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Soda ash washing / 化粧パフができるまで-染色加工編-

弊社、杣長(ソマチョウ)は化粧パフで使用されるビロードを製造している京都の会社。

そもそも、ビロードってなんだ?、と気になる方はこちらをどうぞ。

ビロードは織って完成、とはならない。染色・仕上げ加工を行って始めて、柔らかい風合い、そして、毛立ちの良いパイルに仕上がる。
※パイルとは、毛の部分のこと
今回は、この大事な染色・仕上げ加工を行っている昌和染織を訪れた。

恐竜王国ふくいに昌和染織はある

昌和染織はビロードの産地である福井県は福井市にある。2024年の北陸新幹線延伸に伴い、JR福井駅の駅舎は「恐竜王国ふくい」の玄関口として、大幅にリニューアルされた。訪れた人を、たくさんの恐竜たちが迎えてくれる。

トリケラトプスの台座には「恐竜王国ふくい」の文字
LEGOで作られたフクイラプトル


そんな福井駅から車で10分(駅チカにあるシェアサイクルなら20分)のところに昌和染織はある。

昌和染織の周りには田園風景が広がっている

冒頭に書いたように、昌和染織では染色・仕上げ加工を行っており、ビロードの品質を決定する重要な工程となっている。

染色加工ってなんだ?

では、まずこの染色加工とは何をするのか?
ざっくり言ってしまうと、丸一日をかけてビロード生地を洗い続ける工程だ。

ビロードが染色機の中をグルグルと回っている

一般的な染色加工で使用される高圧高温染色機を使用すると、数時間で終わってしまう工程だが、ビロードでは一日がかりでこの工程をおこなう。
それは、高温・高圧で染色をしてしまうと、生地にストレスがかかり、パイルが潰れてしまう(圧力鍋を想像して欲しい)からだ。

そのため、ビロードでは、常圧でじっくりと仕上げていく。

染色加工の具体的な目的をみていくと、主に3つある。

染色加工の目的

  • 1つめは染めること。
    染色の文字通り、希望の色に染めること

  • 2つめは、ビロード生地についている不純物や糊を落とすこと。
    糊はビロードを織る際に、糸同士の摩擦を防ぐ目的で付けているが、糊が付いたままだと、生地はザラザラと硬い。

  • 3つめは、生地をリラックスさせること。
    パイルには糊が付いているため、花のつぼみの様に閉じているが、それをじっくりと開かせていく。

左が染色加工前、右が染色・仕上げ加工後
右のパイルは糸同士に隙間が生まれソフトな風合いになっている

記事のタイトルにある「Soda ash washing」。日本語にするとソーダ灰による洗浄。ソーダ灰とは炭酸ナトリウムのことで、染色加工では洗剤として使用されている。
現在は化学薬品として製造されているが、もともとは海藻を燃やした灰から作られていたようだ。
※染色工程を「Soda ash washing」と呼ぶヒトに出会ったことは、今のところ無い

閑話休題。このように一日をかけて、じっくりと洗い続けることで、生地の不純物を落とし、そして、生地の柔らかさを引き出す染色工程が行われている。

染色加工のあとは、仕上げ加工をおこなう。…が、これは、また次回に。


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