を繰り返し読んだCDは思い入れが強く「処分」出来なかった、ということを書いてましたが青春を感じて「いい話だな」と思いました。自分の場合は、ライナーはボロボロじゃないけど、やっぱりフリッパーズのファーストと、ストーン・ローゼスのこの編集盤(高校1年の時、初めて聴いたローゼスがこれだった)がそれになります。

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