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【9月組織づくりテーマ】新卒の受け入れ体制

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9月の組織づくりテーマは「受け入れ体制づくり」です。新卒採用をされている企業様であれば、“採用担当者以外は、新卒の入社に関心がない”、“内定者の入社後のギャップが心配”などの悩みは、尽きないのではないでしょうか。社内に、新卒入社に対して前向きな危機感を持たせ、内定者にも前向きな気持ちで入社してもらうためには、何が必要なのか。  
そこで、弊社ソリューションでブランディング事業部責任者兼、採用責任者を務める川口さんにインタビューをしました。
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採用責任者:川口 美音さん

Q:「新卒の受け入れ体制作り」の成功体験について、川口さんの体験やお客様とのエピソードを教えてください。

1点目は、内定者インターンシップを「責任者管轄」にしたことです。今まではインターンシップの内容をすべて、採用担当の私が考えていましたが「コンサルメンバーの分はコンサル事業部でお願いします」としました。

そうすることで、以前にセミナーでもお伝えした通り、内定者期間の内から「この内定者を育てていくんだ」という意識をコンサルメンバー自身が持つことができ、「スケジュール管理をする」という内定者が入社後に実践することを、疑似体験することもできます。実際に、コンサルメンバーのインターンシップは、お客様の支援同行など、コンサルメンバーに確認してから決めなくてはいけない項目もあったので、その意味でも依頼したことは良かったなと思います。

2点目は、内定者フォローの中で「内定者の気がかり解消」の場を設けたことです。過去に何度か受け入れ体制づくりをやる中で、大切だと気づき、毎年やるようにしています。

一番最初に行ったのが、2019卒内定フォローのときで、メンバーのひとりが内定者に「男はスーツここで買え!」という「お勧めの店を紹介する」ということがあって、そのとき、確かに入社前ってそんな不安はあるだろうな、知っておいたほうが安心だろうな楽だろうなと思ったんです。そこからは、きっと男性女性それぞれに別の悩みがあるだろうということで、正式にスタートしていきました。

この場を設けたことで、内定者にとっては「悩んでいるのは私だけではないんだ」と気づいた時間になったと思います。今年に関しては、お金の話、資産運用の話、引っ越しの際のエリア選びなど、細かいことまで質問を受け解消できました。最初は1時間くらいで終わろうと思っていた「気がかり解消の場」でしたが、結局丸1日かけてやることになりました(笑)

その分、入社までの不安を減らしてあげることができたり、こちらとしても、どんなことに不安を感じやすい子なのかということを把握する機会にもなったのではと思います。

Q:「新卒の受け入れ体制づくり」の失敗経験について、川口さんの体験や、お客様からいただくお声があれば教えてください。

2020年卒の内定者で行った「内定者プロジェクト」ですかね。このプロジェクトでは、2名の内定者に「就活イベントの企画と運営」をお願いしていました。こちら側が、内定者に関わる時間も長かったはずですが、結局、就活生の集客ができなかったりと、目標の未達が続いてしまいました。もともとは、しっかりと目標を達成させてあげて、内定者のうちから達成感や、社会人に繋がるような学びや気づきを得てもらうことが目的だったので、達成できなかったことは、申し訳なかったなと思います。

これにはいろんな要因があって、内定者が久しぶりに男女だったこと、遠方同士の2人だったこと、2人とも部活など何かしらのイベントがあったりして、採用担当としても連絡が蜜にとれていたのかといったら、そうではなかったと思っています。初の内定者イベントとして挑戦したことは後悔していませんが、達成させてあげられていないことは失敗だったなと思います。


Q:お話にあった成功体験や失敗体験から、今後の内定者フォローに活かしたい気づきはありますか。


内定者フォローの大変さは「人数の多さじゃない」ことに気づきました。大切なことは、採用担当社と内定者の「距離感」や「どこまで握れているのか」ということ。なので、2名採用の時よりも、4名採用の21卒の方が、内定者フォローはやりやすかったなと思っています。

