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昇格させたが降格させたい、幹部への葛藤【情熱社長倶楽部】VOL.125

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【今週のご相談内容】

新店舗を立ち上げるにあたり、ある社員を
店長として昇格させたものの、正直、抜擢ということではなく、
消去法的に選んだため、今後の降格の仕方を悩んでいます。

現状として、店舗内から店長に対する不満の声が多く、
実際に経営陣としても「降格させたい」という想いもあります。

一方で、この店長は、トップセールスという実績はあるため
「降格させて辞めてしまっては困る」
「他の社員と揉めたりしても困る」
という想いがあり、決断が出来ずにいます。

何かしらの新しい一人部署を立ち上げ
そこの責任者になってもらうことを検討しているが、
特段必要な部署もなく、困っています。

どのようにしたら、一番自然な流れで人事を変え
組織を良くすることができるでしょうか。

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【今週の回答】担当:代表取締役 長友威一郎より


ご相談ありがとうございます。

新店舗の立ち上げで、重要な店長職という立場を
消去法で決めることには、何かしら事情があったのだと思います。

もう少し詳しく現状をお聴きしたいところですが、
ご相談者様に、まず考えていただきたいことが3点あります。


1点目は、経営陣の皆様にとって
その方を降格させたい理由が明確であるかということです。


現場メンバーの様々な不満の声は、確かに重要です。

しかし、経営陣として押さえなくてはならない“事実”は、
店長の方の日頃の言動が、会社の理念やミッション、ビジョンと
一致しているのかどうかです。


例えば、マネジメントする側の発言の主語が
「私は」「俺は」という“自分基準”のものであれば、

働くメンバーの判断基準は
会社ではなく、上司になってしまいます。

大切なことは、マネジメントする側の主語が常に、
「会社としては」という“会社基準”であるかということです。

現場メンバーの声だけを鵜呑みにするのではなく、
実際に店長はどのような言動でメンバーに関わっているのかを
経営陣としてしっかりキャッチしていきましょう。


その“事実”が明確であれば、
それを伝えることが、店長の方も現場メンバーも、
各々が成長するチャンスなのではないでしょうか。


2点目は、社員様に店長を任せた理由が
“トップセールスマンだから”だけだったのかということです。

中小企業において、組織を引っ張る立場である
店長クラスの退職を恐れる気持ちは私も十分理解できますが、

今一度、なぜこの店長の方が辞めると困るか、
揉めると困るのかを考えてみていただければと思います。


もしも「数字をつくる人がいなくなることだけが不安」
ということであれば、

少し厳しい伝え方になってしまうかもしれませんが、

それは経営陣としての“任命責任”を
果たしていないことだと私は思います。


経営陣が経営判断として、その方に
新店舗の店長という大切な役割を任命したのであれば、

任命した方の“強み”を信じ、
それを活かす方法を考えることが
“任命した側の責任”ではないでしょうか。


きっとご相談者様も、この方を店長に任命した当初は、
会社の未来に対する期待や信頼があったはずです。

是非、店長の方の“強み”を再度思い出し、
今後のどう会社に貢献してほしいのかを
明確にするところから始めていただければと思います。


3点目は、店長の方は今何を考え、
課題と感じているのかという事実を知ることです。

恐らく、現場メンバーから不満の声が挙がっている状況であれば、
経営陣以上に、店長の方がご自身の立場に葛藤していると思います。

悩み、苦み、進退を考えているかもしれません。

店長という新しい立場になったからこそ感じている課題や、
取り組んでいきたいことがあるかもしれません。


“任命した”経営陣がしっかり寄り添い、店長の方の考えを聴き、
どのように自社に貢献して欲しいのかを伝えてみてください。

店長の方は、きっと心を開いてくれると思いますよ。


以上が、ご相談者様に考えていただきたい3つのことです。

最初から任せた役割を
100%実行できる人材はなかなかいません。

私も自社では「自らの期待」と「実際の責任者の行動」には、
迷い、葛藤することが多くあります。


しかし大切なことは、

相手に期待した当初の自分自身の“決断”を信じ、
アクションをし続けることではないかと思います。


是非、期待している相手の現場での言動の事実を押さえ、
強みを活かす方法を考え、その方の今の想いを確認するところから
スタートしてみてくださいね。

きっと見えてくるものがたくさんあると思いますよ!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


長友 威一郎


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