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クリシェのバリエーション(ジャニス・イアンの「AT SEVENTEEN」)

「終わる」と言っておいて続きまーす。まあ応用編みたいなことでお願いします。

さて上記の記事で採り上げたジャニス・イアンの「AT SEVENTEEN (17才の頃)」。採り上げた部分の後もクリシェのバリエーションのようなものが続きます。今回採り上げる部分に赤線を引きます。

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コード譜を見た感じはクリシェに見えないかもしれませんが。D7sus4はDm7(11)の三度の音をomit(省く)してると考えられます。D7sus4と書くのは厳密には問題がありますが、便宜的にそう書くこともありますし今回はそのままにします。A/DはDmM7(9)の三度の音をomitしてるとやはり考えられます。そうするとテンションを抜くと 

Dm7→DmM7→Dm7→G7

となりますね。G7については前にも書いた通りDm6の代理です。ということで残る問題はDm7がDmM7の後だけじゃなく最初にも出てるやないかい!ということですね。Dmのままでいいじゃないかという、それはそうなのですが…。

まずこういうオシャレな感じの曲調の場合トライアド(三和音)を使わない傾向があります。ジャズでコード譜を渡されたとしてただCとかGとかAmとか書かれていてもそのまま弾くことはなく、7度とか6度とか何かしら任意に付け加えて弾きます。まあとにかくトライアドを使う時はかなり"敢えて使ってる"感が強いです。この曲でもDmのままでも曲は成立しますし、クリシェのラインを崩したくないならばDmで弾けばいいのですが、それよりもトライアドじゃない方がいいという判断ではないでしょうか。しかしではそういうラインを全く意識してないわけではなく、というかむしろめっちゃ意識しており、別のなめらかなラインが出来上がってます。

譜例1

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これは歌のメロディーとも3度でハモってます。細かい譜割は省略しますよ。

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さて話は戻って、ではこのようにトライアドを避けたいよねー、でも7度の音使いたくないよねーって場合は、add9を使うのもいいですよー。

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