博士後期課程年間100ステージ概論


1. 緒言

皆様、お世話になっております。
滋賀県のバンドでドラムを叩いたり、違うバンドでベースボーカルをしたり、はたまた個人名義で作曲していたりする私です。

先日、9年間通った大学の卒業式を終えました。
まさかこんなにも大学に所属することになるとは、私も思っていませんでした。
気付けば、名前をローマ字で検索エンジンに入れると、SNSの次に執筆論文が出てくるようになりました。
なかなか面白い人生です。

さて、「博士後期課程年間100ステージ概論」と大層なタイトルをつけて書き始めてみました。
端的に言うと、

大学院博士課程所属中に年間100ステージ以上ライブハウスに立った話


です。

1つ誤解しないでいただきたいのは、概論と銘打ちましたが、大学院に所属していてもバンドを活発に動かせる方法論ではなく、私の場合どうだったかという話だという事だけ念頭に置いておいてください。
可能な限り燃えたくないです。

そもそも大学院生かつバンドで積極的に活動している人間など極少数だと思われますが、もしそうなりそうだったり、そうなろうと思っている人がいれば参考になることもあるかもしれません。

因みに、私自身が大学院博士後期課程に所属していた 2021年4月 から 2024年3月 までのうち 2022年 137ステージ、2023年106ステージ を敢行しました。
これは大学院生はさておき、バンドマンから見てもやりすぎなのではないでしょうか。
今更ながら、とち狂った生活をしていたんだなと実感します。


2. 大学院とは

大学院という機関の存在について、
「聞いたことはあるけれど何をする機関なのかは分からない」
という方が殆どなのではないでしょうか。
私自身、高校生の頃までは大学院に対する印象は同様のものでしたし、まさか自分が進学することになるとは 1 mm も思っていませんでした。

ここから先は私の意見や価値観も介在するので、間違っていると思われることも主張することをお許しください。


さて、大学院とはどういう機関であるか誤解を恐れずにと言うと、「大学内に存在する研究をする機関」です。

大学の所謂学部では、所定の要件を満たすだけの単位を取ることで卒業となります。
大学院でも学生としての基本的なシステムは同様ですが、授業よりも研究に重点を置くことになります。

学部生でも、3年次以降にゼミや研究室に配属され、そこでの活動が必修単位となっていることが多いと思います。
大学院では、その研究室やゼミ単位での活動が必修科目であることは勿論のこと、基本的には殆どの時間を研究室などで過ごし、論文を書くことが目的となります。

そういった性質がある為か、学部生は「卒業」するのに対し、院生は「修了」します。

この大学院は前半2年間、後半3年間に分かれており、それぞれ修了することで「修士」「博士」という学位が与えられます。
(正確に言うと、4年の学部卒業でも学士という学位は与えられますが、殆どの場合は掲げられることはありません。)

因みに、学位は
学士号 Bachelor (バチェラー)
修士号 Master (マスター)
博士号 Doctor (ドクター)
と呼ばれており、該当期間の学生は、学年の前にそれぞれの学位の頭文字をつけて、B3, M2, D1 の様に呼ばれます。

この学位というものは、どんな学問をどの程度修めたかを認定するもので、所謂会社勤めをする際の待遇が変わったりします。(とは言ったものの生涯賃金で見るとあまり変わらないことがあったり、学位が無いと就けない職業の方がマイノリティです。)

しかし、大学院に進学する学生は少なく、特に博士号取得者は日本人口の0.4% 程度だと言われています。

更には、博士号は取っても食えない (仕事にならない) という意味で「足の裏の米粒」と揶揄されています。

これは博士号を取るに至ると、当然その分野のスペシャリストとして扱われ、雇用する会社的には寧ろ使いにくい人材になること及び、教授という職業の性質上、博士号を持っているからといって誰にでも就ける仕事では無いことが要因になっていると考えられます。


3. 大学院への進学理由

私が所属していた大学は所謂、理工系の地方国立大学でした。
その為か、多くの学部生が就職より、マスター (修士課程) への進学を選択していました。
そうすることで大企業への道が拓かれたりすることもあります。

私自身もマスターへ進学後は就職するつもりでした。

しかしながら、音楽が楽しすぎて学生のモラトリアムを延長したくなってしまったこと、大きな研究成果が出そうなタイミングで修士課程が終わりそうであったこと、などが重なりドクター (博士課程) へ進学することになりました。


