転職のこれまでとこれから、そして個人が考えるべきこと
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転職のこれまでとこれから、そして個人が考えるべきこと

染谷健太郎

はじめに

こんにちは。LAPRASで事業責任者をやっている染谷です。

今はちょうど夏休みの時期、弊社LAPRASでは「LAPRAS夏の自由研究リレー」と題して、メンバーそれぞれが興味のある領域についての記事を書く企画をやっています。

今回は、この企画↓に便乗して久しぶりにnoteを書かせていただきます。

Twitter上でも「#LAPRAS夏の自由研究リレー 」というハッシュタグ付きでTweetしておりますので、ぜひご確認ください。

ここで書いていること

さて、この記事ではこの先10年くらいの転職や転職活動がどうなっていくのか?について、きわめて妥当な予測をしてみようと思います。

きわめて妥当な予測はきわめて妥当なので、驚くような新奇性もありませんし、パラダイムチェンジ的な驚異的な変化も想定しません。

ただ、既に始まっている変化が、どういう方向に向かっているのか?その方向性のときに個人はどういう転職活動をしていくと良いのか?そういうことをまとめたいと思います。

妥当な予測である分、かなり高い確率でこれから書くような方向性に日本の転職環境がなっていくと思います。

ただし、あくまで一個人の見解ですので、この通りにならなかったらごめんなさい。

この10年の転職の量と質の変化

昨今の転職状況の概要を理解するためには、総務省統計局が出しているこのレポートがとてもわかりやすいです。

以下では、このレポートから主要な内容を抜き出して現在の状況を俯瞰してみます。

なお、この調査の時点ではコロナショックの影響が表れてはおりません。しかし、コロナショックの影響はいくぶんあれど、トレンドを転換させるほどではないと考えています。

転職者数の変化:転職者数は増えていて2019年は過去最多

転職者数の推移のグラフ

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日本国内の転職者数はリーマンショック以降、右肩上がりで2019年には過去最多の351万人となりました。

2000年から2020年の間に現役世代(15歳〜64歳)の人数が8,622万人から7,406万人と約15%減少をしていることを踏まえれば、転職をする人の割合はこのグラフ以上に増えていると言えるでしょう。

転職の質の変化:やむなくではなく、より良い仕事を得るため

転職理由の推移のグラフ

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転職の数が増えているだけでなく、転職の質も変わってきています。

人員整理や会社倒産などの「会社都合」を理由に転職する人(上のグラフの青線)が減っていて、「より良い条件の仕事を探すため」に転職する人(上のグラフの赤線)が増えています。

つまり、仕事を失ったからやむなくする転職から、自分にとってより良い仕事を探すための転職へと転職の質も移り変わっているのです。


僕は2009年に新卒入社をして、この10年を人材業界の社会人として過ごしてきましたが、定性的にも転職に関する考え方は大きく変わったと感じます。

当時の新卒学生の就活は、終身雇用を想定して企業選びするという考え方が支配的だったと思います。

(そんな画一的なキャリアじゃ面白くないよね、という考えで、社員が若いうちに卒業する前提のリクルートグループを選択した記憶があります。)

また、僕が入社した頃の中途採用に対する認識は、中途採用は主に中小企業が行う採用手法、大手企業がやる場合はよっぽど新卒者に穴が空いた場合、という考え方が主流だったように思います。

それがいつの間にか、一般的な採用経路、一般的なキャリア構築の手段になっていた印象です。

転職や中途採用のイメージ自体が大きく変わった10年間でありました。


このように、この10年で転職は増え、より良い仕事を得るための手段へと変わっていきました。

これからの転職がどうなるか

さて、これからの転職はどうなっていくのでしょうか?

結論から言えばグローバルスタンダードな転職状況にどんどん近づいていきます。

それは、より良い仕事を見つけるために転職をする人の割合も増えていきますし、一人あたりの転職回数も増えていくことを意味します。

日本がどれだけ特異な転職状況にあるかはこちらの記事が参考になります。

以下は、こちらの記事からの引用となりますが、45~54歳の男性労働者が今の会社に勤め始めた年齢をOECDの加盟国別で表しています。

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2012年のデータとはいえ、OECD加盟25カ国のなかで日本が25歳未満の割合が最も高く、40歳以上の割合が最も低いという、とても特異な環境であることを示しています。

これは、新卒一括採用、そこから終身雇用という日本独自の雇用慣行の影響でしょう。

厚生労働省職業安定局の「我が国の構造問題・雇用慣行等について」によると生え抜き社員(新卒で入社した会社で働き続けている人)の割合は徐々に下がっています。

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2016年時点でも世の中の大卒入社者の5割以上がずっとその会社で働いていることに驚きを感じる方もいるかもしれませんが、しかしトレンドとしてはこの割合は低下を続けており、今後もどんどん下がっていくでしょう。

ユヴァル・ノア・ハラリが「サピエンス全史」で語っているように、世界はとても長いスパンで「統一」に向かって動いており、それは転職環境や仕事の考え方についても同様です。

