シェアードワールドをやってみよう。
ということで今、共通の設定が「地球に来た宇宙人がトザマ(蔑称)と呼ばれる世界」のショートショートを書いています。
◇シェアードワールドとは
シェアードワールド‐Wikipedia
◇もうひとりの作家さんはこちら
アカツキハッカ
そこで今回は、そのとき何を思っていたかということを作者自らが聞かれもしないのに語ってみようという企画を敢行します。すなわち、自著解説ネタバレありのコーナーです。
1.カヒコ
名前は最初「カツヒコ」だったのですが、脱字でカヒコとなったのを、そのまま採用しました。
人名がTなのは、名前を考えるのが面倒だったのと、星新一作品のエヌ氏を思い出したからです。
映像作品では、人間性を感じさせなくするためにあえて顔が見えないような演出をすることがあるそうなのですが、文字のみの表現で名前をなくすと、いい感じに人間性を奪うことができていいんじゃないか、などとそれっぽいとを言ってみたかったので言ってみました。完全に後づけです。
宇宙人だから日本語が不自由なのかと思いきや、カヒコの母親はLINEで、問題なく文章が書けました。
これには私も驚きました。
日本語が不自由なのは宇宙人全体ではなく、カヒコ個人の問題であるとわかりますね。LINEのやり取りがあることで対比になり、説明を果たすことになって結果的によかったなと思いました。
カヒコはおそらく精神科医Tに何かされたのでしょう。
2.Y氏と隣人
主人公の名前をYにしたあと、聞いたことのあるタイトルをもじりました。
毒薬、という言葉が浮かんだので、そこから連想ゲームみたいに書いていきました。ミクロは、頭の中では手塚治虫先生の絵で再現されます。
増田こうすけ先生の影響を受けています。
科学とか専門的なことがわからないので、思いついてもそれを描く力がないなということを、後半で思い知るなどしました。
書いていて楽しかった作品です(全部そうだけど)。
3.AI(アイ)
その日、仕事が終わって外へ出たら空が曇っていて、ふと「いい天気だね」「曇っていますよ」というやり取りが浮かんだのでした。
頭の中にあったのは、乙一さん『ZOO』収録作『陽だまりの詩』。ああ、これだとあのままになっちゃうかな、と思ったのですが、同じことを書いても同じにはならないだろうから、いったん書いてみよう、と思いながら書いていました。
誰かの「天候に良い悪いはない」という言葉と、ドラマ『カルテット』のなかで満島ひかりさん演じる世吹すずめが「曇りが好き」と言っていたのも思い出していました。
作中の「見分けがつかないほど似ているなら~」は、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』にあったセリフのうろ覚えバージョンです。友情出演(?)。
あとになって気づいたのですが、アイはアルファベットのIでもありますね。
やってみて
複数の作家が同じ設定、同じ世界、同じ舞台で書く、そうすると一体どうなるのか。今はまだわかりません。ただ、これは”共作”ではなく”競作”だという感じはしています。
これは戦いだ。
作品の中に別の作品のキャラクターが出てくるの(クロスオーバー)は私の好みでやっています。これもしりとりっぽくて楽しい。読者としてもこういうの好きです。
舞台が同じでも同じようにならないのが不思議。
作品世界が広く、深くなる。そういう面白さもある。
思いがけない展開になる。
これからどうなるのか、私自身わかりません。
とても楽しみです。
※時系列で読みたい向きへ。
↓暫定ですが、スプレッドシートにまとめました。
トザマワールドタイムライン
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