その意味で、21卒で一番やってよかった内定者フォローは、4人で巨大なパフェを食べるという「パフェ会」や、六甲で行った「謎解き」です。あの2つがあったから、内定者それぞれのことを握れたし、あれがあったからこそ同期同士も、仕事の価値観云々ではなくて、生きる上での価値観の違いを知ることができたのだと思います。同じ空間で同じことを経験して同じ価値観を経験することが大切だったんだなと思います。


Q:内定者フォローにおいて採用担当者が、他事業部を巻き込むときのポイントはありますか。

結局は、関係性が大切だと思いますが、大切にしていることは、内定者インターンシップをいつの時期にやるかということを早めに伝えておくことだと思います。内定者は、来年の1年目ということなので、そのメンバーに関わる時期が“今なのか”“来年か”の違いだけだと思うので、しっかり協力してもらうことは必要だと思います。

また、依頼の仕方として、「●●はインターンシップの中で経験させてください」というリクエストの提示をすることも大事だと思います。ソリューションのが場合は「テレアポ50件、支援感想文提出、企業調査3件」は、リクエストしている項目になります。
あとは、依頼した方が責任者であっても、責任者一人がフォローを担うのではなく、その事業部全体で取り組むように、促すことも必要だと思います。結果、内定者が入社して一番関わるのが、責任者でない場合もあると思うので、より入社後をイメージしてもらうためにも、事業部全員が関われるようにフォロー体制をつくることはお勧めです。


Q:「新卒の受け入れ体制づくり」で拘っていることや大切にしていることについて教えてください。

内定者が入社する前の組織の状態をちゃんと把握して、組織をより良くするために動くことです。入社前の組織がこんな状態だから、彼らが入社のときにはこんな状態になっていたいと、見えていることが大事だと思います。

学生さんのインターンシップを行っている一番の理由は、実はそこにあります。インターンシップ生を受け入れることは、4月から新卒を受け入れることの疑似体験のようなものなので、インターン生にメンバーがどのように関わっているのかを見たり、またインターンシップ生が仕事をする中で、どんな所感を持ったのかなどは把握するようにしています。インターン生が感じた違和感などは、来年の新卒も違和感に感じることだと思うので、このように「今の組織状態」を見て「来年の理想を描く」ことは、新卒を受け入れる上でとても大切だと思っています。


Q:組織が「新卒が入ってくる」ことにいい意味での危機感を持ち、行動するためにもっとも大切なことはどのようなことだと思いますか?

年次に関係なく、内定者と直接関わらせることで「後輩ができる」という危機感を持たせることだと思います。学生時代の部活動でも、自分たちで集客した子たちを 、自分たちで教えていくと思うんですけど、あれを先生や特定の人がやったらダメだと言うことに近いです。直接関わることでしか「来年この子たちが入ってくるんだ」という危機感は、生まれにくいのではと思います。


Q:これから新卒をはじめる企業様が、新卒受け入れ体制をつくるために、内定者のうちに取り組むべきことはどのようなことだと思いますか。

まず最初は、新卒採用の価値を理解してもらうことです。その次にやることは、入社した内定者に「一番最初の新卒だ」と伝えることだと思います。そうすることで、今後整っていないことがあったとしてもそこを理解して、一緒に制度や習慣をつくり出すことができます。そして、それを伝えたあとは、内定者と一緒に受け入れ体制をつくることが大切だと思います。
初めての採用のときにこそ、「こういう内定者研修をしよう」「外部のこれに行かせよう」とこちらの思考だけで内定者フォローを進めてしまうことが多いので、注意が必要です。内定者一人ひとり、求めていることも違うので、しっかり内定者の声を拾いながら、会社としても経験を積みながら、ベストな受け入れ体制づくりを模索することが大切だと思います。


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