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万引きの君と僕の邂逅

ティーチャーズアソシアのメンバーからお小遣いについて質問があった。

「みなさんはお小遣いについてどう考えていますか?」


このコミュニティではしばしば面白い議題が投下される。

今回の『子どものお小遣い』についていろんな話が出た。

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↓コミュニティのメンバーの投稿に対して、他のメンバーも日記を書くという大賑わいっぷりだ。


今回はそんなお小遣いについて…ではなく、お金の取り扱いについて、過去、子どもたちがやらかしてしまったとある大失敗について話をしていこうと思う。(もうそろそろ解禁してもいいだろう)


次男、万引き事件

実はうちの次男は数年前に万引きをしたことがある。

しかも、一回ではなく何回もだ。


「おかしいな?」と思ったのは、やたらトミカを持っていたことだ。


このトミカどうしたの?

「友達からもらった〜」


にしてはやたら多いし、毎日もらってくるのだ。


「誰にもらったの?」と言っても答えてくれない。

なんか変だな…と思っていたら、またもらいものが増えた。


今度はウェブマネーカードだ。

1,000、2,000、3,000…結構な額だ。


「これどうしたの?」

「使ったやつだからいらない〜ってもらった」


最初はふーんって思って、そんなカードいらんから捨てるかと思って裏を見てびっくり。

なんと、未使用だったのだ。


「さすがにこれはもらうにはおかしいだろう。あのね、これはカードじゃなくてお金なんだよ。もらったならもらったなりにお礼しないといけない。むしろ、その子はお金あげた感覚ないんじゃない?だからその友達を連れてきてくれる?」


「いや、大丈夫。もらったから」


「そういう意味じゃなくて、カードだと思ってお金のやり取りをやっていることが問題。ちょっと連絡しよう」


で、連絡したらなんとその友達が万引きしていることが発覚。

さすがに僕らも凍りつく。


「あのね、これはお金なの。それを盗むってことはどういうことか分かる?」


いつもはふざけたり、ゆったりしているお父さん(僕)がガチギレしている姿にさすがにビビったのか、めちゃくちゃ泣いている。

でも、ここで泣いてもやめないで立ち向かった。


キレても「なぜ」を問いただす

キレた後だったが、大事なこととして彼の本心を聞いてみた。

じゃないと、本当に大事な部分が見えなくなってしまうと考えたからだ。


「怒らないから」と最初に付け加えて、自分の怒りを落ち着かせる。


「どうして盗ったのか教えてくれる?」

「欲しかったから」


「欲しかったらお金払わないでもらっていいと思ったんだ?」

首を横に振る


「じゃあ、どうして盗ったの?」

……


「友達に言われたの?盗っても良いって」

「そう」


「友達に言われたら盗って良いの?」

首を横にふる


本人も分からないのは百も承知だ。

でも、考えさせる。


そうしないとまた繰り返す。

だから問いを何度も出した。


結局、答えは見つからなかった。

ネットにはいろいろ書いてあった。


「お子さんが親への反発を持つと…」

「認めてほしくて…」

「欲しいと思ったものを買ってもらえなかった…」

「学校生活が嫌になって…」


そのどれも当てはまらなかった。

友達と過ごし、衝動的に起こしてしまったことだと思う。


しかし、行動には目的があるのだ。

「欲しかった」の先に「盗ってしまえば良い」という行動はいけないことなんだと自分で気づかせてあげたかった。


存在は認めても悪い行動は認めない

ここで「お前は本当にバカだな!!」とか「お前なんてもういらん!!」とか言ってしまうと、相当なトラウマとして残ったりするし、存在を否定されたとして悪化してしまう。

でも、この万引きを直して欲しい…。


考えた末にやった行動は

めちゃくちゃ怒った後

「お前が嫌いなわけじゃない、お前に正しく生きて欲しいと思って言うんだ」

と素直な気持ちをぶつけた。


つまり、存在は好きだ。しかし、その万引きという行為は認められない。

それは人として迷惑をかける行為である。


こういう風に存在を肯定しつつも、行動を否定するということをした。

そして、盗ったものは素直に返させた。もちろん、親も一緒に返しにいった。頭も下げた。

「盗ったら親が頭を下げることになる。自分以外にいっぱい迷惑がかかる」ということを認識した。


結果、彼は無事に更生し、万引きという行為をやめ、今まで以上に他の人を手伝い、もっと人に慕われる優しい人間になった。


ちゃんと怒ったし、存在を守りつつ、行動を改めさせられたのだと思う。


今回、お小遣いに関してめちゃくちゃお話を聞いて、この話を思い浮かべてしまった。

うちでは特にお小遣いをあげていなかったからではないか…なんて考えたが、正直、彼は自分で金を持っていたし、言ってくれれば買うということはした。


お金というのは精神との結びつきも強く、非常にデリケートでありながらも、日常に溶け込んでいる。

小さな頃から、このお金との扱いに悩む。


欲しいものが目の前にあるのに、お金を持っていないせいで届かない。

子どもはそういう葛藤があるのだと思う。


だからこそ、お金の教育はとても大事だし、小学校からやってほしいと思う今日このごろだった。


ちなみにティーチャーズアソシアは6月はあと2名募集です。

良ければどうぞ^_^



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