地域側から学校でなにかをしたいと思った場合の考え方
こんばんは、ソルティーです。
T-KNITの対話チームのプロジェクト『学校と家庭以外の第三の場所となる対話の場:LHR -Learn Hack Room-』が今、終わったところです。
今日は地域側で学校になにかをしたいという方がいっぱい集まってくれました。
その中で、僕は地域ではなく、学校寄りで参加をさせてもらって、意見を交わしていきました…が。
ある課題が見えてきました。
地域側から学校に対してなにかをしてあげたい!って思った時、『学習指導要領』に沿っていない問題です。
総合的な探求の時間は「何やらせても良い」という時間じゃない
地域側で大きな勘違いをしている部分は『総合的な探求の時間』だなって常々思っています。
地域とすると、『総合的な探求の時間』って「なんでもやらせて良い時間でしょ?」「自由な時間でしょ?」って勘違いしています。
でも、総合の時間って学校毎に、しかも学年ごとにテーマが決まっているもので、実は何を教えるか?というのは年度当初に決められていたりするのです。
地域から持ち出される提案のほとんどは「総合の時間で…」って言われることがありますが、学校が素直にウンと首を縦に振らないのはテーマとズレているからです。
そして、総合の時間であっても決められたカリキュラムの通りに進まないのは非常に困ったりするので、よほどのことがない限りズラしたくないのです。
「総合の時間でやろう」って言う人には、先生たちは「この人、教育を何も分かってないんだな」って思うくらいです。
※全員ではありませんが、良い顔はしないのです
この認識のズレを地域はまず理解しておくことが大切です。
地域は学習指導要領を読もう
地域の課題は学校を知らなさ過ぎることです。
災害ボランティアに似ていますが、災害や、その地域のことを何ひとつ調べずに入っていくと実は迷惑になりかねません。
だから、学校に入る時も、その地域の特色や、学校とはなにかを勉強していくことがとても大切です。
そのために大切なのが、僕のブログでは何度も書かれている通り、『学習指導要領』です。
学習指導要領の通りにするのが確実な最適解ではないとは書かれてはいつつも、理解し、沿うようにするのが先生たちのお仕事の一つです。
その学校教育とはなにか?を知らないまま、地域からの要望は単なる暴力になりかねない。だからこそ、地域はもっと学校教育に興味を持っていく必要があります。
カタリストさんが分かりやすい図解を描いてくれています。
描いてあることをちゃんと読むと…そんなに変なことは描いてなかったりする。地域も学校もお互いに目的は一緒。歩み寄る努力をもっとしていく必要があるのかなと。
だから、ちゃんとした学習指導要領も読んだほうが良いです。
※もちろん先生も読んでいない人が多いです。サラッと流し見するのではなく、少しずつでも良いから理解しながら読みましょう。
地域の提案を学校で通りやすくするには?
地域側の提案を学校で通りやすくするには、『指導案にできるくらいにする』ということに尽きるかなと思います。
昔、T-KNITで作成したまちあるきプログラミングですが、これは何年生のどの教科で、どの単元に該当するか?まで明確に決めてあります。
つまり、すでに授業に使えますよって形で提案しているのです。
ここまですれば、先生たちは無料でダウンロードしたものであっても、使ってくれます。実際に全国の先生たちの中で使いましたって声も出ましたし、総務省の企画で実行した会社が、このまちあるきプログラミングを活用して、大きな成果を上げていました。
「時間がない」「それは難しい」
そう言ってしまう背景を考えていく。
やりたいことをただ学校でやりたいというのだけでは、単なるわがままです。
相手には断る理由がある。それをちゃんと理解しようとし、共に乗り越えようとすることが地域と学校の協働では必要なのだと思います。
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