そして、それは世界が日本に近づいていくのではなく、日本がグローバル・スタンダードに近づいていくことを意味します。

これまで特異な環境であった日本も、徐々にその特異性が是正されていき、より転職は身近なものになっていきます。

個人が考えるべきこと

このように、これまでもこれからも転職は増えてきており、それはより自分のキャリアをより良くする選択として行われていくでしょう。

今はまだ仕事に対する考え方に終身雇用性の残滓(転職に対するネガティブイメージや転職時の活動の仕方など)がまだ残っているのが日本の状況と解釈していますが、転職前提でキャリア構築が行われる状況に移行するにつれて今後、それはさらに薄まっていくでしょう。

簡単に理解するなら、今よりちょっとアメリカっぽくなると思えばいいと思います。(ただ、日本はアメリカより解雇はされにくいと思います。)

その中で、個人はどう考え、活動していけばいいでしょうか?

以前、シリコンバレーに本社があるとあるHR Techの会社に教えてもらったのですが、日本とアメリカではダイレクトリクルーティングのビジネスの難易度が全く違うそうです。

アメリカでは常にキャリアアップの機会を求めているので、どのようなステータスであれ(転職を具体的に考えていない状況であれ)、候補者がカジュアル面談に参加してくれることが多いそうです。

一方で、日本では転職について考えるのは、転職することをある程度意思決定してからの人が大半なのでアクティブな人が少なく、カジュアル面談にこぎつけるのも一苦労とのことです。

日本はダイレクトリクルーティングがとてもやりにくいね、とぼやいていました。

しかし、これからの転職が前提となる社会においては、一個人として少しアメリカっぽいスタンスを選択した方が機会を呼び込める点で有利でしょう。

モノの売買では、どうしても買わなきゃいけない、という人よりも、よっぽど良いものだったら買いますけどね、という人の方が有利な条件で取引できるものです。

転職においても、どうしても今転職しなきゃいけない、という探し方よりも、よっぽどいい条件があれば考えるので話だけは聞きますよ、という探し方の方が個人としては有利な選択ができるでしょう。

自分をマーケティングすることの重要性

機会に対して常に自分を開いていくだけでなく、もう一つ考えるべき重要なことは自分をマーケティングすることです。

自分をマーケティングすることができないと、そもそもいい話が自分のところに入ってくることもありません。

自分をマーケティングするとは、この人を採用したい、と声をかける時点で採用側に思わせること、そしてそのために、自分が何を強みにした人間なのか、これまでどういう実績を上げてきたのか、どういうことができるのか、など、わかりやすく伝えることです。

例えば、自分のポートフォリオを作成したり、公開したりすることもそうした活動の一環として捉えることができます。

終身雇用で最初に入社した1社で全うするキャリアならば、あえてアピールせずとも黙々とやるべきことをやっていれば、近くにいる誰かが評価してくれとすくい上げてくれるかもしれませんが、転職が前提となる社会ではそうではありません。

遠くにいる人にも自分の良さが伝わるように、自分や自分の成果をアピールしていくことを考える必要があります。

最後に:LAPRASはどんな存在でありたいか?

最後は、自分のマーケティングについて言及しましたが、一方で自分をマーケティングすることは実際はとても難しいことだと思います。

商品のマーケティングでさえ、マーケティングのプロフェッショナルが時間を使って実行しても、ときに失敗したり方向転換が必要になります。

それを自分のマーケティングについては、マーケティングについて必ずしも知識のない自分が、時間のない中で考えねばなりません。

転職を検討している方にヒアリングすると、「職務経歴書を書くのがつらい」「自分を魅力的に見せるのが難しい」という話を聞きますが、これこそ自分をマーケティングする難しさだと思います。

そして、ここが難しいがゆえに本来スキルがあるのに、正しく評価されなかったり、本来得られるはずのチャンスが得られない人が生じるのは、世の中にとって大きな損失だと、僕は考えています。

LAPRASは、こういうミスマッチをなくすサービスでありたいと思っています。

いまは、Web上のアウトプットをポートフォリオ化することが主な機能になっていますが、さらにサービスの改善を重ねることで、より皆さんの得意なことや実力・実績を伝えて、本来得られるべき機会を得られるサービスにしていきたいと思っています。


最後はLAPRASの話になってしまいましたが、今後の転職環境の予測を書かせていただきました。

予測としては、特に新しいことは言っていませんが、妥当な予測ではあると思っています。

少しでも、皆さんのご参考になれば嬉しいです。

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染谷健太郎

記事を読んでいただき、ありがとうございます!

染谷健太郎
LAPRAS (https://lapras.com/) の代表取締役CEO。東京大学→リクルートの新規事業の事業責任者→LAPRASのPMM、CMOとCOOを経て、今はCEO。基本ただの酒飲みのおじさんです。2018年3月に父親デビューしました。