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理念浸透、どう測る?【情熱社長倶楽部】VOL.192

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【今週のご相談内容】
弊社は、理念経営をしています。

先日ある幹部と「理念浸透」の話題となり、
そもそも理念浸透とは何か、という話題になりました。

私は「社員が通常業務の中で、
理念に基づいた行動をすること」
だと答え、

幹部は「全員が理念を覚え、
意味を語ることができる状態」
と答えていました。

そこから議論をしていく中で、

理念を語れたとしても行動が変わらなければ
意味がないため、実際に現場の行動レベルで
理念の浸透の度合を測っていこう、
という話題となりました。

理念浸透の度合いを確認する際に、
気を付けた方がいいポイント
や、
こんな取り組みをしているという他社事例があれば、
教えていただきたいです。

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【今週の回答】代表取締役 長友 威一郎

ご相談ありがとうございます。
幹部の方と理念浸透について
議論が出来ていることが素晴らしいと感じました。

弊社がクライアント様にお伝えしている
理念浸透度合いの確認方法には、
ある5つのステップがあります。

どんなものかというと、

①発見
②理解
③共感
④行動
⑤習慣

の5つで、貴社ではすでに実施できている部分も
あるかもしれませんが、確認の意味も込めて
改めてお伝えいたします。

今の自社はどのステップなのか、
これからどのような取り組みをすればいいのか、
想像しながらお読みいただければと思います。

最初のステップである「発見」とは、
理念を“正しく”知っている状態
を指しています。

多くの企業様でよく目にすることは、
「うちは理念を伝えているから、
全員把握もしている!」と
経営陣の方々が自信満々におっしゃっていても、

実際に社員様にお話をお伺いすると、
現場責任者も含め、理念を知らなかったり、
曖昧に認識していたり、文言を間違って記憶していたり
ということがあります。

「伝える」と「伝わる」は違うということですね。

だからこそ、まずは「理念を正しく知る」ことが
理念浸透の第1歩になります。

企業様によっては、
手帳を作成して全社員様に配布したり、
弊社では理念の1つ1つの言葉の意味を
経営計画書に記載するなどの工夫をしています。

しかし、ここまでやっていたとしても、
「理念を正しく知る」ことは難しく、
経営陣の方であれば「言っていることが伝わらない」と
感じる瞬間もあるかと思います。

だからこそ、ここは時間をかけて丁寧に、
何度も何度も伝え続けることが必要です。

2つ目のステップは「理解」です。

弊社ではこのステップを“頭で理解”と定義していて、
何も見なくても理念を話すことが
できる状態
を指しています。

日々の会話の中や面談時、
また会議の冒頭10分ほどで
理念の文言や意味合いを伝え合うなど、

いかに理念に触れ、すり合わせる場を
設けるかが大切です。

本来の意味合いで理解している社員、
ちょっとしたニュアンスが違う社員、
そして全く違う認識を持っている社員など・・・

正しく理解している社員が思ったよりも少ない
という現状もあるかもしれませんが、

まずは今の現状を知り、少しでも“頭で理解している”
社員を増やしていきましょう。

3つ目のステップである「共感」は、
先程の“頭で理解”に続いて“心で共感”と定義しており、
文字通り「自分もそうだな」と感じている状態

指しています。

「共感できるもの」は、
自らの過去の経験に紐づくものが多いので、

具体的に、

・理念のどの文言に共感しているのか
・どのような過去の経験があったのか

を共有することで、理念の共感度を確かめ、
高め合うことができます。

だからこそ、“頭で理解した”次のステージとして
そのような場を設定することが大切です。

4つ目のステップは「行動」です。

理念に基づいた行動ができている状態を指しています。

一言に「行動」と言っても様々な捉え方があるからこそ、
企業様によっては「行動指針」を
明確にされているところも多いのではないでしょうか。

そのような基準があれば、社内での実践度合いも
確認しやすいのではないかと思います。

「行動指針がない!」という企業様においては、
是非、理念に基づいた行動とは何かを
明文化するところから始めてみてください。

その際は、より理念浸透の当事者に
なってもらうためにも、幹部や現場責任者を中心に
決定することをおすすめします。

最後のステップは「習慣」です。

“習慣”とは辞書で引くと
「長い間そうすることによって、そうすることが
あたかもきまりのようになったこと」
と出てきます。

つまり、“理念”が当たり前のようにあり、
日々のふとした会話の中で、文言として出てきたり、
判断軸として使われる状態を指しています。

なかなか、習慣化することは
難しく感じるかもしれませんが、

朝礼の実施や理念を感じたエピソード共有、
全社会議で「理念を体現している社員表彰」を
社員投票で決定すること

を実践している企業様もいらっしゃいます。

貴社に合った形で、
日常業務と理念を紐づけて考えることができる習慣や
仕掛けを考えてみていただければと思います。

以上が、理念浸透度合いを確認する、
5つのステップです。

貴社は現在、どのステップにおられますでしょうか?

「理念浸透」とは、企業にとって大きなテーマであり、
形がないため、感じにくいものでもあります。

だからこそ、常に考え続け、
組織の現状に合わせて
取り組みを考えることが必要ですし、

上記ステップを踏めば、必ず少しずつ“変化の兆し”を
感じることができるかと思います。

ぜひ、大切な貴社の「理念」が伝わる未来を信じて、
行動し続けてくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

長友 威一郎 


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