4. 音楽を続けられた理由

先述したように、学生のモラトリアムを延長をしたところで音楽を続けられるかは不確かでした。
何なら、マスターへの進学を決めた段階で界隈の前線から退くことの方が一般的だと、感覚的には思います。

それでは何故、私が続けることができたのか。
更には年間100本を超えるステージに立ち続けることができたのかというと、

ひとえに指導教授が許してくれたからです。

まあ、許してくれていたというよりは黙認していてくれたの方が正しい気もします。

指導教授自身、様々なことに興味を持っている人でした。
かなり歳をとってからギターを始めたりと、何かにつけてアクティブであったこともあり、成果さえ出していれば多少は許すが、昼夜問わず研究のことは考えておけ、というスタイルの人でした。

これは私とも近い行動原理でした。

例えば、楽器の上達の為の練習に割ける時間が限られていることは自明です。
では、どうやって同じ時間を練習に割いている人と差別化するのか。
それに対する私なりの答えは、「手を動かしていない時間も考えておく」というものでした。

何か課題を見つけた時は、次にそれに尽力できるタイミングまでに、幾つかの解決策を持っておけば、短い時間で効率化できるはずです。
私の場合、この考え方は研究にも活かすことができました。

また私の研究分野的に、実験の待ち時間が少し多かったのも幸いし、かなりアクティブに音楽にも携わることができました。

金銭面に関しては、某財団からの給付型奨学金に採択いただいていたことが大きく、日常生活に困窮することはなかったように感じます。

勿論、財団への定期報告書には音楽のことを書いていましたし、結果が出たことを報告した際には、
「まさか本当に継続できるとは思っていなかった。正直驚いている。」
といった旨のコメントをいただいていました。

1つ勘違いされたくないことは、別に過度にサボっていたわけではないということです。

確かに、同期の学生達に比べれば研究室に居た時間は多少なりとも短く、それ以外に割いた時間が多かったことは確かです。
ただシンプルに、1.5倍頭を動かして折り合いつけていたつもりだったことだけは認めていただければと思います。


5. 何故そんなにライブが多かったのか

そもそも私が正規で所属しているバンドは、所謂ライブバンドであり、2022年は90本前後、2023年は60本前後ライブをこなしていました。

また、ありがたいことに私にはドラムの適性があるようで、サポートドラマーとして友人のバンドに頼ってもらえることも沢山ありました。
本当に両親に感謝です。

サポートドラマー (サポートメンバー) について簡単に説明しておくと、正規メンバーが居ないバンドがライブをする為、フリーや他のバンドに所属しているプレイヤーに演奏を依頼するシステムです。
これに関してギャラがどうのこうの論争が定期的に起こります。

閑話休題

実は、ドラムとして正規所属しているバンドのメンバーにもう1人同じ状況の人間が居て、彼はサポートメンバーとしての活動こそしていませんが、博士後期課程での成績優秀者として学長表彰を受けていました。
正真正銘のバケモノです。

ということで先述したように、私が大学院博士後期課程に所属していた 2021年4月 から 2024年3月 までのうち 2022年 137ステージ、2023年106ステージ で演奏させていただきました。


6. 今後どうするのか

ということで2024/03/25に博士後期課程を修了したわけですが、
「君は一体どうしていくのですか」
という話になります。

結論から言うと、2年間は別の大学でMBAの取得を目指します。
簡単に言うとビジネス分野の修士です。

とにかく正規雇用で働くことから逃げに逃げている状況です。
2年後どうなっているかは全くの未定です。何物にもなっていないかもしれません。

ただ、今やっているバンドを辞めるつもりは無いですし、個人での作曲活動も続けていく予定です。
なんなら、こんな面白い人生や価値観を育ててもらえたので、今更ながらYoutubeでも始めようかなと、さっき思いました。(現在日時 2024/03/27 15:34)

諸々のSNSなど以下に貼っておきますので、
「お前のことは知らないけど気になったからフォローしといてやる」
「前から知ってたけどフォローしてなかった」
みたいな方がいらっしゃれば、是非チェックしてください。

それでは、長々と読んでいただきありがとうございました。
お会いできた暁には、色々な話をしましょう。

個人
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https://www.instagram.com/somatsuna_58/

Abalajah (個人作曲)
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ナイトサファリ (ドラムとして所属しているバンド)
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HP
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matsuri (ベースボーカルとして所属しているバンド)
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https://www.instagram.com/matsuri_mw_band


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