真夏日、中間試験の時期なのか制服を着た学生が自転車を漕いで横を過ぎていった。そんな時代もあったなあと電車から河川敷を眺め、張り巡らされた電線に囲まれた街を見下ろし、私たちがいたのはあの、河川敷の青い空へ抜けた空間で、網にかかる前の魚のように泳いでいた、一瞬の夏だったのだと悟った。

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