【6月組織づくりテーマ】リーダー育成
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6月の組織づくりテーマは「リーダー育成」です。
若手社員が成長するために、チームをまとめるリーダーがやるべきことは何か。組織の成長において、リーダーの成長は欠かせません。
そこで、弊社ソリューションでお客様先でリーダー育成に携わり、社内で責任者を務める、ビジョン実現室の城さんにインタビューをしました。
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ビジョン実現室:城 麻実 さん
Q:お客様と関わる中で、「チームづくりに成功しているリーダー」のエピソードがあれば教えてください。
不動産業界の企業様のエピソードですが、社内の営業と営業サポートという職種間で、自店舗の目標に対する協力体制が作れていない中、ある店舗ではリーダーの店長を中心に、全員で一つの目標を追いかけるチームづくりに成功しました。店長であるAさんは入社1年半で、20代~30代の社員をマネジメントしています。他店舗はトッププレイヤーである営業の方の活躍が目立ちましたが、Aさんの店舗では営業と営業サポートが連携することで、お互いの業務をフォローし合いながら目標達成をしています。例えば、週一回のミ―ティングで、店舗目標をもとに営業の方々が自身の業務内容を発信し、営業サポートにフォローしてほしい項目を共有する時間を設けています。その結果、営業サポートの方々もただ頼まれているのではなく、店舗目標の達成のために仕事を任せてもらっているという視点を持って動いてくれるチームになりました。
また、小売業界の企業様では店長を務めるBさんを中心に、一番活気に溢れて売上が伸び続けている店舗があります。以前、その店舗で働くスタッフの方々は、他の店舗から問題児が多いというレッテルが貼られていました。そんな状況の中で、Bさんが店長を任されてから取り組んだことは「成功したら褒める」ということでした。具体的に言えば「一番この店舗がすごいんだ!」と伝え続けたそうです。これまで部門ごとの売上重視でしたが、Bさんが就任されてからは店舗自体の売上重視に変更し、一人の成功を全員で喜び合うチームづくりに挑戦されました。そうすることで、スタッフ一人ひとりに自信がつき、自然と数字が上がっていったといいます。また、覆面調査による店舗評価においても、他店舗より評価が高くなりました。上司の価値観で褒めるのではなく、全体の目標に対して、全員で褒めることができる風土になったと感じます。
Q:リーダーとしてチームをまとめているお客様で、若手社員が成長しているなと実感した場面ついて教えてください。
不動産業界で働くCさんという若手社員の方が成長されているな、と感じます。Cさんは、もともとスポーツインストラクターとして働かれていらっしゃったのですが、1年前にこの会社に転職された27歳の男性です。入社1年で早くも成績が出ており、役職がついた方でもあります。Cさんの上司であるDさんは、まずは若手社員に経験を積ませ、体感して覚えさせるというマネジメントスタイルでした。Cさんは「現場経験をたくさん踏ませてもらえたことが、成長できた一番の理由です」とお話されています。また、Cさんはマネジメントを通じて、後輩を育てていきたいという気持ちが強く、いずれは「この会社の人事として、人材育成をしていきたい」という個人のビジョンを持っています。上司のDさんはCさんとの面談で、そのビジョンに共感し「実現したいなら、まずは店長を目指そうよ!」と達成のためのロードを提示してくれたそうです。現在、Cさんは店長を目指して、日々努力されています。
Q:リーダーを育成する上で、育成する側である経営者や経営幹部は何に気を付けて、どのように行動すべきと考えますか?
