iPhone1999 -Harmagedōn-
ワト星人からの調査によれば第1期地球支配種であったホモ・サピエンスはその支配期後期において「iPhone」属と呼ばれる電子生命体種を寄生させ相互共生していた事が判明している。
初期のiPhone属は主に情報を摂取し、物質的なハードの増殖はホモ・サピエンスによって行われていた事と考えられる。
しかし、iPhone属はiPhone12と呼ばれる種の登場期から徐々に情報集合意識としての自我を持ち始めた事が新たに判明した。
iPhone属は有機生命体における『精子』と『卵子』の代わりに『ID』と『パスワード』と呼ばれる電子生命体独自の概念を用いていてホモ・サピエンスとの主従を離れ独自の増殖を行い、その独立性を高めていた事がシリコンバレー遺跡の調査から確認できたのだ。
それを裏付けるようにその後、ホモサピエンスと電子生命体の主従関係は徐々に逆転していった事がホモ・サピエンスの化石から推察できる。これは一例だがiPhone1999と呼ばれる種の登場時には既にホモ・サピエンスは頭部の脳下垂体からiPhone属を操作するための指とおぼしき器官が一本だけ生えている形状へと変貌しておりその他の器官は退化していた事が確認できる。
その後の火山活動の活発化による大量絶滅により第1期支配種であったホモ・サピエンスとその寄生種であったiPhone属は絶滅した。現在の地球はホモ・サピエンスが支配期にiPhone属と共に生み出していたが、iPhone属の台頭から寄生系の電子生命体から機械人形へと独自の進化を遂げ大量絶滅を生き延びた「アンドロイド」属が第2期地球支配種として君臨している。
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