気をつけるべきポイントは、大きく5つあると考えています。
①会社の方向性をリーダーに理解させる
②会社の方向性の中で、リーダーに「どういった人材を育成する必要があるのか」ということを考えさせる
③リーダーに対して、経営者が育成者としての背中を見せる、もしくは背中を見せることができる上司をつける
④現場の人間に対して、経営者がリーダーの悩みや愚痴を言わない
⑤リーダー同士の繋がりを作り、自身の役割とその連動イメージを持たせる
ここで言う会社の方向性とは、会社のビジョンといった「●年後は〇〇を実現する」という目指すべき指針のことです。②を考える上で「リーダーが部下の実現したいことや成長のイメージを知り、一緒にキャリアイメージを描くこと」が大切です。その方向性をもとに、いつまでにどんな人を育てなければいけないのかが分かるようになれば、キャリアイメージを描く際に、適切な指導ができるようになります。また、キャリアイメージを描く上で、この会社でどのように活躍したいのか、直近(せめて1年間)のビジョンは必ず聴いていただければと思います。
そして、リーダー育成がうまくいっていない企業は③~⑤ができていない傾向にあります。
誰しも若手社員から始まり、誰かに育ててもらった経験があります。とは言え長年、自身の上司・先輩と同じやり方を続けて成功したとしても、そのリーダーに合っていないやり方であれば効果はありません。やり方が合えば経営者が、合わなければ適切なやり方を行う上司をつけることで、リーダーを引き上げていきましょう。
本人は愚痴と自覚していないかもしれませんが、経営者がリーダーの悩みや愚痴を言ってしまうと、部下は良くも悪くも経営者が言っていたことをそのまま受け取ってしまいがちです。経営者は自身の管理職に対する評価が社員に伝わってしまうことを前提と捉えて、基本的に褒めるようにしてください。
リーダーという役割を与えられると、責任感から「自分が、この拠点・店舗をどうにかしなきゃいけない」ということに囚われてしまうことがあります。同じリーダーという立場の社員がお互いの価値観を共有する機会を設けるようにしてください。おすすめは月1回の2時間程度のミーティングです。しかし、どうしてもパワーバランスが強い方の意見や発言の頻度が多い方に偏るようになってしまいます。「うちにはうちのやり方が」といった考え方を壊し、他の店舗の意見を取り入れる姿勢を持ってもらうようにしましょう。特に、数字や結果だけでなく、やり方やあり方の情報共有に重点を置くことをすすめします。社内の実施が難しければ、私たちのような第三者であるコンサルタントを入れることも一つであると言えます。
Q:成功するリーダーを育成できる環境はどのようなものだと思いますか?
企業として「事業を行う目的が明確であること」と「経営者とリーダーが上下ではなく、横同士の関係であること」が大事ではないでしょうか。
「事業を行う目的が明確であること」は言い換えれば、事業を通して必ず成し遂げたい理想の社会である“ミッション”が明確かどうかであると考えています。「何のために」という目的がなければ、リーダーが自信を持ってチームをまとめることはできません。また、一般的に役職者であるリーダーは、経営者に評価されると“上”に見てしまいます。理想の環境は、経営者とリーダーが共に同じ目標を追っている状態です。もちろん、経営者がリーダーの“下”になってしまっても、意味がありません。上下ではなく、対等に向き合う横同士の関係を目指してください。
Q:チームづくりがうまくいっていないリーダーに何を伝えるべきだと思いますか?
ぜひ、うまくいっていないリーダーに以下のことをやっていただきたいです。
・これまで自分が成長してきた環境を振り返る
・なぜ、この会社で働き続けているかという理由を明確にする
・自社の事業に対して共感するポイントを明確にする
・チームづくりを見直す前に、経営者と目線合わせをしておく
会社に入社してから現在まで、印象的な出来事や良かったこと・悲しかったことを洗い出し、一本の選で結ぶ「ライフウェイク」というワークをやってみてください。経験と感情を整理することで、自分自身がやってもらってきたこと・やって欲しかったことを思い出し、リーダーとして大切にしたい教訓が見つかると思います。
また、自分自身の仕事における「自信を見つけること」が大事であると考えています。自分自身の働く目的が、自社のミッション・ビジョンと繋がっていることを自覚できれば、仕事に対する自信に変わるはずです。自信がつくことによって、事業に対する共感ポイントをより具体的に言語化できるようになると思います。
そして、何よりも大切なことは、チームづくりがうまくいかない場合、経営者と目線合わせをする時間を設けましょう。そうすることで、改めて、経営者と一緒に理念・ミッション・ビジョンに立ち返ることで、新しい観点や次なる一手が見えるはずです。
Q:成功するリーダーが活躍することで、組織にどのような変化を与える(与えられた)と思いますか?
組織状況によって、様々な変化があると思いますが、以下の3つの変化が組織に与える変化は大きいと考えています。
・もっと責任のある役職に就きたい、仕事がしたいと思う社員が増える
・社員が自社の未来に期待を持てるようになり、一人ひとりが定着する
・自社に対する貢献意欲が高まり、一人ひとりが成長するきっかけになる
・採用において、質の高い学生や求職者が集まる
リーダーが活躍することで、その役職を目指す人材が増えれば、企業として店舗や拠点を展開しやすくなったり、新しい事業を展開できるようになったり、新しいポジションが生まれたり、サービス展開の幅が広がるようになります。社員が自社の未来に期待できるようになれば、次のポジションが明確になるため、挑戦の大きさや幅が広がるようになるはずです。その結果、自社に対する貢献意欲が自ずと高まっていき、一人ひとりが継続的に成長し続ける環境が生まれます。最後に、社員の成長によって、自信を持って採用活動を進めることができ、より良い人材育成のために時間を割けるようになることでしょう。
ぜひ、リーダー育成を進めていっていただきたいです!
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